サッカー観戦日記

2004年07月16日(金) アテネ五輪本大会日本代表


GK  1 曽ヶ端 準       SOGAHATA Hitoshi   1979.08.02 187cm 80kg 鹿島アントラーズ
  18 黒河 貴矢       KUROKAWA Takaya    1981.04.07 182cm 73kg 清水エスパルス
              
DF  2 田中 マルクス 闘莉王 TANAKA Marcus Tulio 1981.04.24 185cm 82kg 浦和レッドダイヤモンズ
   3 茂庭 照幸       MONIWA Teruyuki    1981.09.08 181cm 77kg FC東京
   4 那須 大亮       NASU Daisuke     1981.10.10 180cm 75kg 横浜F・マリノス
  15 徳永 悠平       TOKUNAGA Yuhei    1983.09.25 179cm 74kg 早稲田大学
  12 菊地 直哉       KIKUCHI Naoya     1984.11.24 181cm 73kg ジュビロ磐田
              
MF  8 小野 伸二       ONO Shinji      1979.09.27 175cm 74kg フェイエノールト(オランダ)
   7 森崎 浩司       MORISAKI Koji     1981.05.09 177cm 72kg サンフレッチェ広島
  10 松井 大輔       MATSUI Daisuke    1981.05.11 175cm 64kg 京都パープルサンガ
  14 石川 直宏       ISHIKAWA Naohiro   1981.05.12 175cm 68kg FC東京
  13 駒野 友一       KOMANO Yuichi     1981.07.25 171cm 71kg サンフレッチェ広島
   5 阿部 勇樹       ABE Yuki       1981.09.06 175cm 68kg ジェフユナイテッド市原
   6 今野 泰幸       KONNO Yasuyuki    1983.01.25 178cm 69kg FC東京
 
FW  9 高松 大樹       TAKAMATSU Daiki    1981.09.08 181cm 72kg 大分トリニータ
  16 大久保 嘉人      OKUBO Yoshito     1982.06.09 168cm 61kg セレッソ大阪
  11 田中 達也       TANAKA Tatsuya    1982.11.27 167cm 63kg 浦和レッドダイヤモンズ
  17 平山 相太       HIRAYAMA Sota     1985.06.06 190cm 81kg 筑波大学
 
<バックアップメンバー>
GK 22 林 卓人        HAYASHI Takuto    1982.08.09 186cm 84kg サンフレッチェ広島
DF 21 北本 久仁衛      KITAMOTO Kunie    1981.09.18 180cm 78kg ヴィッセル神戸
MF 20 前田 遼一       MAEDA Ryoichi     1981.10.09 182cm 75kg ジュビロ磐田
FW 19 坂田 大輔       SAKATA Daisuke    1983.01.16 173cm 65kg 横浜F・マリノス




18名の顔ぶれは予想通り。このチームをよく見ている人ならばまず18名全員を的中できただろう。山本監督という人は頭の中で組み立てた公式・セオリーどおりに行動する人なので、思考回路さえ読めればほとんど全ての行動は理解できるし、比較的予測もつく。

GKはまあこれしかないメンバー。チュニジア戦の致命的ミスで曽ヶ端を第3GKに回してやろうか、とも思ったがさすがにあり得ないか。もともと安定感はU−23世代と比べてピカイチだし。キャプテン翼の永遠の第3GK森崎君の如く、曽ヶ端は第3GKばかり経験してきた。U−17世界選手権では1勝1分1敗でグループリーグ敗退、これは自力での本大会出場を含めると日本史上最高の成績である。ワールドユースでは準優勝。シドニー五輪では、アマ規定廃止後としては史上最高のベスト8。そして日韓共催W杯でもベスト8。史上最高の第3GKがついに正GKとして国際大会に臨む。控えは黒河。予選を通じて正GKだったのはバックライン裏のカバーに優れた林だが、予選後に負傷し黒河がポジションを奪っていた。林の回復状態にもよるが、絶対的な信頼を得ているわけではない以上は黒河が順当だろう。

DFは今までの流れからトゥーリオ、茂庭、那須、徳永は確実で、あとは状況に応じて既に選出確実なMF阿部をDF起用するか、菊地かといったところ。阿部のDF起用はあくまでスクランブル時のみであるべきなので菊地選出は当然である。

FWを4枚とすると、MFは7枚となる。オーバーエイジ小野、運動量豊富で相手を潰す技術に長ける今野、抜群の展開力を誇る阿部は不可欠。小野をボランチとして数えれば3人、トップ下として数えてももう1人必要になるが、山本監督は明らかに山瀬より松井を重視しており、選出は確実であった。DF徳永以外のアウトサイドで、もっとも突破力の石川は確実。あとは左サイドとして守備力が一番の駒野、そして山本監督が重視している森崎浩司となる。

FWは4人となる。オーバーエイジ高原はCFとしてポスト役を求められるので、残りは平山か高松。キャンプ中に山本監督が平山の危機感を煽る発言をしているが実力的に平山選出は濃厚であった。そしてチュニジア戦で先発した高松は全く基点になれず、後半の平山の活躍ぶり。誰よりも高松自身が落選を確信しただろうが、高原の離脱により高松が土壇場で選出された。ただ本大会で戦力になれるかどうか疑わしい部分もあると思う。山本サッカーではポスト役は不可欠なので高松を選ぶしかなかったのだが。そして田中達也と大久保。


2年間で28億もの予算を投じての強化の過程は右往左往に尽きる。「選手というものはチーム内にヒエラルキーを構築し、そこに安住してしまう。それを破壊し、新たなヒエラルキーを構築するための競争を繰り返すことによってチームを強化する」というトルシエの理論を表面上なぞった様に、次々に数多くの選手を入れ替え、様々な選手起用を行なう、いわゆるテストごっこを続けてしまった。チーム内での競争意識を高める上で何より重要なことは監督自身の直接的言動による雰囲気作りであり、トルシエの場合はエキセントリックなキャラクターを上手く活かしていた感があった。しかし山本監督の場合は試合での采配やあまりに咀嚼された言動に頼りすぎてしまったのかもしれない。レフェリーであれば雰囲気作りではなく警告を乱発してゲームコントロールを図ったり、一方のチームに退場を宣告すればもう一方にもきっちり退場を宣告するタイプかもしれない。ある意味自分を過剰コントロールしているというか、もう少し自分の殻を破ったほうが良いのではないだろうか?でなければ今後大きな成長は望めまい。

山本監督のチーム作りに対する私の立場は一言で言えば不支持となる。解任派とまでは行かないが。DFラインからのタテのフィード重視、一旦ポストに当てるといった戦術イメージが終始一貫している割にはチーム作りは進まず、育成チームとして考えても個々の成長度合いには疑問が多い。もちろんあくまで主観的な感想であってJ1レギュラーの数といった客観的な材料を挙げることは出来ないし、そもそも96年はもちろん00年と比べてもJのレベルが上がっているのでJ1レギュラーが減るのは当然なのだが。このチームはそこそこまとまっており大崩れすることはなさそうだが、本大会での決勝トーナメント進出はあまり期待していない。



01年ワールドユースメンバーと比べてみよう。所属クラブは当時のもの。
 
GK 藤ヶ谷陽介 フジガヤ ヨウスケ 1981.02.13 185cm 78kg コンサドーレ札幌
黒河 貴矢 クロカワ タカヤ 1981.04.07 182cm 73kg 清水エスパルス
岩丸 史也 イワマル フミヤ 1981.12.04 186cm 80kg ヴィッセル神戸
 
DF 池田 昇平 イケダ ショウヘイ 1981.04.27 180cm 70kg 清水エスパルス
茂庭 照幸 モニワ テルユキ 1981.09.08 181cm 75kg 湘南ベルマーレ
那須 大亮 ナス ダイスケ 1981.10.10 180cm 72kg 駒澤大学
羽田 憲司 ハネダ ケンジ 1981.12.01 180cm 70kg 鹿島アントラーズ
中澤 聡太 ナカザワ ソウタ 1982.10.26 188cm 78kg 柏レイソル
 
MF 森崎 和幸 モリサキ カズユキ 1981.05.09 175cm 70kg サンフレッチェ広島
森崎 浩司 モリサキ コウジ 1981.05.09 175cm 70kg サンフレッチェ広島
石川 直宏 イシカワ ナオヒロ 1981.05.12 170cm 56kg 横浜F・マリノス
根本 裕一 ネモト ユウイチ 1981.07.21 172cm 63kg 鹿島アントラーズ
駒野 友一 コマノ ユウイチ 1981.07.25 171cm 69kg サンフレッチェ広島
山瀬 功治 ヤマセ コウジ 1981.09.22 173cm 70kg コンサドーレ札幌
永井 俊太 ナガイ シュンタ 1982.07.12 175cm 61kg 柏レイソル
青木  剛 アオキ タケシ  1982.09.28 182cm 70kg 鹿島アントラーズ
 
FW 平本 一樹 ヒラモト カズキ 1981.08.18 180cm 68kg 東京ヴェルディ1969
前田 遼一 マエダ リョウイチ 1981.10.09 181cm 72kg ジュビロ磐田
飯尾 一慶 イイオ カズノリ 1982.02.23 170cm 61kg 東京ヴェルディ1969
佐藤 寿人 サトウ ヒサト 1982.03.12 170cm 64kg ジェフユナイテッド市原
田原  豊 タハラ ユタカ 1982.04.27 184cm 83kg 横浜F・マリノス


重なるのは6人のみ。日本も随分選手層が厚くなったものだ。



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