サッカー観戦日記

2004年04月29日(木) プリンスリーグ関西 第3節 一条−V神戸 初橋−御影工

2年ぶりのゴールデンウィーク!昨年の飛び石から打って変わって今年はしっかりとした連休が取れる!!そういうわけで早くから2泊3日の南国への脱出計画を立てていた。ただ唐突にサッカー観戦意欲が噴出した場合も考慮したスケジュールを組んでしまうところがファンの悲しい性だ。今回はそれが的中し、プリンスに足を運ぶこととなった。第1節に続き橿原運動公園を目指す。

この日は夕方までに関空に着ければいい。で、好奇心の赴くままに橿原に向かうことにした。が、うっかり朝寝坊。連休ということでリラックスし過ぎたらしい。ポリシーに反し朝食はカップラーメンとレンジで温めたご飯にベーコンエッグ。所要5分。ラーメンライスなんて何年ぶりだろうか。囲碁ファンなら名前くらいは聞いたことがあるだろう韓国・農心ラーメンのユッケジャン。辛い。カップの上には「農心ヅャパソ」。づゃぱそ??

ちなみに農心ラーメン杯とは日本・中国・韓国の代表棋士(国籍は無関係)各5人による団体戦である。幼少時から血の滲む様な努力を積み重ねて代表にまで昇りつめ、日本はともかく中国も韓国も仲間に対する責任や母国の栄誉・威信を背負うプレッシャーに耐え、ついに優勝を勝ち取ってその手に掴み頭上高く掲げる物は
農心のラーメンカップ!

「こんな下らない物の為に俺達は戦ってきたのか」といったセリフが目に浮かぶようだ。戦いに散っていった者も浮かばれない。い、いや、それらしいトロフィーのはずだ、きっと。ラーメンを食べながら久しぶりに韓国グルメ旅行にでも行きたくなった。

まずコンビニへ寄ってホテルに荷物を送る。時間がないのと休日気分のため京都橿原特急を使う。意外と混んでいる。1時間と掛からず橿原神宮前到着。しかしどうやらキックオフには間に合いそうもない。結局5分遅れで到着。いつもの観戦時ほどテンションは上がらず、のんびりモード。


プリンスリーグ関西 第3節 一条−ヴィッセル神戸
4月29日(祝)橿原運動公園 11時 ピッチ並 快晴 無風


一条                神戸
−−−徳村−−足立−−− −−−木下−−柳川−−− 
−−−−−−−−−−−− −−−−−木村−−−−−
小倉−岡林−−中原−神社 −田中−−安里−−澤井−
尾山−中西−−杉本−広谷 青戸−大森−−長瀬−吉岡
−−−−−新町−−−−− −−−−−紀氏−−−−−

一条といえば、DF、MFがラインを作るコンパクトなサッカー。なかなか高校生には難しく、一条に並んだDFラインが一発のパスで破られることが多い。戦術眼が高くキーマンとなりそうな岡林は今年はボランチ。中原と組む中盤は計算が立ちそう。ポテンシャルの高い長身杉本がCBに入っている。

対する神戸は本来CBの柳川がFWに入りポスト役。木下もポスト役が出来る選手。一条を自陣に押し込める前提での起用か?SBは守備的でMFを追い越すシーンは少ない。

前半はほぼ互角の内容ながら、神戸が相手ゴール前でのプレー精度に優る。シュート数5対2。しかし神戸のそれはいずれも決定的なものだった。そのひとつ、14分の木村が単独ドリブルでDFラインを破りペナ右から左隅に流し込んだゴールで神戸1点リードで折り返す。オフサイド数は3対3。

後半開始すぐ、スルーパスに安里が抜け出しGKとの1対1、これは好セーブ。しかし1分、左ライン際でオフサイドをかいくぐった木下がカーブを掛けた右上スミへ上手いシュート。一瞬ミスキックを疑ったボールの軌道が美しい弧を描きゴールイン。超ユース級のゴールだ。しかし負けじと一条も4分尾山が30mロングを叩き込み1−2と迫る。一条は中盤が良く機能し、中原のドリブルシュート、足立と岡林のワンツーなどチャンスも作るが、どうしてもプレーが小さく、最後は神戸守備陣の個人能力に止められる。逆に神戸・柳川は強靭な肉体を利して杉本さえも跳ね返し形を作ってしまう。そして落としを前を向いて受けるMFがタイミングを図ったパスで一条バックラインを破り始める。12分、またも一気に安里が抜け出してGKをもかわしゴール。1−3。以後神戸は再三ラインを突破するが、快晴の影響か運動量やプレスの精度も落ちた一条はどうすることも出来ない。最後の粘りで失点だけは免れる。結局1−3で神戸の勝利。後半のシュート数は5対8、被オフサイド数は1対3。神戸のシュートの多くがきっちり崩したものだった。

試合後、一条の保護者の方に少しお話を伺ったのだが、うっかり開幕2連敗だったのを2連勝と勘違いして「プリンスでは好調」などと言ってしまった。どうも失礼いたしました。




プリンスリーグ関西 第3節 初芝橋本−御影工
4月29日(祝)橿原運動公園 13時15分 ピッチ並 快晴 無風


初橋                御影工
−−−森健−−森拓−−− −−−坂口−−村上−−−
−−−−−−−−−−−− −−−−−−−−−−−−
−中−船津−−岡本−堀井 村田−秀村−−藤原−甲斐
−奥−中谷−−川尻−山道 渡辺−山下−−中尾−宇高
−−−−−大谷−−−−− −−−−−石子−−−−−

ともにさっぱり分からないチームだ。なにしろ生で観た事のある選手がひとりもいない。ただU−16候補のFW松下でさえポジションが約束されていない初橋に対し、御影工は昨年のレギュラーも県選抜もいない。初橋優位だろうと思っていたが、そうでもなかった。

御影工GK石子が絶えず的確なコーチングを送り、御影工はマークに乱れがない。石子は今年のプリンスで観た12人のGKの中では最もコーチング能力の高い選手だった。こういう選手がいれば、観るほうとしては選手の特定が容易で助かる(笑)。御影工の選手の個々の能力は高いとは言い難いものの、神の声に統率され連携は素晴しい。失礼ながら「獅子に率いられた羊の群れは羊に率いられた獅子の群れを駆逐する」という言葉が浮かんだ。攻撃面でも石子の的確な指示、小柄なテクニシャン甲斐のドリブル、藤原のゲームメイク、身体能力の高い村上のポスト&突破が噛み合い、形を作っていく。初橋も船津の力強い守備、堀井の飛び出しなど個人の力は光る。16分御影工の右FK、村田の左足を山下がヘッドで合わせて先制。初橋も徐々に大きなサイドチェンジを織り交ぜた攻撃で御影工のマークをかわしに掛かる。18分、山道が力強い切り返しから右クロス、ファーをカバーした甲斐の更に外の森拓弥の頭へ、しかし外れる。決定機。21分、初橋右FK、宇高の大外の森拓弥へ、石子好セーブ。30分には早くも初橋選手交代を行い、ややリズムを掴む。初橋のキック力や正確なサイドチェンジは御影工にとって未知の領域だったか。しかし徐々に適応し、35分過ぎからはイーブン。終了間際には御影工もFKから山下シュート、GK大谷セーブ。

後半からついに松下登場。いきなり弾丸シュートを放つ。しかし徐々に消えていく。御影工はSHの頑張りで初橋の大きな展開を抑え、村上の単独突破を交えたカウンターを狙う。初橋のインサイド、岡本と船津はイージーなミスがなく、御影工もいい形で奪えずともにチャンスがないまま時間が過ぎていく。18分、ハーフ近くからのFK秀村からDFの裏を取った村上ヘッド、GK防ぐ。決定機。さらに坂口がペナ外左でいいターンからシュート、左に外れる。決定機。初橋がボール支配で上回るもののどうしてもサイドを破れず、中からも崩せない。快速RB山道も思うように走れず細かい崩しは最後に御影工守備陣に引っ掛かる状況のまま時間が過ぎていく。41分、体の使い方が上手い村上が川尻と体を入れ替えクロス、交代出場の岸蔭が決めて2点目。決定的な得点。43分御影工は村上を下げてクルージング。しかし43分、初橋の左クロス(おそらく栗原)に御影工GK石子が目測ミス、そのままゴールイン。ここまでノーミスの石子としては悔やまれるプレーか。しかしロスタイムにカウンターから前田がヘッドで叩き込み1−3で御影工が快勝した。


試合終了後、どうやら初橋と一条が練習試合を行なう模様。少し見学してから会場を去る。


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T.K. [MAIL]