雑感
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2006年10月13日(金) |
ショスタコビッチ5番 |
我が家に逗留している友人が、お礼に楽友協会のコンサートに招待してくれた。先週、ホールの前を通りかかったときに演奏会のポスターに気づいて、5番聴きたいなとため息をもらしたら翌週に切符をプレゼントしてくれた。 ラジオシンフォニーオーケストラは初めて聴く。指揮者はキタエンコ。指揮者がロシア系で、ショスタコビッチを振るならはずれはないだろうと思っていた。専門家には笑われるかもしれないが、自国の偉大な音楽家の作品は同じ空気を吸い、同じ言葉、文化をもつ人間が演奏した方が聴いてて納得できると思っている。
シンフォニーというのは、どの音楽家も、ベートーベンを意識するそうだ。苦悩から立ち上がって、最後には歓喜に昇るスタイル。手持ちの音楽鑑賞辞典にも、ショスタコビッチの5番は、ベートーベンを意識して作曲されたもので、苦悩→克服、歓喜への道に続くスタイルを踏襲していると書かれてるが、何十回も聴いて、他の批評などを読んでいると、ショスタコビッチの生きた時代ーロシア帝国崩壊からソビエト共産政権樹立ーに、芸術家は共産の敵とみなされ、次々とシベリアに送られた。共産的でない音楽と、ショスタコビッチも批判され、その後に第4、第5シンフォニーが発表された経緯をもつ。 舞台を見ながら、トランペットや音の大きな吹奏楽器は、共産党的な感じ、バイオリンはぎりぎりで音を出して無理強いさせられいるような印象を受けた。「どうですか。共産党幹部の皆様、お気に召しましたでしょうか?」 とショスタコビッチが舌を出しているような気がする。
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