主人が愛用していたマッサージ椅子が壊れた。 椅子なのかな……兎に角、医療用の大きい奴で、元は腰痛持ちの主人の父の物だったのを、主人が譲り受けて使っていたのだ。 我が家にやって来た時、あまりの汚さに洗剤で拭き掃除をしたら、雑巾が真っ黒になったほどの年代物で、主人によると、物心が付いた頃から実家にあったとか。ホントかよ。 数年前からギシギシと嫌な音を立てるようになったので、油を差したかったのだが、素人が勝手に分解する訳にも行かず、製造販売元に電話で問い合わせたところ、とっくの昔に製造販売が終了した商品で、修理も出来ないと断られてしまったのである。 仕方が無いので、壊れて部品が背中に突き刺さったらどうしようとビクビクしながらもそのまま使っていたのが、先日とうとう主人の使用中に、バチーンと音を立てて壊れた。 主人は無事だった。弱くなった電源コードがショートしたとかで、ブレーカーが落ちた程度で済んだ。
さて、新しい車が来る前に、この粗大ごみを持ち込みで捨てて来なければならない。 玄関から車まで主人に運んで欲しかったが、これまた腰痛持ちなので、使いものにならない。 男手がありながら、結局我が家の力仕事は私の役目……すげー腑に落ちないんですが。 箸より重い物を持った事の無いこの私が、何故。 えっちらおっちら車まで何とか運んで(何度いっそ階段から蹴り落としたいと思った事か)、町外れの清掃センターまで行って来た。 係員に訊いたら、30kgあったそうな。 もっと重いと思ったが、そんなものだったか。 これじゃあ夫の死体は一人では捨てられないな。バラバラにして捨てたカオリンは正解だったのか。 いや、私は遺棄するつもりは無いけれど! 無罪を勝ち取るためには、すぐに通報して事故だった事を強調しなきゃ駄目だよなと、帰りの車の中で考えたのだった。 勿論私は主人を手にかけるつもりは無いけれど! 今のところはね。
主人が、とある記事の書いてあるサイトを見せてくれた。 早稲田大学国際教養学部の教授によると、 「生物としての女性の魅力は、19〜20歳がピーク。女性誌を見ると『30代後半がモテ期』と書かれていますが、事実とは異なります」 だそうで。 まあ普通に考えりゃそうだろうよ。 女性誌はターゲットとする読者層に受けるように捏造記事を書いているのだろうし。それを真に受けるとか。 主人は、だからシオンはモテ期じゃないよ!と言いたかったようだが、それじゃあんまりなので、こう言ってみた。
「なるほど、じゃあ私は2度目のモテ期に突入した訳ね!」
「……」 何故か黙りこくる主人。 何か文句でもあんのか?とそちらを見遣ると、 「いや……凄い解釈だなと思って。どこまでもプラス思考だなあシオンは。 でもそれ、『19〜20歳がピーク』なのであって、『19〜20年周期でピーク』じゃないから。そこんとこ、宜しくね」
むーん。
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