友人に「しらが発見〜」と言われたので
家で見てみたら、本当にしらがが生えていて
しかも１本だけでなく何本もあった。
（完）

両親が、たまには気分を変えて、ということで
今までのリビングを寝室に、寝室をリビングに
設定して、家具はそのままで生活を始めた。
（完）

4月から所属している演劇集団Kの初舞台があった。
私の役は、台詞も少ないほんの端役である。

物語のなかほどで、台本には書いていない
ダンスと歌が始まり大いに困惑する。
しかも私以外の団員はみな、
ダンスと歌のことは事前に知らされていたらしく
ハードな動きもきっちりこなしているのである。
私は、もうどうしようもないので
隣の女優さんのをチラチラ見ながら踊った。
しかしそれも上手くいかないので、やけくそになり
途中からは独自のダンスを勝手に踊ってみせた。
（完）

高校時代の友人の家にお泊りに行く。
お互いしばらく会っていなかったので
何を話したらよいか全く分からず
とにかく間を持たせようと必死にしゃべったため
ヘトヘトになってしまう。

ぐったり疲弊して友人宅を後にすると
玄関先で屈強な外国人男性３人に路地裏につれこまれ
「お前はさっきの家の娘の友人だろう。
そこの家の親父を殺そうと思うから
忘れ物をとりに帰ったフリをして
これを置いて来い」といわれ
猛毒入りのペットボトルを渡された。
（完）

家々の屋根の上を飛びまわって移動する泥棒が
私の家の屋根に飛びのったとき
屋根瓦を踏み割り、瓦は道路に落下した。
父親が窓をあけて「こらぁっ」と怒鳴りつけるのだが
泥棒は自分のいる場所が
完全な死角になっていると勘違いしているらしく
こちらを見てにまにまと笑っているのである。
（完）

女性誌でよく特集される
「シチュエーション別恋愛の秘訣」
「あなたの恋愛傾向」
「飽きられない女になる！」
「春のモテメイク」
など、いわゆる恋愛マニュアルが
そのままテレビ番組になったようなものを見る。
再現VTRがなまなましくてソワソワする。
（完）

大学に人気女性アイドルグループがやってくる。
楽屋でお茶を出す係になった私は
記念にと思ってメンバー全員に銀色のネックレスをあげる。
衣装として違うネックレスをしていたのに
その上から私のあげたやつをかけてくれた。
しかし、アイドル達は決して私に礼は言わず
楽屋を出る際に「あなた、もう少し痩せたら？」と言い残して
さっそうと舞台に上っていったのである。
（完）

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