ナイジェリアでU−17W杯を戦う代表について、簡単に印象をまとめた。関西の選手は見慣れているが、他の地域については数度生で観た程度の感想です。なお1年前にも似たようなことを書きました。ご参考までにどうぞ。
GK 1 嘉味田 隼 KAMITA Jun 1992.01.17 183cm 80kg ヴィッセル神戸ユース
和歌山出身。動物的反応の鋭さと、大声でのコーチングが魅力で足元も計算が立つ。権田以来のインパクトのあるGK。パワフルで、空中戦も強い。代表チームの中でも特に才能豊かな選手。
21 松澤 香輝 MATSUZAWA Koki 1992.04.03 182cm 75kg 流通経済大学付属柏高校
左利き。反応が鋭い。ロングキックが正確で、組み立ての起点になれる選手。現状では控えということになるだろう。嘉味田に比べると、コーチングが物足りないし、ミスもある。
18 渡辺 泰広 WATANABE Yasuhiro 1992.10.04 180cm 70kg アルビレックス新潟ユース
Jのベンチにも入ったことがあるGK。反応がいい。昔ながらの正統派GKというか。1対1に強い一方で、空中戦やコーチングはこれから。体格はデータよりもありそうだ。
DF 12 中島 龍基 NAKAJIMA Ryuki 1992.01.12 170cm 58kg 青森山田高校
SB。室蘭出身。豊富なスタミナを活かしたアップダウンが持ち味。南米的ラテラウ。左SBで起用された場合、LHが高木にせよ堀米にせよ中にドリブルするのが持ち味なので、中島のフォローが重要になる。この選手が入った場合は攻撃モード。
5 内田 達也 UCHIDA Tatsuya 1992.02.08 177cm 70kg ガンバ大阪ユース
CB。G大阪トップ昇格内定。1対1もカバーもよく、非常に計算の立つ選手。主将も務める。先輩の宮本恒靖とイメージがかぶるところもあるが、1対1の強さは先輩を上回る。180cm超えて欲しかったが、守備技術の非常に高い選手なので、U−17レベルでは問題がないだろう。
2 岡本 拓也 OKAMOTO Takuya 1992.06.18 173cm 67kg 浦和レッズユース
CB。実際にはもう少し上背はあると思う。こちらもマンマーク、カバーとも問題のない選手で、安定感十分。体が強く、当たり負けしない。代表チームのコンセプトは「個」の強さなので、スタメンに起用される事実からも能力の高さが分かる。
3 廣木 雄磨 HIROKI Yuma 1992.07.23 167cm 63kg FC東京U-18
左右のSB。冷静な守備が光るいぶし銀DFだが、意外に熱いハートも持っている。この年代の選手としてはサイドでの守備が強く、同年代相手ではまず抜かれない。攻撃面がこれからの課題だが、代表には単独突破できるアタッカーが揃っているので、廣木のような職人はありがたい。左SBのレギュラーか?
15 夛田 凌輔 TADA Ryosuke 1992.08.07 167cm 62kg セレッソ大阪U-18
左右のSB。セレッソではCBやSHもこなす。スピードも運動量も豊富で、守備技術が高い。ドリブラーに対する強さがあり、守備を固めたいときに重宝するプレーヤー。CBに入る事からも分かるように、激しい潰しも魅力だ。代表ではRBまたは廣木のバックアップか?
6 高野 光司 TAKANO Koji 1992.12.23 173cm 60kg 東京ヴェルディユース
CB。身長が伸びなかったので、上のレベルではボランチか?前で潰す激しい守備が最大の持ち味で、ガットゥーゾとイメージが重なる。1対1の強さは代表随一。たまにミスもあるが、最後まで闘志を失わない姿勢はチームに活気を与えるだろう。
4 松原 健 MATSUBARA Ken 1993.02.16 177cm 66kg 大分トリニータU-18
直前合宿で初めて観た選手。代表ではRB。スケールの大きな選手。フィードが正確。相手のドリブルに弱い面があり、守備よりも攻撃面での貢献が大きい選手。数少ない93年生まれ。
MF 17 神田 圭介 KANDA Keisuke 1992.01.29 163cm 57kg 鹿島アントラーズユース
SHまたはシャドーストライカー。スペースを察知しタイミングよく飛び込む。スピードも豊か。代表ではスーパーサブ的な位置づけ。SHとしては、ボールを持たないときの動きが素晴らしい。
10 柴崎 岳 SHIBASAKI Gaku 1992.05.28 173cm 62kg 青森山田高校
ボランチ。代表チームの屋台骨の一人。青森山田中時代から高校のプリンスリーグにレギュラーとして出場していた。安全確実な捌きと危険なスペースを潰す動きが見事で、非常に計算がたつ。クレバー。相手ラインの裏を狙った勝負パスもある。
16 小川 慶治朗 OGAWA Keijiro 1992.07.14 168cm 62kg ヴィッセル神戸ユース
代表ではRH。小柄ながらスピードを活かした突破があり、神戸ではシャドーストライカーを務める。技術も高い。タテの突破からのクロスがどのくらい発揮できるか。神田とはややキャラが異なり、どちらかといえば技巧派。
14 小島 秀仁 KOJIMA Shuto 1992.07.30 178cm 65kg 前橋育英高校
ボランチ。栃木県出身。確実な技術で中盤を支配する。柴崎がパスを選択するようなシーンでもボールを運ぼうとする。相手のそばをすり抜けるような動きが特徴的。守備はあまり強くない。
11 高木 善朗 TAKAGI Yoshiaki 1992.12.09 170cm 63kg 東京ヴェルディユース
SH。スペースを察知する感覚に優れ、ボールを呼び込む動きが出来ることから、よく絡む。精神的にも強く、味方を怒鳴りつけて鼓舞する。技術もあり、狭い局面を打開する能力も高い。本来FWもこなすことから得点力も高い。元プロ野球選手・高木豊氏の次男。
13 堀米 勇輝 HORIGOME Yuki 1992.12.13 168cm 62kg ヴァンフォーレ甲府ユース
SH。レフティー。高い技術を誇る。代表ではここのところ右のハーフを務める。日本においては中村俊輔が確立した左利きRHのプレースタイルを飲み込んだ。中へのドリブルからの細かいプレーを好む。守備意識も高く、前線からの激しい守備もレギュラー起用される要因だろう。
19 幸野 志有人 KOHNO Shuto 1993.05.04 174cm 58kg JFAアカデミー福島
中盤ならどこでもこなす。今回唯一の高校1年生。戦術眼に優れた選手で、パスのミスが少ない。守備はやや弱いが、必死に相手に喰らいつく。名前が小島とは同じ「シュウト」という名前で区別に苦労した。
FW 7 宇佐美 貴史 USAMI Takashi 1992.05.06 178cm 68kg ガンバ大阪
トップ下・左右のSH。代表のエース。早くから注目されてきた選手で、中1にしてG大阪ジュニアユース、中3でユースのレギュラーを奪った。高い技術とスピードを誇り、突破力・決定力が素晴らしい。守備はまだまだだが、4−2−3−1のトップ下ならば、自チームに負担をかけないだろう。
8 宮吉 拓実 MIYAYOSHI Takumi 1992.08.07 170cm 63kg 京都サンガF.C.
FW。代表のエースストライカー。1トップに入り、確実な技術でボールを納め、正確かつ広い視野で確実に味方に繋ぐ。アイディアも豊富で、宇佐美とのコンビで、相手を混乱に陥れる。決定力も宇佐美と並び、代表でも随一。先日トップでの公式戦初ゴールをマークした。
9 杉本 健勇 SUGIMOTO Kenyu 1992.11.18 187cm 76kg セレッソ大阪U-18
長身CF。C大阪ではSHやCBもこなす。これは高い技術とスピード・高さを兼ね備えるからこそ可能だ。代表ではCFに固定されている。現状では宮吉の控えだろうが、2人のコンビも見てみたい。尤もそうなると宇佐美がSHになり、守備が弱くなるが。
20 宮市 亮 MIYAICHI Ryo 1992.12.14 180cm 66kg 中京大学附属中京高校
FW・左右のSH。12月生まれながら身体能力は代表トップクラス。技術もまずまず。加速を活かした突破力でサイドを蹂躙する。守備はイマイチで、スタメンでは起用しにくい。
宇佐美の能力を最大限に活かす策として4−2−3−1を採用。DF陣が小柄なので、前線からの激しい守備と、バックラインを高く押し上げ、前を向かせないプレーで相手を封じる。CB陣は1対1に強く、不利な状況でも何とかしてくれる期待感はある。攻撃面でも1対1に強い選手が揃う。池内監督は戦術家というより教育者で、組織をがちがちに固めるわけではなく、個々の能力を高めることを主眼にしたチーム作りを進めてきた。10年前の同じナイジェリアでのトルシエU−20代表とは真逆の方針である。ブラジルは昨年の豊田国際で当時のU−16代表を観ていて、コンディションが悪いながらも個々の能力の高さが光った。コウティーニョは素晴らしい。メキシコは05年の王者で、日本の手本とする国の一つだ。スイスだって激戦区ヨーロッパの代表なので、日本よりも注目されているはずだ。なんとか決勝トーナメントに進んで欲しい。
*予想フォーメーション*
−−−−−宮吉−−−−− 高木−−−宇佐美−−堀米 −−−柴崎−−小島−−− 廣木−岡本−−内田−松原 −−−−−嘉味田−−−−
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