雑感
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2007年06月08日(金) |
ドン・カルロス・オペラ座人事 |
先週、フランス語ヴァージョンのドン・カルロスを聴いてきた。 国立オペラ座ではイタリア語の4幕ものしか聴いたことが なかったので、5幕ものはどんなのか興味があった。 1幕を聴いたおかげで物語の詳細な部分がよくわかったが、 冗長な面もある。5時間も聴くのはしんどい。
1幕と2幕の間は30分以上で長くて席に着いていたら、 いきなりオケが演奏を始めて主人公たちは休憩所のサロンから オペラハウス中を移動して、最後に舞台で歌っている。 この間、観客はサロンでお茶を飲んだり食事の最中だったので 半分も席に戻っていない状態だった。 新しい演出なんだなあと感心した。
このヴァージョンでは、カルロスと父王のフィリップ2世 との親子の確執が際立っているように見えた。 婚約者を父王に取られて母と呼ばなければならない恋人への 思いや、宗教上の対立、数々の陰謀に翻弄されてなかなか不幸な 人生のカルロスだった。
オペラ座といえば、水曜に2010年からのオペラ座ディレクター と音楽監督が任命された。 有力候補だったテノール歌手シコフは結局任命されなかった。 シコフはグーゼンヴァウアー首相の肝いりで間違いないと言われた のだが。首相の力もたいしたことなさそうだ。音楽監督は小澤から ヴェルザーモストへ。やはりオーストリア人指揮者がいいのだろう。 オペラ座やザルツブルグ音楽祭の主催者の人事はこの国では 政局と同じくらい白熱する。 それくらい、世間ではオペラに関心が高い証拠でもある。
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