moonshine  エミ




2004年09月07日(火)  嵐の日リターンズ

台風なので少し早く起きる。ベッドに横になったまま、リモコンを操ってテレビをつけ交通情報を見る。電車もバスも止まっている。出社しようか休もうか迷う。とりあえずコンビニに行ってみる。まだ雨は降っていない。風もいつもよりは強いけど暴風とまではいかない感じ。しん氏より、「また揺れた」とメールが入る。地震は台風よりもずっと怖い。

おなかがすいたのでポテトチーズ焼きを作る。ついでにお弁当を作る。結局家を出る。くそー、先週、休んでなければこんな日に会社に行くことなかったのに、人生とはままならないものです。その頃にはもういかにも暴風域内、といった雰囲気になっている。歩き出して50メートルくらいで傘が壊れる。タクシーがたくさん通っているものの、みんな既にお客さんを乗せている。いったん家に戻る。少し遅れそうな旨、会社に電話する。

タクシー頼もうかな、と思って電話してみるも、当然ながら配車センターはパンク寸前でつながりやしない。あーあ、と思いながらもう一度家を出る。傘はさしていられないので濡れながら歩く。雨は幸いそこまでひどくない。歩けないこともないな、会社まで30分もあれば着くかな、と思いながらふと顔をあげる。信号機が強風でぐらぐら揺れている。危険を感じる。改めて目を皿にして空車を探しながら歩く。しばらくして、見つかる。

「わー、よかった、なかなか空車がなくて困ってたんですよ。停まってくれてありがとうございます」「ははは、ありがとうって、それお客さんのせりふじゃないでしょ」「近くなのにすみません」「いえいえ、こんな日は、近いほうがいいですよ、私たちも」いい人だったな。こんなときにいい運転手さんにめぐり合うとうれしい。「帰りも、気をつけてね」と降りぎわに言われた。

しかしコンビニってすごいよね。台風で休みの会社だってあるし会社のまわりのお弁当屋さんとか飲食店も閉まってたけど、コンビニは営業しているのである。いつもあいさつするローソンのパートのおばちゃん、「あらー今日もお休みじゃないんですか?」って言うけどあなたこそ! 「私は近いから歩いてこれるんですよ、ここまで」いや、こういうときって、近くだと思って外を歩いてる人が、けがするんだよ。お気をつけて。

退社する頃には台風は福岡を去り(その後、広島とかひどかったらしいですねー)、街は静かにあちらこちらゴミを浮かべている。こんな日に働いたんだからご褒美!なんて思いつつ飲みに行く。会社の人からも打診があったけど、家族もちは、こんな日は早く自分の家庭に帰りなさい。TPOなんか考えずに飲めるのは独身者に与えられた特権なのだ。

病み上がりなので軽いお酒から入る。鶏のもも肉や甘鯛など食べながら飲む。飲みながらしゃべる。さらに飲む。場所を変える。そして飲む。ほかのお客さんともしゃべる。アードベッグを飲む、やっぱりおいしい。別のお客さんが、なぜだか私たちにお酒をおごってくれる。でもこの人たちとはしゃべってないのだ、世の中って不思議。まつおかさん(マスター)に来たる私の誕生日をメモらせることに成功。かっこいい(見かけが、という意味じゃなくて、うまくいえないけど、何だかほんとに素敵な人なの、きゃっ)まつおかさんは42歳だということがこのあいだ判明。びっくり。36歳くらいだと思ってた。

酔っぱらって帰宅、久しぶりの友だちからメールが入っていたので電話してみる。久しぶりにしゃべった。でも、なに話したのかほとんど覚えてない。相変わらずだなーって思われたことでしょう。





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2004年09月06日(月)  「華氏911」 是非を論じず。

木曜日から床に伏してました。胃腸にひどくきたあたり、典型的な夏ばてです。
週末の予定も全部キャンセル、むむ、無念なり。

こんなに長く寝込んだのは久しぶり。病気は気力も奪うもので土日はひどいうつ状態、ゆうべもひどい頭痛で3時近くまで眠れず、今朝も起きたすぐからひどい頭痛で、何とか会社に行くと、二日も休むと当然ながらあれこれと忙しく、お腹はまだ痛いし、もう、ひどいひどい尽くし。そんな数日間だったのでちょっと痩せたけど、こんなのすぐ取り返しちゃうもんね、どーせどーせ。

でも、今夜はかねてからの予定通り、同僚と『華氏911』を見に行ってきた。

私は観たあと『映画生活』なんかで人の感想とかを見て「ふむふむ」「なるほどね」「へえーそうかなあ?」なんてやるのが結構好きなんですが、「華氏911」についてのそれらを見たら、何だか概して、「?」マークだった。なんだろう、この違和感は?と考えてみると、「マイケル・ムーア監督の」「映画作品」としてこれを見て、映画としての「質」とか、「評価を下してる」人が多かったからみたい。こうして書いてみると、そんなのあたりまえやん、ともいえる。

前作の『ボウリング・フォー・コロンバイン』も見てないし、ムーアさんという人にこれまで何か思い入れがあったわけでもない私は、「華氏911」を、ドキュメンタリーとか映画作品とかあんまりそういうジャンル分けをしないで見たようだ。だから衝撃だったのだろうか?

監督の持ち味である突撃取材だとか笑いだとかが少ないとか、こんなのプロパガンダに過ぎないとか、ドキュメンタリーとしては何ら目新しいものはないとか、単純なブッシュ批判にとどまっているのが低次元だとか。そんなふうにこれを映画作品として批評するのが仕事の人もいるだろうし、どんな感想を持つのも自由なんだけど、私はこの映画をそういうふうには見たくないな。というのが私の感想。

戦争がどんなに悲しいことか、どんな犠牲を生むか。それが繰り返され、今も続いてる。
絶対嫌だ、って、それだけじゃだめなのかな。
あたりまえだけど、それを強く強く思うためだけに、お金を払って見に行った(結果的にね)。そんなの今までしたこと、ほとんどない。それで今回、もったいなかったとは全然思わない。
平和な日本の若者のひとりがそんなこと思うだけじゃ、何も変わらないのかな。
そういう人をたくさん増やすのが、マスコミとか、表現者の役割なんじゃないのかな。

「無知がどんなに恐ろしいか!」
ラスト近くで、戦死したアメリカ兵のお母さん(それまで、貧しい町に住む彼女は、学費を稼いだり広い世界を見るために、軍役志願を子供たちに奨励していた)が言った言葉が、いちばん心に残った。
無知。それは、政治やお金に関する見えない世界を知らないことだけを指すのではなくて、「利権の絡まないことのない戦争で、どんな悲劇がもたらされるか?」を私たちが想像しないことじゃないかな、と思った。そうやって繰り返される過ちへの警鐘に感じた。

それを感じさせるためにこの映画がシリアスだったり、随時挿入される悲惨な映像に目を覆うように作られてるのは、あたりまえじゃないかなー、どんなドキュメンタリーだって、作り手の意志が介在しないものはないんだし・・・って、結局私も、批評に走ってますか? ともかく、「怖いものには蓋をしろ」的に、サスペンスもホラーもハナから拒否する私ですが、この映画は、見なけりゃよかったー、とは思いませんでしたです。

しんちゃんとそんなこととか少し電話で話して、これから寝るところ。明日はまた台風だ。





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2004年09月05日(日)  未来のことなんかは

木曜日、会社を早退。
金曜日、会社を欠勤。

金曜日にはもう相当に気分も落ち込んでいて、母親からの電話に涙をこらえるのが難しいくらいで、でも少し体は持ち直していたので、ふらふらしながら自転車をこいで、夜にはサニイサイドのライブに行きました。うっ、会社休んでたくせに、ごめんなさい。だって一人でずっと家にいると、本当に泣けてしょうがなかったんだもん。

3ヶ月ぶりくらいに見るサニイサイドのライブ、まだぼんやりした頭にはバンドの音がちょっとがんがんと響いた(前のほうで見すぎたせいもあるかと思われる。)でも、最後の『道標』を聞いて、やっぱり行ってよかった!と心から思った。

「僕だけが知っていることは それはあなたの知らない行き先」

「未来のことなんかは すべてわかったことだし
 過去のことなんかは 何も分からず 思い出せずに」

ああ、この、不確かな希望を高らかに歌う歌よ!
奇しくも、家を出る前にベッドでのたうちながら読んでいた『イサクのジョーク』(銀色夏生 角川文庫)のラスト近い盛り上がりで、

「かんぱーい! おめでとー! 先のことなんて、わからないじゃない」

って登場人物が言う言葉と私の中ではかぶさって、なんともいえない淋しい明るい気分になった。あとね、新曲は「雨のアッピア街道」と「落日」がよかった。雨は惜しみなく、っていうフレーズも好きだし、落日では、すごい単純なんですが、ウーララを久しぶりに見たくなった。

それで調子に乗って、メンバーやFくんや(ジントニックごちそうさま!)やしほさんたちとテムジンに行って、ばくばく餃子を食べてビールも飲んだら、おうちに帰って相当、胃が気持ち悪くなってしまったのですが。そして土曜日になったら、台風でいえば吹き返しのように、体調不良がぶり返して、日曜の夜まで寝込んでいたのですが・・・。後悔はない!

土日は、一日24時間中、ふつうの成人が起きている時間くらい寝ていた。起きている時間も体が縦になってる時間はほんの1、2時間といったところで、あとはベッドで苦しみながらずっと本を読んでいた。

『再び熱血ポンちゃんが行く!』
『嵐が熱血ポンちゃん!』
『路傍の熱血ポンちゃん!』(以上、山田詠美 講談社文庫)
『トラや� 戞米遑兮澄�
『西荻夫婦』(やまだないと)
『斑鳩宮始末記』(黒岩重吾 文春文庫)
『小川未明童話集』(小川未明 新潮文庫)

だいたい、『西荻夫婦』を読むのは、ちょっとしたウツ状態のときだと思う・・・。

日曜の深夜になって、しんちゃんから「地震が・・・」とメールが入り、まあたいしたことはないだろうと思いつつも気になって電話をかけると、回線が込み合っているとかでつながりやしない。ようやく出たと思ったら、しん氏は「へー、つながらなかったんだ。敢えてかけなかったんよ。もっと、今すぐつながらないと困る!て人がいると思って。」と冷静そのものだったけど、私は3分おきに1時間もかけ続けていました。人間小さいかね・・・。でも、無事かどうかわからないほうが何度もかけてしまうのは、しかたがないよね。話しながらも割れそうな頭痛、切ったあともそれでずっと眠れず。つらいよこれは。





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