雑感
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2001年08月17日(金) ウィーン1区

ウィーン1区は環状道路(リング)でくるりと囲まれている。
リングの中心点にあたるところにシュテファンス寺院の尖塔が鋭角に
空をえぐるように立ちはだかっている。

1区には王宮があり、オペラ座、瀟洒なショッピング通り、高級ホテ
ルにレストラン、大学も、骨董屋もあり、観光客を飽きさせない。
さらにリングを市電で回れば、ゴシックからロマネスク,果ては
世紀末の様式までいろんなおもしろい建物が林立していて、建築博物
館の様相を呈している。

観光客ばかりでなく、1区には国の政治をつかさどる各省庁が集中して
いる。
王宮の横には、大統領府、その斜め向かいには、大統領と仲の悪い首相
府、大蔵省も外務省、内務省とすべて1区にある。

1区に住所をもつのは私の夢である。隠居するような年齢になれば、
賑やかな街に住んで元気を外側から調達したいと思っている。リング
は、政治や芸術の中心だから。
ただし、1区のアパートの値段はとても高い。普通のサラリーマン
ではなかなか手に入らない。リングにはガラスの壁が張り巡らされ
ているように見える。かつてヒトラーも、美大に入れず若い時の何
年かは、ドヤ街に住んで、リングの外側から1区を見ていたはずだ。
リングの中にいるユダヤ人に強烈な憎しみを抱いたのはこの当時の
体験が大きいと聞く。

散歩したいなと出かけていくところは、だいたい1区のケルントナー
通りからグラーベンにかけての地域が多い。観光客の幸せそうな顔を
みるのがなぜか好き。


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