初日 最新 目次 MAIL


強くない。だけど弱くもない。
みつば。
MAIL

My追加

2006年03月20日(月)
指先にチェリー

目が覚めたら、ベランダの屋根にポタポタと妙な音がしていた。


トントン、ポタポタ、とリズムを刻む。



それが雨だと勘違いした私は携帯を手に取り、出勤前の母親に電話した。

同じ家の中にいるのに、携帯で話すなんてどうかしてる・・・
と思いつつ寝起きで大きな声を出すのも億劫で「ママ」を検索。



「雨降ってるなら、車使ってくれていいよ。あたし歩くから」



母の返事はビックリした声で
「何いってるの?今日はいい天気よ。めっちゃいい天気。晴天やよ。
 寝ぼけてないで出かける用意しぃや。お母さんは自転車で行くから」

という。

おかしいな、と思ってそらをみたら
本当にすごくいい天気で
びっくりするくらい晴れ晴れとしていた。







とりあえず用意することにした私はまずお風呂を沸かしに行った。
昨日頭を洗えなかったので(シャンプーはあったけれどリンスがなかったから) 新しいトリートメントをおろして追い炊きボタンを押してキッチンへ。


簡単に食事を取ろう、と思っていたんだけど
食卓にのっていたおはぎに一目ぼれ。ご飯より先におはぎをほうばる自分はどうかと思う。だからいつまでたっても痩せないの。そう。




とりあえず沸いたお風呂にちゃぷちゃぷとつかり
美容院で買ったトリートメントを頭に撫で付ける。
少しでも自分の魅力をキープできるのなら・・・と
ドラッグストアで買うシャンプーやリンスとかなり違う金額を出して購入したのだ。

どうか効果ありますように、と願いながら頭にタオルを巻く。
こうしておくことで浸透がよくなるんですよ、とボウズ(だけど男前)の美容師さんが言ってた。






頭をタオルでぐるぐる巻いている間に腕や足のムダ毛を処理する。
どうして体毛が生えてくるんだろう、オンナにはいらないのに。
なんて思いつつかみそりを上下させる。
そういえば少し前に買った(それも少し高い)かみそりが行方不明なのを思い出す。

石鹸とカミソリが一体化していて、使いやすいだけでなく肌にも優しい。というのがウリの量販店で1000円もしたかみそり。


今度探しておこう、と思って
自分の悪い癖を思い出す。

「今度」は半永久的にこないことが多いのだ。

高校生の頃「今度探しておこう」と思った香水は未だに出てこないし
専門学校に入学してすぐくらいから「機材類を今度整理しよう・・」と思いつつ

結局
なんだかんだいいつつ。
未だに部屋の3分の1を機材や紙が占領している。


フィルムや印画紙にいたっては
もはや手のつけようがないのではないか・・・と思うくらいに。

私の「かみそり」はいつ出てくるだろうか。
というか
「探す」ということを本当にしなきゃ出てこないだろうから
いつ「探そう」と思うか、が問題なのだな。と二の腕にカミソリをあてながら思う。

旅行の時に買ったコンパクトカミソリだけど意外にちゃんと剃れるんだな。なんてちょっとだけ感動しながら。








お風呂をあがってからボディショップで買ったボディバターをつける。
かなり強いイチゴの香りをまとってジャージを穿く。
ジャージにイチゴがうつってしまうだろうか、と思ったけど
むしろ女の子っぽいからアリじゃないか、と思ってためらいなく上着のジッパーも勢いよくしめた。


とりあえず、ご飯。ごはん。





朝昼兼用でカルボナーラを作った。
作った、というのは御幣があるな。
(スパゲティを寸胴でゆでてソースに絡めただけだから)。
ソースはレトルトパウチをパンで温めただけ。
それにスパゲティを入れて胡椒とチーズをふり、バターをほんのひとかけだけ載せて食べた。

また、カロリーアップ。




食事してから超簡単にメイクを済ませ
髪の毛にいたってはといただけで出かけた。

ダメージジーンズに薄手のニットを合わせた春っぽい格好にしたけれど
なんとなく垢抜けない感じがあるのは否めない。
黒いカーディガンじゃなくて
ピンクのカーディガンのがよかったかな。


でも悩んでいても時間がもったいないので
車のキーと保険証を持って出かけた。


本当は病院に行かなきゃいけなくて
そのために車をおいていってもらったんだけど
なんとなくどうしても行きたくなくて
変わりにショッピングセンターに行くことにする。

最初に止めた場所から目的のお店が遠いことに気づいて
違う駐車スペースに行くために車をまた動かす。

やっとバックで駐車できるようになったのが嬉しくて
とめるだけなのに写メを撮る自分。
誰にも見られていないか確認するくらいなら、最初から写メなんか撮らなきゃいいのに。
ね。




ショッピングセンターでまず合鍵を作りにいった。

実家の車の鍵、今1本しかなくてとても不便だから(母親がもっていったりする)、自分の分を作った。


472円。わずか15分で複製ができるその鍵はなんだかとてもシンプルで、こんなの一瞬で車パクれるんじゃ・・・とかよからぬことを思ってしまう。


シンプルな鍵とマスターキーを持って、雑貨屋でキーケースやキーホルダーを物色。
赤いハートがモチーフのキーホルダーと、イニシャルの「M」がついたキーホルダーを二つ購入。


トイレに行ったついでに鍵をつけかえる。
マスターキーにはもとについてた安全タグ?のようなものを、
自分の鍵にはハートとイニシャルのキーホルダーをつけてちょっと自分の鍵、というのに興奮。


スタバでシーズン限定のシナモンが入ったコーヒーを頼んで持ち帰る。
帰りかけて母親から連絡が入り、もう一度スーパーに戻る。
どうやら夕飯の材料が足りない模様。




もう日が暮れていたので
さっさと豚肉とこんにゃくを買い、我が家へ戻る。
途中から近所の奥さんと一緒になって
彼女が車庫入れしたあと目が合ったけれど私だということは気づいていなかったかもしれない。


車に乗っているの、近所の人、あまり知らないの。
(だって免許とってまだ1ヶ月だしね!笑)



帰宅してすぐ、父からお迎えコール。
母は食事を作るので私が迎えに行くことになった。

せっかく上手に車庫入れできたのに、また出すのか、と思うと少しショックだったのだけれど、それでも必要なのでお迎えに行く。
なんだかすごくスムーズに運転できてきてとても嬉しい。

やっぱり運転って慣れなんだろうな、って実感する。



駅について父を待っていると、自分の駐車の仕方が悪いことに気づく。
私、バック苦手なんだ。
(だけどいまさら動かせない、みたいな)


父親が帰ってきたら、帰りは運転してもらおうと思っていたのに
電車から降りた父と合流して「飲んでないよね?」ときくと
「や、飲んだよ(笑」だって。


駅で電車を待っているときにチューハイを1本だけ飲んだらしい。


まぁ仕事のあとの1杯て美味しいもんね。

5時とか6時に上がれる仕事でもないので
夕飯時、と考えてアリかなぁ?てことにする。
(本当は駅の立ち飲みなんかで飲んで欲しくないけれど)


父親に誘導してもらってバック、方向転換を済ませて帰宅。
ここは段差があるからゆっくりいかないとこするよ、とか
もっと踏み込みなさい、だとか
さらには指示器のタイミング、歩行者や自転車の行方なども指示してもらってなんとか自宅へ。


家族でご飯を食べたあと、私は自室に戻ってマニキュアを塗った。


赤い、あかい、チェリーのような色。




少し前に深夜放送のドラマでみたの。
少女が部屋に一人きりでペディキュアを塗るシーン。
それがやけに頭に残っていて。


ちょっとだけ真似っこ。


指先に

ちゅるり、ぷるり、とした赤い、赤いチェリーの色。


「レッドカーネーション」とかかれたその色は
カーネーションよりずっと残酷な色。










あたしはコレをつけて
明日、おでかけするの。



梅の花を、桜のつぼみを、探しにいくの。