だいぶ前に録画しておいた「鬼平犯科帳スペシャル 引き込み女」を観ていたら、茄子の味噌漬けが出て来た。 張り込み中の同僚に、グルメ同心猫どの(原作では同心ではなく、出番も少ないらしい)が差し入れた弁当の中に入っていたのだが、お、美味しそう……! 丁度ボーナスも出てナスのシーズンだし、作ってみるかと思い立った。 料理嫌いの私にしては、実に珍しい事である。
煎り胡麻を擦って、味噌と醤油と摩り下ろした生姜を足し、油焼きにした茄子(ドラマでは縦半分切りだった)を漬ける。 漬け時間はいっとき(現在の2時間?)を越えてはならない。
と得々として語る猫どのの言葉に従ってやってみたが、む、難しい。 何せ猫どの、材料は教えてくれたものの、分量に関しては全く言及していないのだったから。 胡麻だれは常温なので味見をしながら(私が料理しながら味見をするのは稀である。自信があるのではなく、猫舌なので、火を使った料理ではふーふーしている間に火が通り過ぎてしまうのだ)味噌や醤油を少しずつ足したので、最終的にどれぐらい投入したのか、自分でも解っていない。 初心者のアレンジは非常に危険だと知りつつも、物足りない気がして挽き肉(勿論炒めた)を混ぜてしまったが、これは正解だった。 ただ今回は鶏肉だったので、何だかぽそぽそする。豚挽き肉を使うべきだったか。 味噌が多かったのか、これ以上醤油を足したらしょっぱくなり過ぎると思ったので、たれ状ではなく硬いピーナツバターのようになってしまったが、味は悪くなかった。ワーイ♪ しかし胡麻80gは2人家族には多過ぎた。 まだ沢山余ってるよ……。 猫どのには何卒、分量までご指南頂きたいものである。
就寝時、布団の中で主人と話をしていた。 この週末は2日とも仕事で潰れたが、次の週末は買い物に行けるのかとか、その次の週末の連休は確実に休めるのかとか、そういう事だったと思うが、私が話している途中で彼は急にプイと向こうを向き、そのまま固まってしまった。 「……何よ一体、人の話の途中でそっぽ向くなんて、随分と失礼じゃないの」 と少々気分を害して咎めると、彼はこう言った。 「今、何か聞こえた」 「どこで?」 風呂場の水が滴り落ちる音だったら、水道の栓を確認して来なければならないと思ったが、そうではないらしい。 「耳元で」 と言うではないか。 嫌な予感がした。 えーとえーと、それはもしかして。
「確かに聞こえた。『きいてきいて』って、子供の声だった」
いやああああぁぁぁやめてえええええぇぇぇ 「前に聞いた時は、この近所には色々とうろうろしているけれど、家の中には居ないって言ったじゃないのっ。何で家の中に居るのよっ」 「そんな事言われても……」 実体が無いのだから、目張りをしたところでお構い無しに這入って来るのだろうが、ヤスデとは別次元の怖さである。 「このままじゃ怖くて眠れないから、お香焚いてよっ。伽羅でも沈香でも何でもいいから!」 と言って、ナントカというお香を焚いて貰った。 「私は信じるけれどさ、声が聞こえるなんて他の人に言ったら、キ印扱いされるわよ。そんな事が知れたら絶対に精神科の受診を勧められるから、私の実家には黙っててあげるわね」 すっかり目が覚めてしまったので、ぷりぷりしながらそう私が言うと、返す刀でこう来たもんだ。
「僕も、シオンがADHDだって事は黙っててあげるよ!」
くそう、そう来たかー! 「『知らなかったの、お姉ちゃんだけだって〜』ってドビーちゃん(妹)は言うだろうな。お義母さんは『シンタさん(仮名)ごめんなさいねえ』で、お義父さんは『うん、まあそうだな』って言いそう。どう? こんな感じでしょ?」 い、言いそう……!
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