| 2007年01月28日(日) |
滋賀高校新人戦 決勝 野洲−草津東 |
滋賀の新人戦決勝はかつて3月に県内の高校グラウンドで行われていた。それが皇子山で行われるようになり、さらにビッグレイク完成により、早い段階から高校生が人工芝でプレーできる好環境が整いつつある。今年は高校グラウンドでの決勝に逆戻りだが、かつてのクレーコートとは違い、人工芝だし、滋賀の試合環境は全国一かもしれない。
不便な守山北高校には行ったことがあるが、野洲高は初めて。校舎から新幹線をくぐってグラウンドへ。学校内に新幹線が通る珍しい学校だ。40分前に到着したので、いい場所を取れた。全国制覇後の野洲の試合は混むので警戒していたのだ。
会場に着くと女子の新人戦が行われていた。八幡商と合同チームとの対戦。レベル的には関西トップクラスには及ばない。
試合が終わり、両校の練習が始まる。野洲の小さなエリアでのボール回しが始まり、山本監督が「2タッチ」「判断の時間を短く」と指示が飛ぶ。守備の寄せが早い。
滋賀高校新人戦 決勝 野洲−草津東 13時 野洲高グラウンド 晴れ 人工芝
野洲 草津東 −−−坂本−−池田−−− −−−十一−−十四−−− −−−−−潮入−−−−− −−−−−−−−−−−− 木村−上田−内久保−藤野 八番−十番−−六番−十三 −−西口−青木−濱口−− 四番−五番−−二三−二一 −−−−−横江−−−−− −−−−−一番−−−−−
野洲高校のメンバーは試合前に保護者たちに配られた。こちょうのゆめ様に置いてあります。草津東は分からず。野洲は全国制覇後入学した1年生が多い。その分素材としては優れていそう。
試合は草津東が昨年までの3バックからかつての4バックに戻し、バックラインを押し上げ、中盤の激しい守備からFWがサイドで起点になり、他の選手がゴール前に飛び出すサッカーを意図しているように見えた。しかし連動はイマイチでサイド攻撃が機能せず、野洲のパスに振り回され、後手後手に回る展開。チーム立ち上げの遅れた野洲も連携はイマイチだが、それでもパスでプレスをかいくぐれるので優位に試合を進めていく。3分、野洲・右クロスを坂本ヘッド、GK正面。内久保には速いドリがある。直後の右CK、木村の左足をファー西口が折り返すがGKへのチャージ。20分、草津東、右サイドの攻撃からチャンスになりかける、21分、野洲、自陣でボールを奪い、潮入にパス。潮入がドリブルで仕掛けバックラインを押し上げたい草津東の裏を突くパス、坂本が抜け出し、飛び出したGKの上を抜くループシュート、これが決まり野洲先制。27分、野洲、左30度FK木村のボールは正面でクリア。草津東は14番が強く11番がキレがあるタイプ。なかなか強力。29分、草津東スルーパス、GK横江飛び出すが触れずかわされるが、ボールが大きく出てシュートならず。31分には野洲が左へ大きく展開、木村ドフリーのクロスもラインを割る。35分ハーフなので前半終了。
前半のシュート数は4(枠内3)対2(1)右クロス5(成功1)対2(1)、左クロス1対1、野洲ペースの前半だった。
後半、草津東は8番から7番へ。しかし3分7番がアフタータックルで警告。突破力のあるサイドアタッカー。8分、野洲、右からつなぎ潮入シュート、右に外れる。決定機。さらにFKで池田が競り勝ち、坂本ループ、届かず。9分、右クロスに坂本飛び込むがこぼれ、ドフリーで坂本シュート、GKキャッチ。直後にも池田のスルーパスに坂本持ちすぎてシュートはブロックされる。12分には左CKでファーで青木ヘッド、外れる。決定機。 13分、草津東、左CKから13番ヘッド、上に外れる。14分、野洲・左クロスに池田ヘッド、GKキャッチ。草津東11番→9番。25分野洲、池田→松永いきなり絶妙スルーパスも誰も反応せず。26分、野洲・坂本スルーパスにフリーの選手が抜け出すがシュートはセーブ。決定機。直後に潮入のクロス、坂本合わせ損なう。決定機。28分には左クロスに坂本ヘッド、右に外れる。30分、右サイドの藤野友貴→藤野研太郎。31分、野洲・カウンターから松永が右サイド深い位置から2人をかわしゴール、2−0となり勝負を決定付けた。32分には草津東の6番がプッシングで警告。2枚目だったらしく退場。そのままタイムアップ。2−0で野洲の完勝だった。
後半のシュート数14対2、GK数1対6と野洲の完勝で2点差で済んだのが不思議なくらいの展開だった。野洲ではトップ下の潮入、CB青木、左の木村、FW坂本らが目立った。草津東も2トップと7番は面白い。ただ草津東に関しては昨年ほどの力はなさそうだった。野洲は全国制覇後の新世代のチームとなり大型化が進んでいて、技術をパワーで潰される、ということはそうはなさそうだ。
ところでこの優勝で野洲のプリンスリーグ参戦が決まったわけではない。プリンスリーグの間にU−17県リーグが行われておりそれに優勝した草津東が新人戦優勝チームと代表決定戦を行う仕組みになっている。フェアな選考を意識するばかりにややこしい仕組みになったなという印象だ。リーグ戦の理念の本来なら県リーグの勝者が自動昇格、または降格してきたチーム(この場合は野洲)と入れ替え戦をするのが筋だと思うが、入れ替え戦をするにもプリンスリーグはU−18、県リーグはU−17で行われているし、フェアなやり方にはならない。自動昇格・降格を導入するのもJ1下位とJ2上位のように実力差がほとんどないか、下部リーグのほうが力が上という状況なら良いが、プリンスリーグと県リーグでは大きな差があるだろう。または新人戦1本で決めるのがシンプルではあるが、リーグ戦の理念とは乖離しすぎる。こういうところで妥協策になったのかもしれない。各地でさまざまの方法が試されているが難しい問題だ。
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