妄想にっき
ブクマ上等。好きにして!けど読んでも得しません

2010年02月10日(水) 心は孤独なアトム

週末の遠征が楽しみで浮かれたい放題の有明です。
東京に行くのは面倒くさいけど、たっのしみー!



そういうわけで溜めておくのも気持ち悪いので
いい加減に書くことにしました。

(諸注意)

・疲れてるときに心は〜のことを考えると倍疲れてくるので
適当に好き勝手に書くことを信条としています。
ネット上に書かせていただきますが基本的には自分用です。


・私はこの芝居について一言で感想を言うなら
「褒める所を探すのが難しい」と思っていますが感じ方は千差万別です。
私としても別にネガキャンしたいわけではないので
偶然これが目に入ってしまったせいで
誰かのDVDを観る機会を奪ってしまうのは本意ではありません。
きっと面白いと感じた方も沢山おられると思うので
興味をお持ちの方は是非DVDでご自分の目で確認してほしいと思います。
ネットの言葉なんて信じたら駄目です。

実際私は笑い所でも全く笑えなかったのですが
会場では多少笑いが起こっていたので
面白かった人には面白い芝居なんだろうと思いますよ。
でも私は好き勝手に書きますよ。


・ネ タ バ レ 注 意 



心は孤独なアトム
inシアター代官山


○劇場について

行く前に座席表が見当たらなくて困ったので
今後のことも考えて座席表を作ってみました。




多分、多分こんな感じだった…
もう1ヵ月ほど前のことなので完全にうろ覚えです。
間違っている可能性があります。
間違っていても責任は取れません。

センターブロックが4番から始まることと
サイドブロックが3席ずつだったことは間違いない。
最後列は多分J列だったと思うのですがI列かも知れません。
上手ブロックの抜け部分は通路なのですが
C列じゃなくてB列がなかったかも知れない。

千秋楽公演は両通路にパイプ椅子の補助席が設けられていました。
そう言えばチケ取りのときに日記に補助席について書きましたが
届いたら普通の指定席のE列でしたよ。…?
キャンセルした人がものすごい沢山いたのかな。


○観劇記録

1/16 11時〜 C列
1/16 14時〜 D列
1/17 11時〜 D列
1/17 14時〜 E列
すべてセンターブロック


○適当すぎるあらすじ/うろ覚えです

(公式あらすじ引用)

少年時代、鉄腕アトムになるのが夢だった男が中年を迎え
仕事もなくなり自堕落な生活を送っていた。
男は自分の人生の歯車が狂ったのは全て
少年時代に同級生の女の子をいじめたことが原因だと回想する。
そんな21世紀のある日、
知り合った女子高生に励まされた男は
自分の人生を取り戻そうといじめた女の子を探し
罪の許しを得ようとする心の旅に出た……


(引用ここまで)

改めて公式のあらすじを読むと、…こんな話だっけ?
と思うのですが、そんな話だったらしいです。

主人公トシオは映画やドラマを手掛ける脚本家で
それなりに才能がある人物なのですが
あるとき手がけた作品が高く評価され、賞を総なめにしたにも関わらず
脚本賞だけが取れなかった。ということが起こりました。
監督や俳優が脚本家であるトシオをこきおろし
自分たちが作ったようなもの、と吹聴したことが原因。
肝心なシーンで肝心なことが言えない性質のトシオは
抗議もせず諦めてフテくされて泣き寝入りします。
なんだかんだで妻にも逃げられ自堕落な生活を送っていました。

そんな折、脚本家を目指す女子高生がトシオの元にやってきます。
まあ彼女の若く明るいパワーに触発されたのでしょうか、
トシオは自分の人生を振り返ることにしたようです。
この主人公はいい歳こいたオッサンですが
若干中二病をこじらせている感があります。
しかも鬱々とした面倒くさい部類の。

トシオの心を陰らせている過去の悔恨は2つ。
1つは小学校時代のいじめ
もう1つは脚本家を目指す前、売れない役者時代のこと。
この2つの過去回想が現在と同時進行で
何の説明もなくコマ切れで進むので初回は???でしたよ。
水田君の役はこの売れない役者時代のトシオ(松永)です。


小学校時代、トシオはどうやら関西に住んでいたようなのですが
そこへ東京から来た標準語の転校生の女の子がやってきます。
女の子は周りと違う話し方と家が貧乏だと言う理由で
あっという間にクラスの皆からいじめられてしまいます。
トシオだけが彼女を庇い、一緒に遊んでいたのですが
他のクラスメイトからそれを非難され
彼女を貶さないとお前も仲間だと脅されて
彼女に「臭い」と言ってしまいます。

彼女には母親もおらず父親は飲んだくれ、
拠り所を失くして自殺しようとしますが
担任の教師に止められ親身にしてもらったことから
自殺を思い留まります。

彼女がまた転校していく日、
トシオ、彼女、教師の3人で顔を合せましたが
トシオは彼女に謝ることはおろか
何一つ声を掛けることが出来ませんでした。
これがトシオの心の引っ掛かりその1。


売れない役者時代、トシオは大学を卒業後
小劇団に所属し小さな舞台に立っていました。
将来は大スター!と夢を抱いていましたが
実際は千秋楽の舞台でセリフととちってしまう役者でした。
このときトシオは同じ劇団に所属している千代子と付き合っていますが
千代子は将来を見据え、このまま劇団でくすぶっていても仕方がないと
退団し他の仕事に就くことにしました。
(ちゃんと仕事する!と言いだしたのにそれがバイトで
すげー驚いたのですがそういう時代だったのかな?)

またトシオには良くしてもらっている
大学時代からの先輩がいるのですが
実はその先輩がガンでもうすぐ死んでしまうことを知ります。
そんな風に周りの人達が変わっていくのを感じて
アテのない大きな夢を見ていたトシオも自分のことについて
考え始めたのかも知れません。
そんな時千代子に妊娠していることを告げられ
結婚してほしいと言われます。
まだ自分の心すら定まっていないトシオは
自分はまだどうなるか分らないから考えさせてほしいと
まあ遠回しに断ってしまうわけです。

千代子からの告白に動揺しているときに
入院しているはずの先輩がふっと現われて
トシオには自分の分まで夢を追ってほしいと言い去っていきます。
その直後に先輩の訃報の知らせがあり
トシオは先輩が死ぬ前に会いに来てくれたことを知ります。
(もちろん虫の知らせ的な意味で)
ちなみにこのことがトシオの胸に深く残り
脚本家となったトシオの作品に大きく影響を与えることになります。

先輩を見送った後、トシオは役者としての才能はないから
脚本家を目指すことを決意します。
それを聞いた千代子は妊娠は嘘だった、田舎に帰ってお見合いをする。
と別れを切りだします。
もし今「見合いなんてするな、俺と結婚してくれ」
と言われたらそうする。と千代子は最後の選択をくれますが
結局トシオは千代子をただ見送りました。
これがトシオの心の引っ掛かりその2。


現在の話に戻ります。
女子高生がトシオの元に飛び込んで来てから少しした頃
泥酔していたトシオが車に轢かれそうになったところを
通りすがりの女性(マリ)が救いました。
マリはそれが切っ掛けでトシオの家で家政婦として働くことになります。
女子高生とマリと打ち解け合い、
すっかり明るさを取り戻しつつあったトシオでしたが
実はマリは殺人犯で警察に追われる身でした。
(殺人理由は割愛するけど同情を引く系)
トシオの家まで警察の捜査の手がのび、マリは自首を決意します。

マリが刑事に連れていかれようとするとき
女子高生にこのまま黙って見送っていいのかと言われます。
トシオはこれまでの肝な時に大事なことが告げられない自分
(上記で説明した小学生時代と役者時代の話)
を思い出し、その後悔から自分の心を昇華させ
マリに出所してくるまでずっと待っていると告げることができました。

やっと大切なことを言えたことに満足感を得たトシオは
そのきっかけをくれた女子高生に感謝し
ふと彼女の名前すら知らないことに気づきます。

千代子と別れるとき彼女はこんなことを言っていました。
自分が女の子を産んだら綾子と名付けると。
女子高生の名前は綾子でした。


以上が大分割愛したけどあらすじ(?)です。
簡単に言うと堕落したおっさんが元気を出すまで。
いい歳こいてうじうじぐだぐだ言いやがってよぉ、
んなもんは自分の日記帳にでも書いて解決しろよ。
…と言いたくならなくもない。

見ようによっては綾子の存在もおっさんの「心の旅」
の一部で実際には存在しないものとしても取れると思う。



○水田君

この舞台はミュージカルではないのですが
芝居の途中で何の脈略もなく唐突に歌とダンスが入ります。
しかもそれが作品においてあんまり意味があるように思えない
不思議な芝居である…。
作品の大筋に意味はなくても
それによってエンターテイメント性が高まって舞台を楽しめるか?
って言うとそうでもないんですよね。
困惑が深まっただけだった…

水田君は上で書いた通りトシオの役者時代の役なのですが
小学生時代の回想にもカラオケの店員役として少しだけ出てきます。
カラオケの「オケ」の文字のエプロンをつけていて可愛いです。
このエプロン姿でのダンスと
黒スーツでカッコいい系のダンスの
計2回ダンスシーンがあります。

あと関係ないけど日替わりのアドリブではなくて
本当にセリフとして「笑顔同封」と「笑顔封印」があります。
(どちらも言うのは千代子)

水田君が演じるトシオはなんとなくぶらぶら夢を追っている青年で
まあ言わば根無し草ってヤツです。
元々そんなにきっちりした人間ではなかったようで
大学時代も何年も留年した過去があるようです。
彼女の千代子のことも人に紹介するときは
彼女じゃなくて同じ劇団員と紹介するちょっとずるい男です。
でも先輩からは可愛がられているし
本当は本当に妊娠していた千代子もトシオのために
身を引いてあげたことを考えると
トシオは人から好かれる、憎めない人物だったことが窺えます。

妊娠が嘘だって言われてあからさまに安心した風な
リアクションを取るのですが
彼女の嘘に気づいていないわけがないと思うのです。
と言うかあれで気づかない人間はただのアホです。
それを知っていながら彼女の嘘に甘えるのはやっぱりずるい男だなと。
でもきっと彼女はトシオのそんな駄目で
でも優しい所が好きだったのかなと思ったりする。

そんな人物を水田君が演じていてどうなんだって話なのですが
正確な年齢は出ていませんが
きっと役者時代のトシオは25〜30くらいだと思うので
やっぱりちょっと若すぎるかな?という感じはしたのですが
私はわりと似合ってると思いました。
普通っぽさと人好きのする笑顔がそういう人物っぽいかなと。

その前の死んでも〜が19歳のアルバイターだったので
やっぱりそっちの方がぴったり役柄に
合っていたとは思うんですけど。


○全力でつっこみながら感想

女の子が一人林檎の皮を剥きながら出てきて
その手に持ったナイフで自殺を図ります。
それを唐突に出てきたアトムが止めて説得。
女の子は「未来は明るいんだね!」と気を取り直して元気に。
手塚治虫のキャラに扮装した役者達が大量に出てきて
鉄腕アトムのテーマを全員で歌って踊り狂う。

…というのが幕が開いて1番最初の展開。
次のシーンで綾子が書いたシナリオの内容だと判明するんだけど
最初見たとき真剣にどうしようかと思った。

しかもその自殺を図る女の子(ウラン)が
滑舌が悪くて何言ってるかわからん上に
演技がど素人にもほどがあるだろってくらい本気で酷かったので
その時点で私は本気で帰りたくなった。
最悪のファーストインプレッションだった。
私あんなの商業で初めて見たよ。
子ども歌舞伎の方がよっぽど上手いよ。
その子が一番酷かったけど滑舌良い人が一握りで
残念な人の方が多いってどういうこと…みたいな。
詳しくないのですが、なんかの研究生の発表会的なアレな…の?
正直死んでも〜もあんまり演技が上手くない人たちだと思ってましたが
そんなの比じゃなかった。
演出と脚本もポカーンだったけどまずこのことに脱力した。



演出は唐突に歌やダンスが繰り広げられるのも謎なんだけど
劇中に何度か印象的な詩を読みあげるのですが
結局それはなんだったんだよ!的なもやもや感が残った。
「死んだ男の残したものは、○○と○○、
それ以外何も残さなかった。」
「死んだ兵士の残した者は、○○と○○、
それ以外何も残さなかった。それ以外何も残せなかった。」
こんな感じの。意味がありそうでどこにも繋がらないような。

劇中にプロデューサー役の人が客席に向かって
わかっていないくせにわかったような顔をして
文句を言いやがってこのインテリ気取りが!
的なことをキレながら言うのですが(細かいセリフは忘れた)
これを考えた脚本家は疲れてるのか?と思った。
要するにこの芝居は表面を見ただけではわからない
深いものがあると言いたいんでしょうか。
まあブラックジョークのつもりなんだと思うけど笑えない。
そもそも分りやすい作品にしろとは言わないし
すぐに辿り着けないからこそ面白くて深みが出るんだとは思うけど
人に伝わらない・伝えられない作品なんて
ただのオナニーなんじゃないの?と思うな私は。


役者時代のトシオが千秋楽でセリフをとちった!
ってなじられるシーンがあるのですが
この「心は孤独なアトム」の千秋楽でも
それまでちゃんとセリフ言えてた人まで間違えたりして
グダグダだったからこのセリフが身に染みてる人いるんじゃないかな。
あといつまでも小劇場で演技していてもしょうがない、とかも
結構グサッときてる人はいそうです。
この芝居妙に攻撃的なとこあるなと思う。
いじめをする子は狂犬病に罹った犬と同じ、とか。


最初にウランが自殺を図るとき
原子が自殺を図るとき
そして先輩の母親が死期が近い息子を前に嘆いているとき
この3シーンで林檎の皮を剥いているけど
これが何を意味しているのかちょっと私にはわからなかったな。

あと最後マリがしょっ引かれるときに
トシオを綾子が促すときのセリフが?だった。

先生(トシオ)はマリさんが出てくるまで待ってるんですよね!?
赤いポストは手紙を入れてくれるのを待っている!
海岸に捨てられた空き缶は掃除してくれるおじさんを待っている!
世界中の人々は平和になるを待っている!!
そんな風に先生はマリさんを待っているんですよね!?

性格な単語は忘れたけどそんな感じのセリフだった。
最後の世界中の人々は置いておくにしても
ポストが手紙待ってるとかゴミが掃除してくれる人を待ってるとか
それは人が勝手に良いように無機物に押し付けた
こうだったらいいなっていう感情であって実際は待ってないじゃん。
ここでトシオの感情を例えるには不適切だと思うんだけど。
意味不明でエッ?ってなった。

タイトルになっているアトムも
アトムは幸せだったんでしょうか…とかちょいちょい
絡めてくるけど強引だし繋がるピースを探しても
見つからなくてもやもやする感じ。
結局のところ何が言いたいねん、って感想です。
同じもやもやする系なら体感季節の方が大分面白かったなあ。
4回観た今も混乱してるので
とりあえずDVDでもう1回みたいと思います。

唯一過去回想と現在のセリフがリンクする演出は好きだった。


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