サッカー観戦日記

2011年09月25日(日) チャレンジリーグWEST最終節 高槻−京都  

3日連続遠足大会の3日目。一番ハードな、高槻駅近くから萩谷までの徒歩アクセスである。摂津峡から白滝を登ると新しい山道が出来ており、「萩谷サッカー場」とある。わざわざ新しい道を作るくらいだから、楽な道と思ったのが大間違い。いきなり117段+212段の急階段。しんどかった。大体萩谷サッカー場に摂津峡方面から来る客なんてほとんどいない。この日はふたりのハイキング中の老夫婦とすれ違ったが。たぶんこんなルートで萩谷に来る人はいないと思うが、オススメできないことは書いておく。

なでしこリーグの2部に当たるチャレンジリーグ最終節は高槻とF高梁・吉備国際大が同じ勝ち点で得失点差で吉備国際大がリードして最終節を迎えた。両者勝利が予想されるので得失点差の勝負となる。吉備国際大の相手は高槻が22−0で破ったアギラスなので、正直高槻の優勝は絶望的である。昨年ユニバー補助でアギラス−高槻の接戦を観たので1年でここまで駄目になるのか、という思いである。悪環境でチームを一定の状態に保つことが困難な女子ならではの悩みだ。今年は節電の影響で高槻が夜間の練習が出来ず苦労したという。アギラスにとっては壊滅的なダメージだったに違いない。ダメージを追ったのは京都も同じで、昨年は高槻を破る会心のゲームも見せたが、今期は苦しい。このゲーム高槻は出来るだけ大量点を取って、アギラスの粘りにかすかな望みを託す、というところである。

今年の昇降格ルールは、なでしこ準会員中東西で2位以内に入った中の最上位チーム同士でプレーオフを行い、勝者がなでしこリーグ最下位と入れ替え戦を行うというものだ。2位以内というのは、昨年東で最上位の準会員・長野はリーグで低迷しながらもプレーオフに出てきて手も足も出なかった教訓から、強いチームにのみプレーオフ出場資格を与えるということだろう。ちなみに今期は東の準会員チームは既に2位以内の可能性がなく、西で2位以内の可能性があるのは高槻だけ。先日なでしこリーグ事務局に電話して尋ねたところ、高槻は最低でも入れ替え戦出場は決まっているとのこと。東電の福島原発事故の影響で今期活動停止のマリーゼの今後の活動については9月末までに決まることを、確認した。

チャレンジリーグWEST  
スペランツァFC高槻−バニーズ京都
13時 萩谷サッカー場 ピッチ良 晴れ

高槻           京都
−−−浜田−−島村−−− −宮井−−大山−−花崎−
虎尾−−−−−−−−浅野 −−−渡辺−−伊井−−−
−−−木下−−中岡−−− −−−−−清水−−−−−
−杉−奥田−−重川−松井 藤野−浮田−−阪上−大迫
−−−−−鈴木−−−−− −−−−−井指−−−−−


高槻 監督:細田真砂智
GK  1 鈴木理紗
MF 17 杉裕美
DF 10 奥田亜希子
DF  4 重川裕加
   16 松井美樹
MF  9 虎尾直美
    7 中岡麻衣子
   25 木下愛 
   14 浅野未希
FW 27 浜田遥
   13 島村裕子
リザーブ
GK 19 上野友紀子
DF  6 平野聡子
MF  5 重本祐佳
   23 遠山さゆり
FW  8 柏原慶子

京都 監督:山田蔵
GK 16 井指楓 
DF  6 大迫梓
    5 阪上由紀代
MF 13 浮田琴音
DF  7 藤野愛子
MF 21 清水恵子
DF 18 伊井清乃
FW 11 渡辺 樹里
MF 15 花崎玲奈
FW  9 大山夏紀
   14 宮井瑞奈
リザーブ
DF  3 中島あかね
    4 柳村彩乃
   24 佐田文香
MF 29 川内絵里香
DF 17 藤本亜実

京都の中盤の並びは独特だ。清水は1ボランチだが、右上がり目に伊井が入り、ボランチに下がったり、右ウイングの位置まで飛び出したりする。渡辺もトップ下からやや左よりのポジションでこの3人で傾いた3角形を形作っている。3トップも純然たるウイングを置かず中に絞る。バックラインから丁寧につなぎ、柔軟にポジションチェンジを繰り返して崩す理想があるようだ。この理想へのこだわりが裏目に出ることになる。

0分、いきなり京都の自陣でのパスをカット、浜田が裏に抜け、飛び出したGKの上を抜くループ。1−0。12分、高槻、浜田の左クロスが中でつぶれて木下がスライディングシュート、決まって2−0。17分、高槻、島村の右ミドル、GKかろうじて弾くが枠の中に転がりかけて掻き出す。決定機。17分、高槻の右クロスに浜田抜け出しかけるがオフサイド。浜田はなかなかパワフル。技術的にはトラップは乱れたりと向上の余地があるが、身体能力は高い。19分、高槻サイドチェンジ、虎尾左クロスに浅野飛び込むが届かず。19分、京都横パスを島村カット、左シュートは左に外れる。決定機。京都・渡辺、レフェリー(もちろん女性)にぶつかり、痛む。21分、高槻・浜田は前線でトラップミス、奪われるがパワフルに奪い返し島村へ、フリーの左足シュートは左に外れる。決定機。22分、高槻、左クロスに浅野、右フリーシュート、GKワンタッチで右CKへ逃げる。決定機。23分、中岡の右CK、ファーに流れ、浜田が左からカーブをかけて右上隅を狙うも外れる。決定機。26分、高槻・松井の右クロスを虎尾が折り返しがDFの手にあたったっぽいが、ハンドはとらず、こぼれを浜田がミドル、決まって3−0。26分、京都・大迫から高槻・虎尾がチャージで奪い左シュートも弱い。27分、高槻・松井が右で切り返し、左足で右クロスに島村が体勢を崩しながらヘッド、右に外れる。30分、高槻・中岡が弾丸FK、ニアでフリーの島村の足元へ飛ぶがトラップミス。31分、高槻サイドチェンジで松井が右クロス、浜田が体勢崩しながらファーでヘッド、左に外れる。32分、京都DFにプレッシャー、高槻・浅野が奪い浜田ループも上に外れる。37分、高槻・浅野が右から切れ込み左足シュートも正面。39分、高槻・島村の左クロスに浅野が決めたかに見えたがオフサイド。40分、高槻・中岡の弾丸ミドルはGK正面。40分、高槻・浅野が引いて受け左へダッシュ、リターンを受け左クロスもGKキャッチ。44分、京都・渡辺が素晴らしいキープからターン、タテに出し、花崎が正面シュートもわずかに右に外れる。京都は初シュート。GKのワンタッチあったらしく右CKへ。これは逸機。前半は3−0で終了。

手元集計でシュート数12(枠内7)対1(1)、CK数1対1、GK数0対5、オフサイド数5対0、クロス数10対1、ファウル数4対3。パッションで観ていたので、数字の信頼性は低いです。ただ高槻はもっと点が取れたし、取らなくてはいけない形が多かった。ループシュートが多かったが、京都GK井指が中途半端に前に出ていたことや、京都がオフサイドを取る守り方をしていたせいで、GKがラインの裏をケアしなければいけない点がこういう形につながった。

後半0分、高槻・浜田がタメて、浅野へ、右クロスを虎尾が落とし、島村シュートもGKセーブ。決定機。右CKへ。4分、高槻。中盤で軽率なパスミス、京都、右フリーでシュートも正面。6分、京都・伊井に警告。浅野の突破を止める。右45度30mFKで中岡が右上隅に伸びるボール、京都GK井指はクロスを上げてくると決め付け、左に動いてしまった。逆を突かれたから反応できなかったが、動かなければ止められたシュート。4−0。直後に高槻・木下・島村→重本・遠山。2トップに入り、浜田が左のハーフ、虎尾がボランチへ。8分、高槻・松井の右クロスに誰かワンタッチ、左に外れる。9分、高槻、中盤でのインターセプトから裏へ走る重本へ、GKの股間を抜くシュート。5−0。17分、京都・宮井→川内。そのまま左ウイング。18分、その交代の際一瞬京都の気が緩んだFKで重本が裏を取りループ。6−0。20分、高槻・松井→柏原。FWへ。浅野がRB、遠山がRH。22分、高槻・重本がDFからパスカット、GKが出ているのを見てとってループ。7−0。23分、高槻、右を崩し中岡の右クロスに京都・阪上がコーナーに逃げようとしてオウンゴール。8−0。23分、高槻・重本が奪い柏原につなぎ、左フリーの浜田へ。トラップが乱れるも、右上隅を狙った得意のカーブをかけたシュート、外れる。決定機。26分、高槻・柏原がループ、バーに当たり跳ね返りを重本がペナ内正面フリーでシュートも大きく上に外す。超決定機。29分、京都・伊井→中島。32分、高槻・遠山が右から切れ込みシュートも左に外れる。32分、高槻カウンター、浜田がまたしても左から右上へカーブをかけたシュート、右ポスト直撃。34分、高槻・鈴木→上野(GK)、浅野→平野。37分、高槻タテ一本、柏原がループ狙うが、京都GKキャッチ。38分、京都・花崎→藤本。38分、高槻・虎尾の左ミドルループ、右に外れる。決定機。40分、高槻・遠山の右グラウンダークロスに正面で重本スライディングシュート、決まって9−0。42分、遠山の右クロスに重本ニアに突っ込みヘッド、右に外れる。決定機。47分、高槻・重本が下がって受け、裏へ走る柏原にスルーパス、決めて10−0。少しプレーが続きタイムアップ、高槻が京都に10−0で大勝した。




この試合はU−19代表・浜田に注目していた。前回のアウェイ京都戦は途中交代で、あまりいいところがなく、技術的な甘さが目に付いたが、この日は左から切れ込み右上隅を狙う形が良かった。体が強く、ブロックドリブルが効いていた。U−19代表ではDF登録なので、SB起用かと思うが、クロスはあまり見られず。ただ私の中で評価を上げたのは確かだ。浅野はスピード豊かに突破を繰り返した。驚異のウインガー。松井を活かすプレーも見事。島村はイマイチ。虎尾は突破はそれほどでもなかったが、安定したキープからのパスで浜田を活かした。中岡はさすがのキック精度で攻撃を組み立て、インステップの弾丸FKやサイドチェンジなどで貢献。木下はミスが目立ったが、アイディア豊かにプレー。奥田は攻守に安定。中岡と並んで、現時点でもっとも高いレベルにある選手だ。それにラガッツァ時代から見ているので、ずっと高槻でやってほしいという気持ちがある。

さて試合後、監督・選手・関係者の挨拶があった。まず未確認情報ながら、吉備国際大との優勝争いは得失点差で2位らしいこと。(後に吉備国際大はアギラスを21−0で破り優勝したことを確認)なでしこリーグ昇格の件だが、条件を満たし、ほぼ決まりで、10月中旬のなでしこリーグ理事会で正式に決まるので楽しみにして欲しい、という報告があった。ほっと一安心。マリーゼにも潰れて欲しくないので、引き受け先が見つかってほしい。その後スポンサーのグリコからグングンソーセージで配られ、ゴール裏で記念撮影した。

帰りも歩く。新しい道は帰りは早いだろうと思い、進む。15分足らずで白滝に着いた。今後は行きは古い道、帰りは新しい道を使おうと思う。

公式記録


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T.K. [MAIL]