就寝時、布団の中で主人と話をしていた。 この週末は2日とも仕事で潰れたが、次の週末は買い物に行けるのかとか、その次の週末の連休は確実に休めるのかとか、そういう事だったと思うが、私が話している途中で彼は急にプイと向こうを向き、そのまま固まってしまった。 「……何よ一体、人の話の途中でそっぽ向くなんて、随分と失礼じゃないの」 と少々気分を害して咎めると、彼はこう言った。 「今、何か聞こえた」 「どこで?」 風呂場の水が滴り落ちる音だったら、水道の栓を確認して来なければならないと思ったが、そうではないらしい。 「耳元で」 と言うではないか。 嫌な予感がした。 えーとえーと、それはもしかして。
「確かに聞こえた。『きいてきいて』って、子供の声だった」
いやああああぁぁぁやめてえええええぇぇぇ 「前に聞いた時は、この近所には色々とうろうろしているけれど、家の中には居ないって言ったじゃないのっ。何で家の中に居るのよっ」 「そんな事言われても……」 実体が無いのだから、目張りをしたところでお構い無しに這入って来るのだろうが、ヤスデとは別次元の怖さである。 「このままじゃ怖くて眠れないから、お香焚いてよっ。伽羅でも沈香でも何でもいいから!」 と言って、ナントカというお香を焚いて貰った。 「私は信じるけれどさ、声が聞こえるなんて他の人に言ったら、キ印扱いされるわよ。そんな事が知れたら絶対に精神科の受診を勧められるから、私の実家には黙っててあげるわね」 すっかり目が覚めてしまったので、ぷりぷりしながらそう私が言うと、返す刀でこう来たもんだ。
「僕も、シオンがADHDだって事は黙っててあげるよ!」
くそう、そう来たかー! 「『知らなかったの、お姉ちゃんだけだって〜』ってドビーちゃん(妹)は言うだろうな。お義母さんは『シンタさん(仮名)ごめんなさいねえ』で、お義父さんは『うん、まあそうだな』って言いそう。どう? こんな感じでしょ?」 い、言いそう……!
レディー・ガガのライブ・ドキュメンタリーを見た。 彼女の事はワイドショー程度にしか知らないし、特に好きと言う訳でもないのだが、取り敢えず録っておこうと思ったのだ。 4月の番組改編で10時からのクラシック倶楽部が消えてしまった今、BGM程度にはなるかなと。
彼女のライブは、兎に角パワフルだった。 このジャンルの音楽にはさっぱり疎い私でも、彼女が全く手を抜いていない事だけは判った。 本人曰く、金を払って来てくれている観客に失礼だから口パクはしていないし、これからもするつもりは無いと。 昔々付き合いでTRFのライブビデオを見た事があるが、息切れも音程の乱れも酷くて、口パクじゃないと所詮この程度なのかと興醒めした覚えがある。 それに比べて、ガガはあれだけ激しく踊っているにも拘らず、しっかり歌っているのだ。 本当だとしたら凄い事だ。 ライブは少し物語仕立てで、トークの合間にボルテージの上がったガガが屡(しばしば)絶叫するのだが、商売道具の喉を痛めやしないかと見ているこっちが心配になる。 でも痛めないらしい。喉が丈夫なのか、上手なシャウトの方法を心得ているのか。 彼女の曲は3つぐらいしか知らないが、そのうちの2つ「ポーカー・フェイス」と「ボーン・ディス・ウェイ」は何だか似ていると思った。 曲名は忘れたが、大人しめの曲では、物凄い違和感を覚えた。 何故だろうと思ったら、曲はドリカムなのに衣装が小林幸子だったからである。 主人にそう言うと、美川憲一じゃないのかと言う。 余り変わらない気もするが、流石に美川はスカート穿かんじゃろ。
BGMのつもりが、パフォーマンスに目が釘付けになって全部しっかり見てしまった訳だが、これだけ全力疾走してこの人は大丈夫なんだろうか。 どこかで疲れて精神に障りが出なければいいのだけれど。 彼女の過剰なゲイ擁護は私の信条と相容れないのでお友達にはなれないが、日本を大好きでいてくれるのは、日本人として有難いと思う。 これからも日本大好きでいてね。
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