サッカー観戦日記

2008年11月15日(土) なでしこリーグ 高槻−千葉

9月に開催予定だったこのカード。雷雨で中止になり、今日に延期。ちょうど一番最後の試合が一部昇格を争う決戦となった。千葉は勝ちまたは引き分けで自動昇格。負ければ1部最下位になるであろう伊賀と入れ替え戦になる。高槻は勝てば自動昇格、引き分け以下で入れ替え戦だ。

試合開始30分前にスタジアムに到着。すでにメインは満員。バックスタンドやゴール裏にも客が入っている。こんなことなみはや国体以来か?千葉サポが約40人も来ている。高槻サポはメインを青く染めて選手を迎える。入り口で、空気を入れて音を出すバーみたいな?ものを配布される。ガンバ大阪と書いている。ガンバから譲られたものらしい。

最高の盛り上がりの中選手入場。エスコートキッズは高槻サイドがNYOZEと胸に書いてある。如是の少年団か?大阪協会のサイトには女子チームの登録の中に名前がない。新チームか、それとも男子に混じってのプレーか?千葉サイドは高槻ピンキーズ。



なでしこリーグ2部  
スペランツァF.C.高槻−ジェフユナイテッド市原・千葉レディース
13時 萩谷サッカー場 晴れ ピッチ良

高槻           千葉
−−−相澤−−伊丹−−− −−−石田−−三上−−−
−−−−−−−−−−−− −安田−−吉本−−清水−
小野村−鈴木舞新甫−白井 西口−浅野−−後藤−河村
平野−奥田−−中江−中鍋 −−−−−阿部−−−−−
−−−−−鈴木理−−−− −−−−−船田−−−−−

高槻
GK 1 鈴木理紗 DF 2 中鍋美里 10 奥田亜希子 13 中江真紀 27 鈴木舞子 MF 6 小野村亜矢 7 新甫まどか 9 相澤舞衣 FW 8 平野回梨佳 11 伊丹絵美 14 白井杏奈

千葉
GK 30 船田麻友 DF 3 浅野麻衣子 5 河村真理子 17 阿部麻美 20 西口柄早 MF 22 安田有希 6 三上尚子 7 後藤史 19 吉本宏美 FW 9 石田美穂子 10 清水由香

登録ポジションと実際の並びはかなり違う。高槻の主将・レフティー相澤はFWで出場。2部の得点ランク2位とゴールを量産している。左サイドが本職だろうが、スピードがあって、決定力もあるのでFWで起用されているのだろう。中盤フラットの4−4−2。千葉は阿部がスイーパー的な5バック。5−3−2でガチガチに守る布陣だ。

開始直後は高槻が攻め、3分、相澤が角度のないところからシュート、セーブされ左CKへ。しかし以降は千葉ペースに。高槻はかつて全員MFかと思うくらい技術の高い選手を起用し、中盤を支配するサッカーを1部でもしていた。そもそもサッカーどころ高槻のチームはカテゴリーを問わず、例え身体能力で劣っても、技術では上回ることが多いし、ラガッツァという強力な下部組織があった高槻は技術の高い選手が揃っていた。しかしラガッツァがFC VOTORIAして分離独立し、1から下部組織ラガッツァを再強化しなければならなくなり、人材確保に苦労するようになった。いまだにラガッツァはかつての強さを取り戻していない。一方千葉は下部組織はないが、女子サッカーが盛んな関東にあって、さまざまなチームから選手が入り、少しずつ力をつけた。そしてこの試合、技術で高槻を上回り、パススピードで優り、ボールを支配する。しかし高槻もシュートは許さず、必死に耐える。28分、高槻・鈴木舞子に警告。ハンド?少し厳しい判定だったと思う。そのFK、右50度30m、河村のキックが正面に走りこんだ阿部に合うがヘッドは上に外れる。決定機。30分ごろ、千葉も攻め疲れ、やや高槻が押し戻す。42分、千葉・三上→11井上由惟子。結局スコアレスで前半終了。

シュート数3(1)対4(2)、コーナーキック数1対0、ゴールキック数4対6、クロス数3対5、ファウル数5対5、スタッツをみると互角だが、千葉がボールを支配し、クロスやシュートの一歩手前までは迫っていた。

ハーフタイムでプレゼントの放送が入るが、その中に草津産のネギというものがあった。初音ミクなら喜んだかもしれない。

後半は激しい攻め合いとなる。1分、千葉、FKから危険なボールが入るがクリア。さらに、河村の右FKがゴール上を襲い、フィスティングでクリア。3分、千葉、左クロスGK鈴木理パンチングミス、石田が左で拾いシュートもサイドネット。3分、千葉、DFライン裏へのパス、GK鈴木理飛び出して足でクリアもミス、井上が無人のゴールへシュート、決まって0−1。直後に高槻・小野村→柏原慶子。165cmの長身CFを入れ、相澤が左サイドへ。しかしペースは変わらず、17分、高槻DFのミスを拾った千葉・清水の左クロスを井上がファーでインサイドボレー。0−2。17分、高槻・白井→23櫻井真理子。165cmとこちらも長身。FWに入り、伊丹が右サイドへ。伊丹はプレッシャー下で正確な技術を発揮していたが、千葉の5バックをこじ開けるための策だろう。直後、相澤の右足左クロス、柏原が正面で受けて(DFのマークミス)シュートも弱くキャッチされる。高槻初の決定機。23分、高槻・相澤の左クロス、DFに当てて左CKへ。26分、高槻・相澤の左クロス、櫻井が落とし柏原がシュート、これも弱くセーブされるが、こぼれを柏原自身が決めて1−2。直後に千葉は河村→27花桐なおみ。千葉は西口−浅野−阿部−後藤と並ぶ4バックに変更。引いて守るのではなく、前からプレスかけてゴール前にハイボールを入れさせない策に出る。この采配が一つの転機となった。29分、高槻・鈴木舞子→28虎尾直美。29分、高槻・右クロスを柏原ワントラップ・シュートこれも弱くブロックされ右CKに。柏原はシュート精度に難があるところがここ5試合スタメンから外れている原因かもしれない。といっても今期結構点はとっているが。31分、高槻・虎尾の右クロス、左の相澤がフリーだったが、手前でクリア。左CKへ。これはクリアされる。32分、高槻、右から崩し、伊丹がものすごいミドルを決める。2−2。千葉は采配が実らず、引いて守る。浅野160cm、阿部165cmと決して小柄なわけではないが、高槻のハイボールの前に大苦戦。38分、高槻ロングボールに競り勝ち、こぼれを柏原右上隅に弾丸シュート、決まったかに思えたがオフサイド。ここで決まっていれば絵に書いたような高槻のゲームだったのに。千葉も石田→2柴田里美169cmを入れて防空戦対策を採る。結局千葉が守りきり2−2の引き分け。千葉の2部優勝・1部昇格が決まった。高槻は入れ替え戦へ。

ホームの盛り上がりは凄かった。私が見た今期の試合の中で興奮度は一番と言っていい。総合力では千葉に分があったと思う。しかし高槻が勢いに乗り、猛攻を仕掛けゲームが盛り上がった。技術で負けていたのは高槻人としてショックだったが、さまざまな戦い方を身につけているのは、サッカーどころならでは。入れ替え戦を戦うであろう伊賀は今期わずか1勝1分の勝ち点4。チーム状態がよくないことが多い1部下位チームとの入れ替え戦の勝算は高い。期待していようと思う。


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T.K. [MAIL]