うちの主人は、見かけによらず可愛い。 今日も何やら可愛かったので、 「我がオットの可愛さはァァァァァアアア! 世界一ィィィィィイイイ!!」 と叫んでチューしてみたら、 白目を剥いて、ぱったりと倒れてしまった。 一体何の真似かと問うたところ、こんな返事が。 「波紋を送り込まれて死んだゾンビの真似☆」
個人的には、チェブラーシカよりも可愛いと思う。妻の欲目か。
私は海の近くにいた。 誰かの声を聞いたのか、何かを感じたのかは忘れたが、顔を上げると、海岸線に沿って立ち並んでいた杉の木が、向こう側から1本ずつ倒れるのが見えた。 倒れる木から、黄色い花粉がもうもうと、煙のように立ち上った。 逃げなきゃ。 うちの主人は花粉症だ。山に逃げたら症状が悪化する。 私は砂浜に走った。 そこを津波が襲った。しまった、山へ行くべきだった。 瓦礫に揉まれて、妹と逸れた。 探さなきゃ。あの子を家に連れて帰らなければ。
震災から2年、津波の夢なんて見た事無かったんだがなあ。 主人の花粉症を心配していた筈が、なんで妹を探していたのかとか、色々と突っ込みどころはあるが、まあ夢だから。 主人に話すと、こう言われた。 「嗚呼それは、一本杉の呪いだな。シオンが散々無駄遣いだの何だのと言うから」 「陸前高田のサイボーグは、杉じゃなくて松じゃなかったっけ?」 「……しまった、高田『松』原だったか! じゃあ」 と言って主人は何やら歌い出したが、私の知らない歌で、しかもこれまた松ではなく杉の歌だったという。 主人が珍しく外しまくりで調子の出ない日であった。
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