サッカー観戦日記

2013年03月11日(月) 『高校サッカー年鑑』熟読法

高校サッカーファンにはおなじみだが、毎年『高校サッカー年鑑』という、その年の高校サッカーのあらゆる結果をまとめた本が出版されている。都道府県予選も結果・スコアが全て示されている。だからこの本を読めば、県内の勢力図がある程度わかる。予選だけでも熟読すると軽く5時間はかかる。関西なら生観戦以外は信じないが、他の地方はこういうオタク的な楽しみ方もできる。

時間をかけるのは総体予選。選手権だと3年生が引退する高校が多いので、県全体を見る上で集大成としては、総体の方がいいのかな、と。まず優勝校の勝ちあがりを見て、そこに健闘した高校を見る。もちろん5点差ついても終盤に無理攻めしてカウンターで次々失点するパターンがあるので1年だけならスコアでは分からないんだけど、5年も見てれば大体分かるので。

2013年度版から北海道の見方を具体的に記す。優勝は旭川実で決勝でスコアレスでPK負けしたのが札幌大谷。旭川実は準決勝で大谷室蘭に2−0勝ち。準々決勝で札幌新陽に2−0勝ち、と言った具合に2点差以内をチェックしていく。札幌大谷は準決勝で帯広北に2−2のPK勝ち。準決勝は代表決定戦なので帯広北はショックだったろう。準々決勝は札幌第一に2−0勝ち。シードなので初登場の2回戦は旭川凌雲に2−1。ベスト4では帯広北が2回戦で登別大谷に3−1勝ち。大谷室蘭は準々決勝は北海道文教大学明清に2−0で勝ち。ちなみにここは女子では全国常連校だ。ベスト8勢では札幌新陽が倶知安に2−1勝ち。北海道文教大学明清が市立函館に2−1勝ち。といったところだ。この当たりまでは当然要チェックだ。


次に支部予選を見る。旭川地区は旭川実が決勝で旭川凌雲に2−1勝ち。初戦で旭川商に2−0勝ち。旭川東栄や旭川東も力はあるということは過去のデータが示しているが、結果は割愛。

室蘭支部では大谷室蘭が初戦で苫小牧東に1−0と苦戦している。実績のある室蘭清水丘などは苦戦。十勝地区準決勝では帯広北が帯広柏葉に4−3と苦戦している。

札幌地区では札幌大谷が優勝しているが、決勝は札幌新陽に2−2のPK勝ちだ。札幌大谷は準決勝でも札幌光星に1−0、準々決勝で札幌第一に1−0と苦戦している。札幌新陽も初戦で札幌拓北に0−0PK勝ち、3回戦で札幌創成に0−0PK勝ち。など札幌地区の混戦具合が良く分かる。札幌新陽は準決勝で北海道文教大学明清を6−0で下しており、その北海道文教大学明清は前の試合で北海に2−1と競り勝っている。札幌光星も準々決勝で東海大四に2−2のPK勝ち。と混戦振りを挙げては切りがない。

市立函館も函館支部では優勝しているものの準決勝は函館中部に0−0PK勝ちだ。

倶知安は小樽支部では北照に0−0PK負けを喫している。

今挙げたあたりは全国射程圏内だろう。他には釧路工や駒大岩見沢あたりか。

後は高等聾学校がついに単独ではチームを組めなくなり連合チームで惜敗だとか、利尻高校が大敗だとか、名寄支部の稚内高校がいつになったら全道大会で通用するようになるんかのう、とかいう目で見る。

こういう作業を5年も続けると、全国に旭川東が出たくらいでは驚かない。北海道で全国の可能性のある高校は少なくとも20数校はある。

この結果から、全国未経験校では札幌新陽や旭川凌雲、市立函館辺りが全国への期待が大きいことが分かる。


北海道ではないが、離島最強校は沖縄の宮古高校だろうが、夏冬ベスト4の八重山も強いことが分かる。

この視点を全国に広げると、全国制覇の可能性のある高校は200校くらいはあるのではないかと推定される。私はもっと多いと思っているが、最近は優勝候補というフレーズを安易につけて、他校と差別化してもしょうがないんじゃないか、という気分だ。テレビ的にはしょうがないんでしょうけど。大阪だと年によっては10数校は全国制覇狙えるような気がする。


全国に出場する可能性を持つのも500や600じゃないと思う。サッカー部強化に力を注ぐ高校が増えたこと。都市部での育成が進む一方、地方にも人材が流れること。更に地方クラブの発達で地方の地力もついている。全国初優勝は今後も続くだろう。今後とも混戦は続きそうだ。


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T.K. [MAIL]