朝、目が覚めたら、頭痛がした。 いつものやつである。 このところ寒い日が続いているから、肩凝りが酷くなったのか。 それでも普通に起きて、家事を済ませた。 今日は会議で遅くなる、夕食もそこで出るから要らないと主人から言われていたので、のんびり過ごしていたら、電話が鳴った。 会場まで車で行かないとならないのに乗せて行ってくれる人が見付からないから、車持って来てー、だそうで。 ええー面倒臭い、タクシーで行きなよと言ったら、お金が無いそうで……嗚呼そうですか。 仕方が無いので、顔を洗って出掛けた。
職場の駐車場に車を乗り捨てて、とぼとぼ歩き始めたが、このまま帰るのが勿体無いような気がした。 少し遠回りして、白鳥を見に行く事にする。 すぐ近くの橋からは見えなかったので、1つ先の橋まで歩いた。 いた。集団で浮かんでいたり、川岸の凍っている所に立っていたり。 暫く眺めていたら、ブーツの中で爪先が凍えて来たので、またとぼとぼと歩いて帰宅した。 家に辿り着く頃には、日が殆ど沈んで、辺りも暗くなり始めていた。
さて、お腹が空く頃だし晩飯にしようか、とレトルトカレーに手を伸ばそうとしたら、頭痛がぶり返しているのに気付いた。 しかも酷くなっている。調子こいてお散歩したから、体が余計冷えた模様。 確かにほぼ真冬日だったが、河原のグラウンドでは高校生達が雪中ランニングをし、土手では小学生が橇遊びに勤しんでいた。私は1時間足らずでダウンしているというのに、あいつ等と来たらどんだけ丈夫なんだ。 このままでは吐き気が来る。逡巡して、カレーは元の場所に仕舞い、風呂を沸かした。 熱いお湯にたぷんと浸かると、眠気が襲って来た。 でも眠って沈んだら死ぬ。今度首用の浮き輪を買って来ようと思いつつ、少しだけ湯船でうとうとした。
風呂から出ると19時。そのまま布団に直行した。 ぬくぬく丸まっていると割とすぐに主人が帰宅したので、事情説明をして先に寝た。
折角なので、お散歩証拠写真を。
丁度水中に首を突っ込んでいるところを真上から撮ったからこんなだけれど、鳩じゃないよ、白鳥だよ!! やはり私には、写真の才能は無いらしい。
基本引き籠もりの専業主婦なので、携帯電話が無くても余り困らない。 しかし失くしたとなると、それはそれで困る。高かったし! 1番困るのは誰かに拾われて、勝手に通話されたり、犯罪に使われたりする事。 なので探した。 本日外出したのは1度、スーパーに買い物に出かけただけである。寄り道はしていない。 一応家にあるかも?と思って、自宅の電話から自分の携帯電話にかけてみた。 受話器から呼び出し音は聞こえるが、家のどこからも着信音が聞こえない。外で落としたのだ。 多分、出かける時に携帯電話を鞄に入れた。 でもスーパーに着いた時には無かった。入れた筈の場所に入っていなかったので、その時は家に置いて来たと思ったのだ。 なので、落とし場所はスーパーの駐車場か家の駐車場に絞られる。 閉店間近のスーパーに電話で確認したところ、携帯電話の落し物は本日届けられていないとの事。 外は朝からずっと雪が降り続いている。あの中のどこかに埋まっているのかと思うと、気が遠くなった。 主人のスマートフォンを借りて、外に出た。携帯にかけるも、着信音は聞こえない。 車でスーパーまで行ってみた。そこでも鳴らしたがやはり聞こえず。 駐車場の地面は圧雪状態で、携帯を落とせば誰かが気付く筈だ。ここで埋もれている可能性は低い。 となると、ここで落として誰かに拾われてこそっと持って行かれたか。 でなければ、やはり自宅駐車場という事になる。 家に引き返し、車のエンジンを止め、スマホから携帯にかける。これで何度目だろう。 スマホ片手に車から降り、はぁ〜と溜め息を吐いてしゃがみこんだ。 聞こえた。 微かに、私の携帯の着信音がする。どこだ!? その時、突然すぐ近くで、
ピーポーピーポーピーポー
救急車が発進した模様。 何故今。 それ、どうしても今じゃないといけないんですか。 嫌がらせですか。というタイミングであった。 救急車はぐるりと角を曲がったようで、なかなか音が遠ざかってくれなかったが、やっとピーポーが小さくなったところで、車の傍らにしゃがみこんで、もう1度発信。 私の足下から聞こえる。 雪を掘ると、ストラップが見えた。 あったー! 見付けたー! 携帯電話はすっかり冷たくなっていたが、ちゃんと動くようだった。 もしかすると私が車で轢いたかも知れないが、案外丈夫なのね。
雪の中って、本当に音が聞こえないのだと身を以って知った事であった。 雪崩等で埋もれて助けを呼んでも、なかなか気付いて貰えないだろうなあと恐ろしく思った。
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