Scrap novel
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ええっと。 弟のタケルに、『兄さんもたまには日記とかつけてみたら?』と言われたので、じゃあやってみるかとノーパソ開いたものの。
いったい何書けばいいんだ?
そもそもオレ、こういうの苦手なんだよ、マジで。 作文とか日記とか読書感想文とか、小学生の時から嫌いだったしな。 バンドの曲も、作曲はオレがするけど詞は別のメンバーだし。 まあ別に誰に見せるってわけでもないから、日記なんて自由に書きゃいいんだけどな。
近況とか、そんなのでいいのか?
えーと。 オヤジとおふくろは相変わらず。 仕事仕事で忙しそうだ。
オレはといえば、バンドの練習に日々没頭している筈が、なぜか生徒会の仕事なんか手伝う羽目になっちまってさ。 まあ、太一のヤツが生徒会長に立候補したあたりで、嫌な予感はしてたんだ。 手伝ってくれ!!と拝み倒され、めんどくせー、ウゼーと散々文句言ったものの、渋々ながらにいざやってみると、なかなかこれが面白くてさ。
へえ、もしかして。 オレって、案外向いてるのかな。こういうの。 人づきあいとか全然ダメな方なんだけどさ。 こんな風に、皆で何かやるのって悪くないっつーか、結構燃える(笑) 太一に言ったら、どうせそれ見たことかって言われるに違いないから、言わねえけど。
あ! けど、二学期の文化祭の事までは知らねえぞ! オレ、裏方やってる場合じゃねえんだって。 「ティーンエイジウルブズ」のボーカルとして、ステージ上がってガンガン歌いまくるんだからな!
しかし、それにしても。 最近そんな風に忙しくて、落ちついてバンドの練習も出来やしない。 メンバーには、お前が来ないから練習にならねって、ぶーたれられるし。 いや、けどソレ、オレのせいじゃないし! 文句なら太一に言えよ。
ま。今度の日曜は久々にみんな揃って、ゆっくり練習に時間取れそうだけどな。 新曲も、そろそろ…って、あれ?
携帯にメール? タケルか?
へえ、めずらしいな。 よっぽど用事がないと、メールとかしてこねえのに。 そういや、あいつ。 大抵、電話だよな。 ま、オレもその方が声聞けて嬉しいけど。 でも、どっちかってばそれも控え目で。 オレの方から誘って出かけたり、メシ食ったりすることがほとんどだ。 もっと我儘言ったり、甘えたりしてほしいんだけどな。
"お兄ちゃん"としては、さ。
それにしても。 "落ち込んでる"ってどうした? お前がそんなことオレに言ってくるなんて、よっぽどじゃん。
あいつ、オレと一緒で繊細だから。 いろいろ気苦労も多いんだよな。 けど、たとえばそれで傷ついてたり、疲れてたりしても。 あいつ、顔に全然出さねえから。 というか、自分が傷ついてたり、精神的に疲れたりしてんのに、どうも自分でも気がついてないみたいだ。 それで平気な顔して、笑ったりしてるから。 余計に回りは気がつきにくいんだよ。 誤解もされるみてえだし。
――よし!
今度の日曜は、バンドの練習はパスだ!
タケル誘って、どっか行くぞ! あいつ、予定とか入ってねえかな。 遊園地とか行くか? それとも、映画とか買い物とか。 野球観戦とか行くかな。 思いっきり大声出したら、ストレス解消にもなるぞ!
何でも言えよ、とことん付き合ってやるからさ。
お兄ちゃんに、わがまま言え。 でもって、もっともっと甘えろよ。
オレ、お前のためなら、何だってしてやりたいんだからさ。 な。タケル。
って。 どうでもいいけど、これ。
単なる弟の惚気日記じゃねーのか?
ヤバイ。 本音書き過ぎだ、オレ。
だから言ってるだろ。
オレ。 やっぱ向いてないって。 日記とかさ…。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ブログで回ってきた「口調バトン」。 キャラ指定→石田ヤマト で日記を書いたんですが、なかなかに好評でしたので、こちらに移動。 相変わらずなお兄ちゃんで、書いててとっても楽しかったですv(笑)
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