高校総体の大阪予選のラストはベスト４による決勝リーグで上位２校が全国に進む。第１戦は大阪桐蔭４−０興國、桃山学院０−０近大附。大阪桐蔭は第２戦も勝てば全国行きが決まる。桐蔭と近大附はプリンス関西１部でもともにまずまずの成績を収めている。新人戦では桐蔭が大勝、逆にプリンスでは近大附が大勝している。この両校が本命と思われるが、大阪は混戦が続くので、なんともいえない。なにしろ大阪でトップクラスではなかった関大一が全国ベスト４に入ったりと全国で好成績を残している。
さて今年は桐蔭に例年の強さがないと思う。パスで相手を崩すサッカーに冴えがないのだ。後方では回せる。しかし危険な位置にはなかなか入らず、ドリブルもない。そんな中期待しているのが白井だ。新人戦決勝では圧倒的なドリブル突破力でＭＯＭ級の活躍を見せた。完全なレギュラーではないところをみると、好不調の波が大きいのだろうが、加速力とキレに物を言わせた突破力はいいときは高校レベルでは止められない。対する桃山は近年力をつけてきた。特にレフティーで１年生からレギュラーの左ＣＢ片岡に注目だ。
ゲームは３５分ハーフ。
高校総体大阪予選 決勝リーグ第２戦
大阪桐蔭高校−桃山学院高校
１１時 高槻総合スポーツセンター陸 ピッチ並 曇り
大阪桐蔭 桃山
−−−臼井−−丹羽−−− −−−−−丸本−−−−−
−−−−−−−−−−−− −西−−−天正−−−川崎
白井−上田−−西山−松木 −−−西村−−松岡−−−
村川−河野−−三浦−田渕 北本−片岡−大久保−西岡
−−−−−水野−−−−− −−−−−恵崎−−−−−
大阪桐蔭 監督：永野悦次郎
ＧＫ １ 水野竜 ３年
ＤＦ ８ 村川亮太 ３年
６ 河野勇太 ３年
４ 三浦弦太 ３年
３ 田渕大貴 ３年
ＭＦ １４ 白井康介 ３年
１７ 西山秀祐 ３年
７ 上田侑弥 ３年
９ 松木政也 ３年
ＦＷ １０ 丹羽詩温 ３年
１３ 臼井裕弥 ３年
桃山学院 監督：堀佳津之
ＧＫ １ 恵崎弘靖 ３年
ＤＦ ２４ 北本真一郎 １年
２３ 片岡大基 ２年
３ 大久保伸哉 ３年
１７ 西岡悠平 ３年
ＭＦ ６ 西村浩尚 ３年
２５ 松本直樹 ２年
１０ 西彰太 ３年
４ 天正健太郎 ３年
２２ 川崎隆平 ２年
ＦＷ ２１ 丸本周旦 ２年
立ち上がり、ゆっくりとした入りである。桐蔭が回し、桃山が守る予想通りの展開。桐蔭は両サイドハーフのサイドを入れ換える。１３分、桐蔭�せ葦困�負傷。ゴール前の競り合い。１６分、�せ葦頃��テＮ唸卻拭複廓�）。右サイドバックに入り、�Ｅ爪爾�右ＣＢに。２０分、桐蔭、��白井の右クロスに中央で��松木が胸でワントラップ、シュートがゴールインもオフサイド。２１分、桃山21丸本がドリブルで突っかけ22川��左シュートもＧＫナイスセーブ、こぼれを狙うが上に外れる。いずれも決定的シュート。21丸本が強くはないが抜群のキープ力が光る。切り返しも鋭い。桐蔭は��白井のポジショニングがまずく、いい形でボールに絡めない。攻守に中途半端な出来。３１分、桐蔭ロングボールに��臼井が桃山�Ｂ腟彿櫃領△鬚弔�シュートも弱い。決定機。３３分、桐蔭��白井が素晴らしい加速で右から２人を抜き去り�テＮ咾暴个掘▲�ロスもミス。３４分、桐蔭��白井がカウンターから中央突破、２人を抜いて３人目に止められる。しかしファウルでＦＫゲット。左８０度３２ｍＦＫを�Ь綸弔�入れて��白井ヘッドもバー。結局前半は０−０で終了。
前半のシュート数は２対４（３）、桃山が攻められながら、いいカウンターを浴びせていた。シナリオどおりの展開だろう。しかし後半予想外の展開が起きる。
３８分、桐蔭が自陣からハイボール、しかしこの処理を桃山ＤＦが誤り、桐蔭��丹羽がかっさらい、１対１を左足で右隅に決める。１−０。８分、桐蔭�Ь綸弔坊拗陝�ハーフ付近で桃山がキープしていたところを倒す。１０分、桐蔭��白井、ＤＦとの１対１を右に外しシュートも桃山ＧＫ飛び出してブロック。直後にも��松木が裏を取りＧＫと１対１をＧＫに当てる。超決定機。更に��白井が右を高速突破、中に入るがラストパスはカット。５２分、桃山25松本→�潅翅悉ぬ蕁複嫁�）５３分、桐蔭��臼井→��喜多翔（かける、３年）５７分、桃山22川��→��八田拓也（１年）。６２分、桐蔭��松木キープから��白井突破から右クロスを大外で待ちうけいていた��喜多がシュート、右隅に決まって２−０。��松木はキープするだけで全く仕掛けなかったのが残念だったが、白井を信頼していたのだろう。桃山24北本→�ダ郛綢靄磧�3年）。７０分、桐蔭��白井→27斉藤太郎（３年）。７０分、桐蔭��松木がオフサイド後にプレーを続けて警告。桃山、左クロスを21丸本がシュートもＧＫ正面。決定機。３５＋1分、桐蔭��松木→酒井佑眞。結局桐蔭が２−０で勝ち、全国行きを決めた。
後半のシュート数は５対２、終始桐蔭ペースだった。桃山はまだ力が足りなかったか。ただし最終戦は相手が無気力ゲームの可能性もあるのであきらめてはいけない。気持ちを保って欲しい。
第２試合は対照的なチーム同士の戦いである。近大附といえばフィジカル重視でゴツイ選手が多く、ここ近年は３−４−３を採用してサイドを厚くしてカウンター狙いが徹底している。対する興國はバルサ式４−３−３を採用し、自陣から徹底的につなぐ。ＣＦ山本もメッシのイメージで、両ウイングより低い位置を取り、ゴール前のタイミングを計って飛び込む。ＭＦもどんどん顔を出す。部員が多く学校経営上は成功なのだろうが、勝つのはなかなか難しいサッカーだ。風巻コーチは茂庭のいた平塚ユースで好成績を挙げた実績がある。
近大附 興國
−−−金蔵�◆鬱般醂記◆檗仝填供檗檗飮核棔檗檗欟皚�
−−−−−大西−−−−− −−−和田−−新屋−−−
平阪−京井�◆欟癲檗歹睫遏 檗檗檗檗飮害次檗檗檗檗�
−吉野晃��下田��栗山−− 畑中−野口−−北谷�⊃緲�
−−−−−川路�◆檗檗檗檗 檗檗檗檗欅羮紂檗檗檗檗�
近大附 監督：山田稔
ＧＫ １７ 川路雄太 ２年
ＤＦ ２ 栗山泰輔 ３年
４ 吉野晃基 ２年
７ 下田義起 ２年
ＭＦ ３ 金憲秀 ３年
５ 内野圭 ３年
８ 平阪謙太 ３年
１４ 京井奎樹 ２年
ＦＷ ９ 吉野竜生 ２年
１０ 大西崚太 ３年・主将
１１ 金蔵和仁 ２年
興國 監督：内野智章 コーチ：風巻和生ほか
ＧＫ １ 井上優 ３年
ＤＦ ７ 水落絇暉 ３年
５ 北谷史孝 ２年
２３ 野口卓馬 ３年
１９ 畑中宏太 ３年
ＭＦ １４ 金容輔 ２年
８ 和田達也 ３年・主将
１６ 山下智大 ３年
６ 新屋晴輝 ３年
９ 古橋匡梧 ３年
ＦＷ １０ 山本祥輝 ３年
１分、近大附、ファーストプレーで��大西の右クロスを��京井中でフリーのヘッド、決まって１−０。１３分、興國の右クロスを��山本決めて１−１。１６分、興國、右ＣＫで��山本の右足キックで入れるが逸機。近大附も�テ睫遽Ε�ロスのこぼれを��京井ボレー、ワンタッチあり、上のネットへ。２２分、近大附��平阪左クロス、ニアでスルー、��大西がインサイドで右隅狙うが外す。決定機。２９分、近大附�Р偲弔留Γ達法�中で��大西がドンピシャヘッド決まったかと思ったがファウルでノーゴール。近大附はセットプレーで様々な変化をつける。３３分、近大附�Р偲弔留Γ達砲魘イ辰燭海椶譴鬮�大西が決めて２−１。結局前半２−１。
シュート数８（２）対２（１）、ＣＫ数５対１、クロス数３対２、ファウル数２対３。完全に近大附ペースだった。興國は回せども崩せず。２列目が飛び出しもののパスが出てこず、ロングパスもなかった。また守備が全体に脆く、パスゲームしかやっていない印象。
２分、３７分、ロングボールに��吉野竜が切れ込み、興國�ニ銘�が倒しＰＫ。直前の守備が甘かった。このＰＫを��吉野が逆を突いて左隅に決めて３−１。３９分、興國�拡�中→�て遒�ボランチへ、�飴害爾�左ＳＢへ。４１分、近大附、左へパス、��大西左４５度からインサイドでシュートも右に外れる。決定機。４２分、近大附��吉野竜の右クロスに��金蔵がニアで合わせて４−１。直前にボールを奪われた興國のミスはいただけなかった。パスが遅すぎてカットされやすい。またこの会場は中央の芝が荒れていて、ボールが跳ねるのでグラウンダーのパスが繋ぎにくいのも興國に不利に働いている。５３分、近大附��大西→�嘉直緡隋複嫁�）６０分、近大附��金蔵→�街硝槊法複映�）。６２分興國�Э緲遐���中村太一。６５分、興國��金→�棺妥津�弥。興國は��古橋を右サイドバックにして、�飴害爾鬘達臓�23野口を左ＳＢに変更している。近大附も８平阪→片山雄介。６７分��吉野竜→22青山晋也。６９分、近大附クサビ�嘉直紊�鋭いターンからシュート、セーブしたものの�簡匯海�蹴りこむ。５−１。ロスタイム近大附�６癶���黒岡篤史結局５−１で終了。
興國は勝つ方策が見当たらず。風巻コーチといえば平塚ユースで好成績を残し、堅い守りを築いた人物だが、まるで１８０度違うサッカーだ。サッカーの方向性は違っても相手クロスに対する守り方とか、指導の特徴は自ずと出るものだと思うが、興國は守備のミスが多かった。バルササッカーの真似では厳しい大阪が勝ち抜くのは難しい。人工芝の堺を使えるようになった分、格下相手に落とす可能性は減っただろうが、本当に強い相手にこのサッカーでは厳しいのではないのだろうか？これで興國は１試合残して全国行きの目はなくなった。つまり桐蔭が全国行き、興國が予選敗退のため、両者にとって最終戦は消化試合になる。
そして最終日、第１試合で桐蔭と近大附が引き分け、近大附も全国行きを決め、完全に消化試合となった第２試合で興國と桃山が引き分けて大会は終わったのだった。たぶん桐蔭も近大附も全国で戦える。しかし上位は？と問われると疑問だ。新人戦では桐蔭が近大附に大勝。プリンスでは逆に近大附が大勝。不安定な印象を受ける。高校総体は短期決戦だから勢いに乗ればいいのだが、近大附のサッカーは消耗するので連戦には向かないだろう。桐蔭は丹羽にどんどん当てて攻撃を加速させればいいのに、回しすぎ。消耗を避けるという意味では、全国でも期待できるが、その割りに近大附にタテ一本からのカウンターで失点を食らっているのはいただけない。いずれにせよ、全国まで２ヶ月あるのだからそれまでにどう作り直すかだろう。白井の才能は凄いが、いい時間帯とそうでない時間帯の差が大きすぎる。大学で鍛えて実戦経験を積めば面白い。
