2009年05月11日(月) |
雑文・キャプテン翼主要キャラの将来性分析 |
GWにサッカー観戦とジャズ鑑賞の合間にしょうもないことを考えていた。私は今までにかなりの、少なくとも1500試合、下手すると2000試合を越すサッカー観戦歴があるわけで、その多くはユース年代である。どういう選手が伸び、どういう選手が潰れていくかを観てきている。で、その経験則をキャプテン翼のキャラに当てはめてみた。ユースウォッチャー、ユースやくざのたわごとである。シュートでDFが吹っ飛ぶとか、ペナルティーエリア外のシュートは全て防ぐとか、非現実的な能力は、現実に置き換えて考察している。身体データなどは公式サイトによる。
●大空翼 175cm・64kg、南葛SC→南葛中→サンパウロ→バルセロナ
ドリブルもパスもシュートも守備もリーダーシップも闘争心も身体能力もあるオールラウンダー。小学生時代から勝ち続け、挫折知らずのキャリアから来る屈託のなさが魅力。こういうタイプは一旦挫折を味わうと立ち直れず、20代前半まではスーパーなプレーをみせていても、20代後半に凡庸な選手になることが多い、(例:デ・ラ・ペーニャ)育成年代では勝率8割を超えると、各試合でいい経験を積んでいない、といっているようなものだ。なのに中学時代負けなしなんて、ありえない。典型的な伸び悩むタイプ。
●日向小次郎 180cm・70kg、明和FC→東邦学園中等部→高等部→ユベントス→レッジアーナ
小学生時には身体能力に物を言わせ、パワーで押し切る典型的な早熟選手。4月生まれと思いきや、8月生まれである。早熟選手は身体能力に溺れ、技術や戦術眼がおろそかになり、創意工夫が足りない。FWなのにやたらロングシュートを撃つのはペナルティーエリア内で勝負が出来なかったり、ボールを受ける工夫が足りないためだろう。同タイプのバティストゥータとはそこが違う。身長も180cmとプロレベルでは大型というほどではなく、世界でパワー勝負を挑むには厳しい。やたらとスライディングタックルを敢行するなど守備意識は高く、日本人監督が好みそうなタイプではある。
●若林源三 183cm・77kg、南葛SC→ハンブルガーSV
小学生時から専属GKコーチの指導を受け、技術的には早くから完成したGK。キャッチングだけでなく、反応もいい。こういうタイプはJユースにはゴロゴロいる。しかしじきに高体連のGKに抜かれていくのだ。GKというポジションは技術的に早熟であるメリットはほとんどない。野性味こそが重要なポイントなのだ。日本にずっといれば潰れていたタイプ。だから小学校卒業とともにドイツに渡った判断は正しいといえるだろう。日本では中1のGKはろくな経験を積めない。その点ドイツなら、野性味を保ったまま経験を積める可能性がある。そこそこ将来性を期待できる選手。
●岬太郎 174cm・62kg、南葛SC→西峰小→南葛高校→ジュビロ磐田
パスセンスに優れ、小学生時からシュートやドリブルよりもパスに生きがいを感じてきたタイプ。ガンバ大阪ジュニアユースによくいるタイプだ。小学生時に決定的なラストパスを出していた選手が、リスクを避け、無難なパスに走るようになり、全く怖くなくなる。得点力もなく、いわゆる日本サッカー界が生み出してきた典型的MFだ。しかも彼は中学生年代にまともな実戦経験を積んでいない。小学生のときは天才だったのになあ、といわれる早熟選手。
●三杉淳 177cm・64kg、武蔵FC→武蔵中→武蔵医大付属高校→ベルマーレ平塚→FC東京
小学生時にいわゆるパーフェクトスキルを身につけ、戦術眼も高く、リーダーシップもある。ここまでなら典型的早熟タイプに属する。小学生には1対1の強さは必要だが、グループで守ることまでは必要ない。しかも高校時はまともな経験を積んでいない。しかしこの選手には自分で考える頭脳があった。サッカー選手に必要な頭を持った選手は環境適応能力が高い。確かにCBとしては上背が足りない。守備的なポジションは20代前半に世界的なレベルには到達できないだろう。しかしそこで世界に羽ばたけば……。キャプ翼キャラの中ではもっとも将来性のあるタイプ。
●若島津健 185cm・74kg、明和FC→東邦学園中等部→高等部→横浜フリューゲルス→名古屋グランパスエイト
キャッチングに難があり、パンチングを多用する悪癖がある。また、中学・高校とほとんど常勝チームで実戦経験にも疑問が残る。しかも中等部時代は高等部の選手にあまり知られていなかったことから、飛び級で練習参加もしていなかったことが想像される。飛び級でプリンスリーグに参加した当時の青森山田中・柴崎岳のような経験も積んでいないのだ。とはいえ、日本の育成環境では普通のこと。野性味は評価できる。プロでキャリアを積めば、早熟なGKは追い抜けるだろう。若林よりも有望かもしれない。体格でも上回っているし。
●松山光 176cm・66kg、ふらの小→ふらの中→ふらの高→コンサドーレ札幌
地方の弱小チームというのは時として凄い選手を生み出す。勝つも負けるも中心選手しだい、何でもやらなければ勝てないし、精神力も磨かれる。またJトップクラブに入った有望選手はしばしば出場機会のなさからかつての輝きを失っていく。ある意味松山は理想のキャリアを歩んでいるといえるだろう。小笠原満男のような才能はなくとも、同等以上の選手になりうるし、ボランチとしてはJユースのエリートよりも苦労人のほうが大成する可能性が高い。キャリア中盤で世界に羽ばたけば、いい線までいくかもしれない。
●早田誠 178cm・63kg、大阪東第一中→立波高→ガンバ大阪
スピードに優れたタレントがマンマーカーとして守備技術を磨き、SBに転身する。SBにはあらゆることが求められ、それゆえ日本では大成することが難しいポジションだ。しかも日本では中央>サイドという風潮もある。その点、早田は能力を磨き、その上でSBになった稀有の人材だ。しかし左SBである以上左足クロスは必須であろう。右足アウトにかけたクロスだけでは詰まる。ガンバは海外移籍選手の多いクラブ。タイミングを見計らって移籍すれば、あるいは……、と思わせる素材だ。
●次藤洋 185cm・84kg、比良戸中→国見学院→アビスパ福岡
中学時代には恵まれた体格を活かし地元では敵なし。チームメイトには佐野満というテクニシャン・タイプのアタッカーもいた。しかしそこで1対1の強さを磨かなかったのが運のつき。ドイツ代表の平均身長がだいたい184cmくらい、という点を考えれば、世界レベルでは大型CBともいえず、典型的な早熟CBとなりそうだ。中学生時代までに1対1を磨かなければ、後で取り返しがつかなくなる、という例。もちろん、エイプリル生まれである。セレッソ大阪U-18ならCB兼CF(兼ボランチ)にされそうだ。
●新田瞬 172cm・60kg、大友中→南葛高→柏レイソル
小学生時に瞬発力にものを言わせた突破力を誇っていた選手は、成長に従い身体能力差が小さくなり、ピッチ上にスペースも少なくなると、とたんに輝きを失うものだ。育成年代で技術を磨かなければ、スピードも宝の持ち腐れとなるのだ。現実で言えば星原健太(ガンバ大阪)にその懸念がある。得点力もさほどない新田はボレーシュートくらいしか取り柄がない。将来性には大いに不安がある。
●石崎了 176cm・67kg、南葛SC→南葛中→南葛高→ジュビロ磐田
スピードはなさそうだ。運動量にモノを言わせたタイプのサイドバックであろう。1対1に強いわけでも、技術があるわけでもない。頭もよくない。精神力だけの選手だ。しかしサッカーにおいて、最も重要な要素を備えたこの選手はガットゥーゾ(初期バージョン)の日本版になれそうだ。ただボランチが適性ポジションでも代表では出番がない。ワールドクラス?無理だろう。
●森崎有三 公式サイト上に情報なし、南葛SC→南葛中→南葛高→清水エスパルス
サッカーにおいて、とりわけGKにおいて何より経験が重要であることを思わせる。さしたる才能がないながらも、豊富な実戦経験を積んだ結果、中西太一などのライバルを蹴落とし、いつの間にか日本代表不動の第3キーパーとなった。現実でいえば、川口能活が浮かぶが、世界に通用するレベルにはなれなくても、アジアトップクラスならば、一定の才能と努力しだいでなれるであろうことを思わせるキャラ。
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