雑感
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2006年12月30日(土) La Divina

国立オペラ座の目と鼻の先にLa Divina Bar ラ・ディヴィーナバー
がある。
テーブルが数席とグランドピアノと大画面がある、すっきりとした
店で、目に付くのはマリア・カラスのLP版のジャケットや
モノクロの舞台写真、サイン入りのもたくさん飾ってある。
シャンパンやワインの品揃えはなかなかのもので、今日は
カルバドスを飲みたかったのだけど、あいにく切れていたら
しく、白の国産のシャルドネにした。
BGMには、カラスの声でなく、ヴィヴァルディの「四季」が
かかっていた。
夜の7時からは「セビリアの理髪師」のビデオ放映があるそうだ。
国立オペラ座の演目と同じものをビデオで放映してくれるので、
オペラ座のチケットが手に入らなければ、ここでグラスを傾けな
がら音楽鑑賞してもいい。

La Divinaとは、神聖なという意味から派生して、このことば
はカラスのためだけに使われているように思う。
オペラ歌手のスーパースターをディーバ(女神)と呼ぶ
のだが、オペラファンの間ではディーバを通り越して聖なるものになった
カラスを尊称して、ディビーナと呼んでいる。

繰り返し聴いて涙が出そうになるのは、アンドレア・シェニエ
の「お母さんは死んだ」。
このアリアは、映画「フィラデルフィア」で挿入歌として使われていたので
知っている人は多いと思う。

カラスの声はCDやDVDでしか味わえないのだが、今でも最高峰の
オペラ歌手だと思っている。
決して耳に心地よい美声ではないが、意志の強さが伝わってくる
声、ワーグナーのブリュンヒルデから、プッチーニのマドンナ役
ヴェルディでも、ベルカントオペラでも何でもござれの
幅広いレパートリーをこなした歌手は彼女以外に知らない。
若い頃、ヘビー級の声量を要求される役柄を演じた影響か
彼女の歌手としてのキャリアはそれほど長く続かなかった。
でも、彼女のベストアルバムを聴いていると、比類なき不世出
の芸術家だなあと、ひしひしと伝わってくる。

時々このバーで心地よい時間を過ごしたい。

La Divina Bar
http://info.wien.at/article.asp?IDArticle=15084


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