2003年11月09日(日) |
Jユースカップ グループG C大阪−大分 |
Jユースカップ グループG セレッソ大阪−大分トリニータ 11月9日(日)南津守 14時 ピッチ良 晴 無風
C大阪 大分 −−−中山−−坂本−−− −小手川−吉良−河内−− −−−−−日比−−−−− −三好−−−−−−石田− −山城−−岡村−−前川− −−−−−福元−−−−− 田所−小野原楠本−宇佐美 尾崎−−東−−西澤−中川 −−−−−稲田−−−−− −−−−−西川−−−−−
C大阪はこの日4バック。森本がベンチにも入らず人材的に他の選択肢はなさそう。中盤はダイアモンド型で山城が大きく開くことが多い。山城・日比がドリブラー。長身坂本がポスト役。とにかく高い。ベンチはGK島並とMF玉中、長身FW武田の3人だけ。スタメンの平均年齢は17.27歳。勝てばグループ1位確定。 大分は4−3−3。GK西川(U−18代表)は全体的にレベルの高い選手で特にキックが素晴しい。ゾーンで守るが西澤がカバー役に回ることが多い。石田がサイドハーフ的、三好がボランチ的。小手川がウイング的、河内(U−18代表)がインサイド的。西澤はキックが正確。福元は身体的に強い。吉良は空中戦得意。平均年齢17.36歳。福岡に勝ち点でリードを許し、決勝トーナメント進出のためにはC大阪戦2試合で勝ち点3を上げる必要がある。そのため本来CB吉良をトップに上げるスクランブル布陣を最初から採用。
0分、大分・石田が中央から右ナナメ前に流れて受け、すぐに左ナナメ後方へ出して河内シュートも左に外れる。1分、中川のFKは吉良の頭にわずかに届かない。2分、C大阪も宇佐美の右クロスを坂本が空中戦に競り勝ちヘッド、バーを叩く。大分は徹底的に身体能力の高い吉良(183cm・73kg)の頭を狙うスタイル。放り込むボールの精度は高くはないが数多く入り、吉良の身体能力の前に小野原(180cm・73kg)もなかなか勝てない。左の小出川は宇佐美に対し積極的にタテに勝負していい形を作り、左の河内は技巧的で気の利いたプレーをみせ石田をうまく使う。福元や三好は競り合いに強く、福元は空中戦に圧勝、三好は小出川の後方を巧みにカバーするなどクレバーなプレーも光る。C大阪は徐々に下がらざるを得ない。大分は4バックのパス回しも早く正確。西澤の正確なグラウンダーパスやサイドチェンジが光り、C大阪のフォアチェックも効果が薄い。大分は元韓国代表FW皇甫官監督の指導の成果か、アタッキングエリアで積極的な選手が多く、C大阪は心理的に後手を踏んでしまった。10分、吉良が頭で落とし三好シュートも外れる。11分、大分・石田の右クロスは吉良に合わず逆サイドに流れる。これを小出川クロスも吉良の手前で楠本がCKへ逃げる。20分、中山巧みなトラップでマーカーを外し素早いシュート、枠ギリギリだったが西川キャッチ。21分、大分の左クロスに大外から石田が合わせようとするが岡村がよくカバー、体を入れる。23分、C大阪右スローインを受けた坂本が東(180cm・70kg)の寄せをもろともせず、体でブロックしつつ反転シュート、西澤ブロック。大分カウンターから吉良が頭で落とし河内ヘッドもDFに当たりクリア。さらに右スローインから吉良が小野原に競り勝ちクロス、CKへ。右CKのこぼれを河内拾うが前の山城をかわせずシュートにならない、がボールが目の前にこぼれミドル、外れる。C大阪は徐々にファウルが増え、大分は40m前後のFKを次々と得る。これをほぼ全て吉良目がけて放り込む。大分の得点もまさにその形から生まれた。33分FKで吉良が小野原に競り勝ち、三好に落とし冷静に右45度を流し込んだ。三好をフリーにしてしまったことがC大阪にとっては残念。35分、C大阪右クロスのこぼれを岡村左スミへの素晴しいミドル、しかし西川好セーブ。残り10分間大分は放り込み・クロス・CK・FKの競り合いからこぼれ球を迷わず次々シュート、ブロックされたり枠に飛ばなかったりとGK稲田がセーブするシーンこそないものの勢いに乗った攻撃を続けて前半終了。C大阪は自陣に張り付いて耐えるのみ。
シュート数7(2)対10(3)、サイドからのクロス4対5、CK1対7、GK6対1
後半も大分が押し込むスタート。やはり吉良めがけてハイボールを狙う攻撃。これに対しC大阪はカウンター狙いで意思統一した模様で4分、カウンターから中山が左のスペースから切れ込みクロスもDFカット、という形を作る。5分、大分左FKのこぼれを三好シュートも外れる。6分、GK稲田から小野原に出し得意のロングフィードに右寄りから中山が抜け出しDFが寄せきる前にシュート、ニアに決まりC大阪同点に追いつく。大分は中山への警戒が甘く悔やまれる失点。7分、大分・河内からタテに抜けた石田へ、クロスはDFカットしてCK。右CKのこぼれを三好シュート、わずかに左上。10分、小野原のFKを大分跳ね返すが前川クロス、西川押さえる。11分、右からのパスを受けた日比のシュートが左スミへ、西川キャッチ。西川は声も出るし、しかもGKとしては声の質も良く、まさに神の声の持ち主だと思った。大分ペースは変わらない。18分、大分・福元→梅崎。三好が1ボランチで梅崎が左に開いた形。福元はフィードの精度が今ひとつだったのと引き分けでは困る大分が攻撃力を優先させた形。SBのポジションも高くなり、RB尾崎もスピードある上がりを見せる。21分、河内の突破を倒し田所(多分)に警告。FKから西澤ヘッドも枠を外す。28分C大阪カウンター、日比右クロスを坂本が頭で落とし中山へ、しかし西澤スライディングタックルでカットしシュートに至らず。大分は焦りからか前半以上に吉良へのボールに精度を欠き、ミドルも枠に飛ばない。逆にC大阪はボールの質がよくシュートもゴールの枠をとらえるものが多く、大分は押し込んでおりシュートチャンスも多いが、なかなか稲田を脅かすことが出来ない。吉良もシュートは得意ではないようだ。39分、日比がドリブルでサイドから突破、大分LB中川が後ろから倒してPKとなり、これを小野原が決めてC大阪2−1と逆転。残り時間はC大阪がカウンターからフィニッシュまで持っていくシーンが3回。ロスタイムには大分・三好のミドルも稲田の正面を突きC大阪が2−1で逃げ切りグループ1位突破を決めた。大分は次節ホームでのC大阪戦に勝てば2位となる。
C大阪はメンバー的に苦しいゲームだったが必死の守備で粘り勝ち。1年生中山の活躍は大きな収穫か。岡村も奮闘。なかなか守勢のゲームを経験できないだけにいい経験になったのではないかと思う。小野原・楠本は体を使って空中戦でもう少し吉良に抵抗できたかもしれない。山城は不調でドリブル突破はほとんどなし。
大分はもう少しキックに精度があればもっと得点できた。GK西川はユースレベルでは別格だが、サテライトリーグのぬるい雰囲気よりはユースの緊迫感ある中でプレーしたほうがいいかもしれない。岡中はともかく小山や江角とは十分渡り合えるだろう。現ユース代表川島に続き、次期ユース代表もGKは安心できそう。西澤・河内も大学ですぐ使える選手だ。三好もU−16代表で試してほしい選手。Jユースらしからぬサッカーをするチームだが個性的な選手が多くみていて楽しいチームだ。
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