凪の日々



■引きこもり専業主婦の子育て愚痴日記■

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2005年07月08日(金)

夏になるとミシンを引っ張り出す。
手芸品店で買った安い布を引っ張り出し、子供の服を縫う。
簡単なウエストゴムのスカートとか、ファスナー無しのゴムだらけのワンピースとか、そんなのしか縫えないけれど。
頭を空っぽにしてただ手順どおりに作業をしていけば、時間さえあればいつかは出来上がる。

ミシンを動かす時の空っぽの頭がいい。
「何縫ってるの?」とアイが嬉しそうに聞いてくる。
「アイのスカートよ」と言えばもうご機嫌だ。
ミシンを動かしている間はアイも近寄らない。
邪魔しないように大人しく自分で遊んでくれている。

でも別にアイの為に縫っているわけじゃない。
この、ミシンを使っている間は家事放棄。
母業はやりませんよ、という意思表示。
だって私は今「子供の為に服を縫っている」んですもの。
忙しくて他の事までできませんワ。
そういう正当な理由を振りかざして、自分の殻に篭もっているだけ。
空っぽの頭と空っぽの心でただ手を動かしているだけ。

出来上がったスカートを、アイは嬉しそうに着てみせる。
ピンクのそれを「お姫様のスカートみたい」と喜ぶ。

私は空っぽの心でその姿を眺める。


私の心がどうであれ、アイの心が喜びで満ちればそれでいい。
「子供の頃、お母さんがよく服を縫ってくれた」と暖かい思い出になって残ってくれたら良いと思う。
私の空っぽの心なんか気付かないままで。





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