凪の日々
■引きこもり専業主婦の子育て愚痴日記■
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空を見ると綺麗な満月だった。 「お月見したいねぇ」というアイに、はて、お月見ってナニをやるんだろう?と知らなかった自分に気づく。 「お月見ってナニやればいいのかなぁ」 「とりあえずお団子作るんじゃない?」と相談の結果、団子を作る事に。 遊びとおやつを兼ねて団子の粉と黄粉は常備している。 作って遊んでおなかもいっぱいになるんだから、粘土遊びより親としては便利だし。 作業はスピードさえ要求しなければアイ一人でやらせても大丈夫。 台所でせっせと丸めるアイ。 でも茹でるのはまだ上手くできないのでこれは母担当。
出来上がった団子の形のいいのを選別してとりあえず窓際に置く。 失敗作はその場で食べる。 ばくばくアユムと一緒に食べながら「本当にうさぎが来たらどうしようねぇ」とアイは言う。 なんだそれ。お月見団子につられて月からウサギがやってくるとでも? それじゃお月見団子ってアイにとってウサギを捕まえるワナなわけ? 意味不明ーと思いながらも「来たらどうしようねぇ。うちじゃウサギ飼えないしねぇ。学校に連れて行って飼ってもらう?」などと適当に相槌。 「それ、いいねぇ」と笑顔のアイ。
団子を食べ過ぎたアイは「ここんとこが気持ち悪い」と胸やけを訴える。 加減ってものを知らんのかお前は。 胃薬を飲ませると「胃のお薬飲むの初めてー」とちょっと嬉しそう。 「そうだねーアイの六年間の人生で初めての体験だね」と言うと「そんな風に言わないで」とこれは不服。 なんというか、君の心の機微がわからないよ母は。
「おいしーねー」と口の周りを黄な粉と餡子だらけにしてまだ食べているアユム。 あぁ君のシンプルな精神構造が今は癒されるよ。
暁
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