流天日記
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2限授業中に知らない人から電話がかかってくる。 「Uさん(本名)今日が本番ですね。楽しみだな」 とだけ言って切れる。
昼休みに駒場小空間の前で演劇の看板を見つける。 太字で「主演のいない公演会」とあり、 その下に私の本名が書いてある。 看板の下に汚れた包丁が1丁落ちている。
3限授業中に知らない人からメールが届く。 「今日の公演期待してます。楽しませてくださいね」 読んでいる間にもう1通届く。 「まだ駒場にいるんですよね、そろそろこちらも準備を始めます」
家に飛んで帰って部屋に閉じこもってカーテン閉め切ったのが 午後の2時頃。 「東京にお住まいなんですね」というメールが届いたのが3時頃。 「もうお帰りになりましたか」3時半。 「西武線を使ってますね。正解なら返信はいらないです」3時45分。 「あなたがどこにいるのか分かりました。 あと3時間ですね。今日の公演楽しみにしています」4時。 (完)
私、相棒、野比君、源さんという面子で 喜び組初等科の女子に某御殿を案内してもらった。 (完)
お昼の後の授業がなかったので ホーキンスの登山靴をはいて学校周りを散歩する。 霧のような雨が降っていて、 ものすごい数のあじさいを見た。
薬局の前でぼんやりしてたら 男女2人組に声をかけられる。 「私たち、ずっとあなたを尾けてきました」 女は言いにくそうに下を向いて言うのである 「あのぅ、私たちにストマックを買ってくれませんか」
ちょうど私はストマックを持ち歩いていたので 「私のでよければ」てんで女に手渡した。 女は顔を輝かせて男の手を取り 二人は小躍りしながら去っていった。
気がつくと4限に遅れそうな時間である。 やべぇ、てって急ぎ足で歩いていくと 後ろから同じく急ぎ足で尾いてくる者がある。例の2人である 振り返って「なんですか」と言うと 女はまた言いにくそうに 「あのぅ、なんか私たちが引きとめたせいで あなたが遅刻したら申し訳なくて、少しでもお役に立てたら…」 とぽつぽつ話し、手にしていたプラ・カードをこちらに見せた。 「問3 zheng zhi」とある。 無視して歩き出しても2人はずっと尾いてくるのである。
教室に着くと既に授業は後半である。 後ろのほうからこっそり入って席に座る。 廊下を見ると例の2人がプラカードを持ってにこにこしている。 (完)
放課後、おなかがすいたので生協(学内のコンビニのような場所)に行く。
生協の中は真っ暗で、ブラックライトが所々に青く光っている。 おのおのが好きなものを手にとって 好きなところで食べている(レジの下・階段・またはその場で)。 レジも機能してはいるが律儀に会計する人はまれである。
6月30日付けで生協は閉鎖するのだ。 最期の一週間は電灯も処分され、掃除をする者もないので ほぼ無法地帯と化している。 私もサンドイッチを手にとって、入り口の隅のほうにしゃがんで食べた。 (完)
六本木を中心に、東京、横浜、大宮の間を 1日かけてゆっくり移動する 「巡回式新型マンション」の見学に 大学の友達4人で行く。
まだ未完成らしく見学できるところが少ないので 地下の駐車場で ままごと・かくれんぼなどを嗜んだ後 地上に出てみると、六本木である。 さっきまで東京だったのに。 強烈なめまいがした。 周りの皆も言葉少なに帰宅。 (完)
ずっと歩いて、歩き続けて、東京まで帰って来た。 ナップザックの重みで肩が痛い。全身から土の匂いがする。疲労感。
降参だわ、もう歩けねぇわ、と思って 池袋のスタバに寄る。注文したココアは 中に大量のホイップクリームが入っている。店員に 「もっと面白おかしく、平穏に、 暮していくこともできるんじゃないの?」と言われる。
いすに座ってしばらくじーっと動かないでいた。 ココアはもの凄く熱くて舌をやけどした。
(完)
大学の銀杏並木を歩いていると た、たすけてくれぇって叫んで向こうから友人が走ってくる。 とっさに私は近くに転がっていたドラム缶に彼を放り込み 上から乗っかって隠し、事なきを得る。 (完)
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