moonshine  エミ




2006年10月09日(月)  すぐそばの海で

月曜日。お昼に合わせて賢ちゃんと会う。
「どこで昼メシ食うかね〜?」と検討した結果、秋のいいお天気なので、お弁当を買って、海辺に行くことに。芥屋まで走って、釣り人たちや、岩に打ち寄せる波を見ながら、ホカ弁を食べる。

福岡は、ちょっと走ると海辺に着くのがいい。
忙しくて疲れると、すぐに「海辺に行きたい」と思う。

マンガ倉庫やガソリンスタンドに寄りつつ、のんびりドライブしてお買い物して帰り、この秋初めてのシチューを作る。きれっぱしのじゃがいもでポテトサラダなど作り、大竹しのぶ対泉谷しげるの「食わず嫌い王」スペシャルを見ながらのんびり夜ごはん。爆笑しつつも、ほっこり落ち着く。

また明日からの忙しい日々に備えて、23時過ぎにはおやすみを言う。
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2006年10月07日(土)  これもまた愛すべき土曜日

いわゆる一般企業の我が社は、カレンダー通りに土日祭日が休日・・・のはずだけど、長年この日記を読んでる方々にはお馴染みのとおり、決算作業の時期、4月・5月と10月は、私の部署は土曜日もあたりまえのように出勤だ。でないと決算発表、ひいては有価証券報告書の提出に間に合わない。

それでこの土曜日も朝から張り切って(?)自転車こいで会社に出かけた。JRで来る先輩は、「3連休で天気もいいから、電車の中も駅も、遊びに行く人たちでいっぱい! もう、やんなる〜」なんてこぼしつつ登場。「私たちは別世界の住人だから、しょうがないよ・・・」と、同じ部署の人およびシステム部の人で慰め合う。

そう、休日出勤をしてるのは私たち経理部だけじゃない。4月・10月というのは、大幅な人事異動に伴う社内のレイアウト変更がつきもので、従って、内線電話工事とか社内LAN工事とかを、みんなが休む土日に業者さんたちに委託して行うため、その監督としてシステム部とか総務部の人たちが出勤してくるのだ。

会社でお金を稼いでくるのは当然、営業の人たちで、彼らはきついノルマを課され、社外では取引先に頭を下げたり、社内では上役に怒鳴られたりしながら、みんなの食い扶持を稼いでる。そのかわり、社内ではやはり胸を張ってられるというか、「俺たちがいるからこそ、みんなの給料も出るんだぜ!」的に優遇されてる面もある。総務とか経理とかシステムとかっていう、いわゆる私たち“スタッフ部門”の人間は、営業が稼いでくるお金に乗っかるかわり、直接的には一銭も稼ぐことはできないけれど、みんなが休んでる間に、目につかない、評価もされないところで、地味〜にしこしこ働いてる。両者の間にはどうにも埋められない深い溝があるけど、どちらもやっぱり、会社を運営していくためには欠かせない。と、私は思う。

さてさて、そういうわけで、この日は内線工事とLAN工事がドッキング。天井という天井があけられて電線(?)が顔を出し、あちこちでドリル音やテストの内線呼び出し音が鳴り響き、汗の匂いと威勢のいい掛け声(?)を発し、埃を撒き散らしながら、業者の人たちが忙しく立ち働いている。

・・・・・中で、私たちは電卓やパソコンやプリンタや膨大な紙資料を相手に、細かい計算をしたり小難しい会計基準を読んだりしながら、決算作業だ。そう、はっきり言って、頭脳労働にはまったく適さない環境である。

おまけに、LAN工事の影響で、社内のサーバーと無線LANが止まっており、普段はサーバー内に格納されてる社内のいろんなファイルに即座にアクセスすることもできず、前日に前もって自分のパソコンのマイドキュメントに移しておいた限られたデータだけで戦闘しなければならない、また、無線LANが使えないので、印刷するときには、わざわざプリンタと自分のパソコンをケーブルでいちいち繋がなければならない、おまけに、業者の邪魔にならないように、自分たちのフロアじゃない小部屋に缶詰になって作業しなければならないので、途中で「あっ、あの資料が必要!」とか思ったら、わざわざ階段を下りて取りに行かなければならない、という、不便このうえない状況で、クソ忙しい決算作業の一日を過ごすことを余儀なくされるのだ。

「アンタたち(=経営者)の都合で、決算発表を大幅に早めるとかいうから、休日返上でこんなに働いてるんだから、この時期にやたらめったら、大幅な工事が必要になる無意味な(と思える)異動を発令しないでよね!」

なんて、以前の私はぷんぷん怒ってたけど、こういうのにも、もう、慣れた。それどころか、業者の人たちとも半分、顔なじみになってきて、「おお〜またアンタたち、休みに出てきてるんだね。」「あっ、今からお昼かい?」的なあいさつや目配せもかわすようになったり、いかにも職人さんらしいきびきびした動きや珍しい機器を見たりするのも興味深く、「会社って、裏ではこういう人たちに支えられてるんだね〜(もちろん、お金払ってやってもらってるんだけど)」と、感慨深かったりもする。

とはいえ、やっぱり不便な環境であることには代わりないので、この日は、意外と早く(19時だけど・・・)仕事は切り上げることになった。平日は毎日22時オーバーなので、よく考えたら土曜日なんだからちっともありがたくないんだけど、早く帰れるとなんだか「得した〜♪」みたいな気持ちになる。反面、「ああ、こんなに早く帰ってたら、進捗も悪くなるし、来週も苦労すんな・・・」とも冷静に考えつつ、「まぁ、なんとかしなくちゃいけないから、これまでどおり、無理してでもなんとかしてくんだろうな。」と不安はとりあえず胸におさめて、久しぶりに早く帰るので、レンタル屋に寄って、音楽を物色した。

借りたのは、風味堂と木村カエラ。

風味堂、いいね〜! 九州出身で、直接ライブを見たことはないけど、今はもう地元長崎に戻った友だちが『MUSIC CITY 天神』ていう音楽イベントで「今から風味堂のライブ行くんだ〜!」とワクワクしてたのを思い出すだけでも、私にとって勝手に親近感をおぼえるバンドだ。最近、「愛してる」って曲が全国的に売れてるみたいで、ラジオでもよく流れてる。その歌は、個人的にはあんまり好きじゃない・・・。でも、レンタルしたメジャーデビューアルバム「風味堂」は、一発でかなり気に入った! ヘビロテ中!

で、風味堂を聞きながら、家事をしたり、ビール飲んだり、ブログ書いたりして、自分の部屋でくつろぐ優雅な夜を過ごした。寝る前に、読みかけだった『ぶらんこ乗り』(いしいしんじ 新潮文庫)をしくしく泣きながら最後まで読み終わった。うーむ。期待を裏切らない、良作だった。人を食うようなホラ話の数々、それでいて、人の普遍的な営み、感情に訴えてくる。いしいしんじは、2006年の大事な出会いのひとつだ。

ちなみに賢ちゃん。この日、親友とバス釣りに佐賀は北山ダムに行ってたんだけど、風が強くて釣果が思わしくなかったうえ、15キロオーバーというチャチな違反でキップ切られたらしく、凹んでいた・・・。かわいそうに。よしよし。君がいい子だって私はわかってるからね! 
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2006年10月06日(金)  自分の評価基準を私は信じる。

なんとか一週間が終わった。
・・・・・。
といいたいところだが、終わってなーい!
明日も仕事だ。

この時期の私は普段にも増して!仕事に本気一直線。いやがおうにも一生懸命。
人間、真剣になると、いろんなことを流すことができない。
適度にやってりゃ、多少理不尽なことぐらい、「ま、そんなもんよね〜」と思えるんだろうが、こう極限状態(それはちょっと大げさだが・・・)でやってると、張り詰めた心はガラスのように砕けやすくなってるの。
それでももうこの仕事も長くなってきたから、経験と仕事への誇り(?)に裏打ちされて、耐性はかなりついてるけどね。強化ガラスくらいには。

今日はとても印象的なことがあった。
ちょっと入り組んだ話なので、私の拙い説明では読んでいる人には理解しにくいだろうけど。

うちの会社の財務。女子社員が事務をするようになって、今の担当者で4人目だ。
Aさん、3年ほど財務事務をやって、結婚退職した。
Bさん、Aさんの後任として中途採用されて、9ヶ月ほどで電撃結婚退職した。
Cさん、Aさんの在任中に中途採用されて、Aさん、Bさんが辞めるころから本格的に財務の事務をやってる(現職中。)
Dさん、Bさんの後任としてつい2ヶ月ほど前に中途採用された女の子。(22歳。)

この中で、Cさんは現職で、年齢的にもかなり上なのでちょっと外して、Aさん、Bさん、Dさんの中でいちばん仕事ができるのは、Dさんだ、というもっぱらの評判らしい。

えー!て感じ。

こういう状況であれば、いちばんスムーズに仕事にあたれるのがDさんなのは、当然のことではないか。

だって、それまでにノウハウができてるから。

Aさんの前任は男性で、長くその仕事を担当しており、事務だけでなく財務の営業的なこともしていた。当然、彼の頭の中ですべてが理解され事が進んでいたので、マニュアルなんてなかった。
前線に立たず事務だけをするという立場で、どうやって業務を理解し、進めていくかを試行錯誤で開発したのは、やはりAさんだ。

そして、Aさんの悪戦苦闘を引き継いで、短い時間で彼女の遺したいろんなミスも是正していったのが、Bさんだ。

さらに、今は経験を積んできたCさんもいる。従来ひとりでやっていたことを、今はふたりでやっているわけだ。しかもCさんは、もと銀行員だから当然、最初からあるていどは財務に詳しいし、年齢的なキャリアという貯金がある。

Dさんは、前の二人が敷いてきたレールに乗っかり、Cさんがかなり重い仕事も負担しているという前提で、今、仕事をしているのだ。

もちろん、だからといって、私がDさんのことを評価しないわけじゃない。
彼女は若く、会社という場所で働くのも初めてで、その中で、一生懸命やっている、素直ないい子だ。いま自分にできるベストを尽くしていると思う。
でも、Dさんと、辞めたAさん・Bさんの実務能力を比べることは、まだできないはずだ。

Dさんの一生懸命さを評価するための評判ではなく、前任者たるAさん、Bさんを「たいしたことなかった」って結論付けるための評判のようになっていることに、相当、違和感を覚える。

まあ、財務というのは、会社の中でも人数の少ないポジションだし、機密もあるしで、どんな仕事をしているのか、個々人の能力がどうなのか、周りから見て評価しにくい部署だというのはよくわかる。
表面だけを見られてあーだこーだ言われるのも、ある意味しかたない面はある。
私も、社内ではマイノリティーな部署でマニアックな仕事をしているので、
万人に理解されること、評価されることは決してないんだ、ってことはよくわかる。

でもね。
私は経理なので、かなり財務に近い場所で仕事をしているんだけど、同じように財務に近い人まで、一緒になってそういう評判を本気で口にしてるからね。
悪気があってのことじゃなくて、ほんとに見えてないんだよね。現実が。

そういうことを聞くと、自分のことではないけど、かなり虚しくなるよね。
なんでわかんないの?て思う。
それが悔しくもあり、「視界が狭いって、ある意味、幸せだよね・・・」とか、意地の悪〜いことも、思う。
私だって、近しい場所にいるからこそ、うちの財務の不足面も知ってるし、彼らの全部を肯定することなんてとてもできない。
それでも、客観的な評価はできてるつもり。

ま。
その話を聞いたときは、かなり自分の中で「ぉいおいマジかよ!」と思ったけど、そんなもんだってことよね。世間なんて。

23時、帰ってきて、ビール1本飲んで、賢ちゃんに電話してみた。
ちょうど、飲んで、姪浜駅に着いたとこだった。
気持ちよーく、酔っぱらっていらっしゃる。
酔った賢ちゃんは、ふだんよりもさらに、口舌滑らか。おもしろすぎる。
さあ私は明日も虚しく仕事だから、意志をもってがんばろう。
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