| 2011年10月03日(月) |
山口国体女子 北海道−宮城 |
国体２日目は女子１回戦が始まる。第１試合は宮城目当てで女子観戦を決める。いつの間にか「成年女子」から「女子」に変わっているので全員高校生でもかまわない。選手は現住所に関係なく出身県の選抜に入ることが出来る。高校サッカーのレベルの高さと社会人チームの未発達を考えれば全員高校女子でも不思議ではない。プログラムでは福井が全員福井工業大附属福井の選手になっているが、これはミスで、ＦＷ有町紗也香はＯＧだがれっきとした早大のレギュラー選手。岡山が湯郷ベルの選手を選べず、全員吉備国際大。
で目当ての宮城だが、監督さんが高校年代最強の常盤木学園の阿部由晴監督で、選手も１１人の現役常盤木生と４人の早大に進んだＯＧからなる。宮城には聖和学園という強豪もあるが、一人も選んでいない。選抜チームというのは、個々の能力の高い所属がバラバラのオールスターチームよりも、組織重視で単独チーム中心のほうがたいていチーム力は高くなる。その点を重視したのだろう。ただしプログラム記載からはＵ−１９代表で鈴木里奈、仲田歩夢、京川舞、またケガか、Ｕ−１６代表・伊藤美紀が外れている。いくら宮城でも、これだけ中心選手が外れると苦しいだろう。早大よりも常盤木のほうが強いと思うし。
対する北海道はノルディーア中心。ノルディーアはチャレンジリーグＥＡＳＴで常盤木に大敗しているし、（０−５、１−５、１−１１）しかも高校では全国トップクラスの北海道文教大学明清がいるので、ノルディーア中心でなく、高校生中心にチームを組めば、面白いと思っていたが、北海道文教大学明清は３人だけで、高校生ではむしろ室蘭大谷が５人と多い。室蘭大谷は北海道ナンバー２ながら強化が進んでいて、全国での実績はないが、これから強くなるであろうチーム。ただ北海道文教大学明清は全国でもまれている分、巧みなパス回しで圧倒するだけでなく、粘り強く激しい守りも出来るチーム。一番最近観たゲームでは、一昨年の全女日体大戦（西京極）で延長まで持ち込んだ。日体大よりも常盤木のほうが例年強いので、北海道文教大学明清なら抵抗できるのかは疑問だが。何せ今夏、同じくトップクラスで全国制覇経験のある鳳凰が常盤木に真っ向勝負を挑んで惨敗する試合を観ている。しかし北海道文教大学明清主体のほうが可能性があるのではないか？と思った。
国体女子１回戦
北海道（選抜）−宮城（選抜）
１９時 おのだサッカー交流公園サッカー場（ピッチＣ） ピッチ良 晴れ
北海道 宮城
−−−−森−−前田−−− −−佐々木−−道上−−−
−−−−−−−−−−−− −−−−−一原−−−−−
藤村−玉井−−神成−星山 権野−菅藤−−岡森−堀井
柴田−小寺−−但野−冨田 −小野田−千葉−高村−−
−−−−−小松−−−−− −−−−−林崎−−−−−
北海道 監督：三浦雅之
ＧＫ １ 小松綾子 166/59 1978/09/02 ノルディーア北海道
ＤＦ ２ 但野夕稀 166/60 1994/04/06 室蘭大谷高校
３ 小寺彩日 171/58 1986/01/23 ノルディーア北海道
４ 前田智美 166/56 1982/06/13 ノルディーア北海道
５ 柴田みのり 163/56 1994/09/11 室蘭大谷高校
ＭＦ ６ 玉井夕姫 166/60 1994/05/31 室蘭大谷高校
７ 冨田舞 157/53 1985/01/05 ノルディーア北海道
８ 藤村茉由 160/51 1993/11/01 北海道文教大学明清高校
ＦＷ １０ 神成美紀 163/56 1987/05/06 ノルディーア北海道
１１ 森美里 161/53 1990/01/11 ノルディーア北海道
１４ 星山彩香 159/53 1994/09/26 室蘭大谷高校
リザーブ
ＧＫ １２ 坂本葵 164/57 1993/08/27 室蘭大谷高校
ＤＦ １３ 横井伶菜 165/54 1995/04/10 北海道文教大学明清高校
ＭＦ ９ 佐野川祐理 156/46 1992/06/17 ノルディーア北海道
１５ 山谷瑠香 162/52 1995/02/10 北海道文教大学明清高校
15名の平均 ２０．８歳/１６３．０ｃｍ/５４．９ｋｇ
宮城県 監督：阿部由晴（常盤木学園）
ＧＫ １ 林崎萌維 166/67 1994/08/17 常盤木学園高校
ＤＦ ２ 千葉梢恵 168/60 1991/10/07 早稲田大学
３ 小野田莉子 168/63 1992/07/28 早稲田大学
４ 高村ちさと 159/53 1994/06/10 常盤木学園高校
ＭＦ ５ 岡森香沙音 164/55 1994/07/26 常盤木学園高校
７ 菅藤彩子 158/49 1989/10/31 早稲田大学
１４ 一原梓 169/59 1992/08/04 早稲田大学
１５ 道上彩花 167/63 1994/07/27 常盤木学園高校
ＦＷ ９ 権野貴子 162/53 1992/09/26 早稲田大学
１０ 佐々木美和 154/48 1995/05/20 常盤木学園高校
１３ 堀井美月 156/51 1995/01/21 常盤木学園高校
リザーブ
ＧＫ １２ 川邊花観 170/52 1993/08/07 常盤木学園高校
１１ 小須田璃菜 153/45 1996/02/11 常盤木学園高校
６ 平田美紀 158/52 1995/11/24 常盤木学園高校
８ 二宮早紀 153/48 1993/07/29 常盤木学園高校
１５名の平均 １７．５歳 １６１．７ｃｍ/５４．５ｋｇ
試合は３５分ハーフ。いきなり北海道・��藤村が左から裏を取って突っ込むが右足シュートは弱く正面。宮城が攻めるが北海道・��小寺の好カバーなどで事なきを得る。宮城・��堀井は抜群の切れが右サイドを蹂躙。タテに仕掛けるもよし、中に切れ込むもよし。伊藤の代役は十分務まる。6分、宮城��小野田の左足フィードを��一原がワンタッチで前を向き、シュートもＧＫ抑える。宮城�す眤爾呂匹鵑匹鷯紊�り、凄いダッシュ力も見せる。宮城、というか常盤木の３バックは、両ストッパーがどんどん上がり攻撃を分厚くするための攻撃的な布陣で、後方には�∪虱佞世韻�残るシーンも多い。スローインもストッパーが入れる。したがってＷＢのポジションは高く、ほとんどウイングである。��小野田が左足のロングパスの精度が高く、ＦＷにどんどん当てる。��道上のカウンターから��堀井が切れで右サイドを崩し��佐々木の細かい突破も止められる。Ｕ−１６代表佐々木は小柄だが細かいテクニックと高い戦術眼の持ち主で、ＣＦ的に張るのではなく、いろんな局面に顔を出し、捌いては前線に飛び出し、狭い局面では細かく打開する力がある。１６分、宮城�す眤爾�ら裏へ、ＧＫと��道上１対１も右に外す。超決定機。ＧＫ�‐�松に対応も良かった。じっくり観て道上が体勢崩すのを誘った。北海道��森はいいドリブルがある。その森がスルーパスを�ち暗弔冒世Δ�ＧＫ�［唳蠅�出てキャッチ。北海道��神成はパスミスが多い。常に相手に囲まれている状況で難しいパスを狙わざるを得ない。２３分、宮城�ゲ�森が大きな展開から��権野がトップスピードに乗るが、北海道��冨田が止める。��権野のスピードはなかなかで、左足クロスの精度も高い。２５分、宮城��道上、トップスピードで左を突破、��堀井がフリーもトラップが大きい。ダイレクトで撃てば決まっただろう。逸機。超決定機。２６分、宮城��権野、左突破、中��一原へしかしＤＦカットしクリア。北海道も��星山が加速するいいドリブルを見せる。そしてサイドチェンジから��藤村左クロスも味方ＦＷ届かず。結局前半は０−０で終了。
手元集計でシュート数1対４、ＧＫ数５対３、クロス数５対７。宮城が押していたが、前線での精度を欠いた。常盤木学園といえばオールマイティーなチーム。その武器の一つ体格では主力が抜けたこともあって劣っていたし、激しい守備も発揮できず。インサイドを多用する細かいパスワークも見られず、首をひねる出来。ストッパーが上がったときは分厚い攻めを見せていたが、崩しきれず、最後はミスで終わっていた。特に道上は本来身体能力が高く、高さも切れもスピードもあるオールラウンダーでアイディアのある柔らかいトラップとフィニッシュの精度を誇る選手だが、ＡＦＣＵ−１９選手権直前に代表落ちしたこともあってモチベーションが落ちていたのか、不調だった。
ハーフタイムで北海道��星山→��佐野川。宮城��一原→��小須田。後半も宮城が押し気味なら、なかなかチャンスを作れない。８分、��権野の左クロスのこぼれを��道上右から持ち込み正面シュート、上に外れる。決定機。１１分、北海道��小寺のアーリークロスに��神成が右フリーでループ狙うが、ＧＫ�［唳蠅�き出す。決定機。１５分、北海道��冨田→��横井。左ＳＢに入り、柴田が右ＳＢに移る。１６分、宮城��堀井→��二宮。１７分、北海道��神成ミドルが左ポスト直撃、宮城��小野田がクリア。決定機。直後に宮城、�Э�藤から��佐々木、さらに��二宮につなぎ右クロスもＤＦカット。２３分、宮城��佐々木が巧みな切り返しから左クロスに��道上フリーもシュートを上に外す。トラップまでは良かったが、この日は道上の日じゃないと感じ始めた。２４分、宮城、左７０度２５ｍＦＫで��小野田が左足で狙うが右上に外れる。惜しい。２７分、宮城�ゲ�森の右ＣＫを右足で入れ��道上がヘッドもＧＫキャッチ。３２分、宮城、��小野田がタテに入れ、��道上走りこむが届かない。微妙にタイミングがずれた。３３分、宮城��権野左クロスも合わず。結局後半も０−０。延長へ。
後半のシュート数２対５、ＣＫ数０対３、ＧＫ数３対２、クロス数０対８、ファウル数２対２宮城ペースも。決定機数に差はないし、宮城は支配していたわりに中で跳ね返されていた。細かい崩しも封じられ、決定機につながらない。北海道はスタメン中５人の高校生が奮闘。下がりすぎず、上がりすぎず、無理の無い守り方だった。１０分ハーフの延長戦へ。
延長前半開始すぐ、宮城��道上右シュートもまたふかし、上に外れる。５分、宮城��道上キープから��権野左クロスに��二宮コントロールするもカット。１０分、��二宮ロングＦＫも外す。
延長後半、１分、宮城��権野→�κ薪帖�トップ下に入り、��小須田が左へ。７分、宮城��佐々木が右からペナ内に切れ込み倒されるがノーファウル。しかしＧＫのミスキックが道上へ、１対１になり、落ち着いて決める。８分、北海道�‐�松→��坂本。ＧＫ同士の交代。９分、宮城��道上カットから��佐々木へ裏に出し��道上右足アウトで撃つが、交代したばかりの��坂本ＧＫスーパーセーブ。決定機。結局０−１で終了。
宮城がまさかの苦戦。道上が外しまくっていてシュート数は公式で９本。この調子ならＵ−１９代表から外れるのも止むを得ないか。ただ本来ずっと凄い選手なんです。将来Ａ代表も狙える選手だと思う。常盤木の人材も無限じゃないことは分った。チャレンジリーグの結果から予想される差はつかなかった。北海道は真っ向勝負を避け、引き気味で勝機を伺った。惜しいシュートもあったし、いいゲームだった。常盤木と北海道文教大学明清とは３−０位の力の差があると思うが、北海道は良い準備が出来たのか、組織的にも噛み合っていた。一方の宮城は噛み合わないままで、２回戦でＰＫ負けで敗退した。
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