時々お香を焚く。 昼間に居間で焚いてリラックスするのも良いなあと思っているのだが、食事する場所でもあるため、食べる時にお香の匂いがするのは嫌だと主人が言うので、大抵焚くのは寝室だ。 今日は風呂から上がったら、お香の匂いがした。主人が焚いてくれたらしい。 あっ、そう言えば。 一昨日私も焚いたんだっけ。 しかし今思い返すと、入浴前に焚いたのに、あの後お香の匂いを嗅いだ覚えが無い。
何故だ?
居間に入って、主人に訊いてみた。 「ねえ、お香焚いてくれたの? 私も一昨日焚いた筈なんだけれど、」 「今日焚いたお香がそれだよ」 ヤレヤレという口調で主人が言う。 「まーたちゃんと火を着けないでおいたんでしょ。端っこがちょこっと黒く焦げただけで、燃えてなかったよ。シオンってば、やってくれるよねー」 「違う! 違うよ! ちゃんと火が着いたの確認したもん! それからふって火を消して、大丈夫だなー匂いもするよなと見てからお風呂に入ったんだもん!」 と抗議したところで、事実火は消えていた訳だが。 「ハッ、まさか貴方、私がお風呂に入るのを見計らって、わざと消したんじゃ……」 「態々そんな事するかー!」 そうだよね、幾ら何でもそんな妻を陥れるような事はしないよなあ。 くそー、でも悔しい。
昨年、わうわうで放送されたのを観た。 漫画好きの父(遺伝なのか)が白土三平の忍者物を持っていたので、「忍者武芸帳 影丸伝」やら「サスケ」やら借りて、よく読んだものである。かなり古い本だが、まだ実家にある筈だ。 残念ながら「カムイ伝」と「カムイ外伝」は、全巻揃っていなかった。だから途中までしか読んでいない。 それでもカムイ大好き。超かっこいい。 なので、松山ケンイチが主役と聞いた時には、キャスト変更して!と思った。 だってイケメンじゃないんだもの。カムイ役なら当然もっとかっこいい俳優じゃなくちゃ! それに映画ポスターの絵、あれは「外伝」じゃなくて「カムイ伝」のタッチだよなあ。 原作は好きなので、観たいような、でも観たらがっかりするんだろうなあと思っていた。 実際観てみて、やっぱり一寸がっかりした。 でも、もっとがっかりすると思っていたので、これは別物の映画、エンターテイメントなのだと割り切れば、それはそれで良いのだろう。 頑張って作ったのだろうとは思うが、舞台が南の島過ぎた。 だってカムイって、寒くて痩せた土地を転々と逃げるイメージがあったのだ。 カムイに限らず、白土作品は全体的にそうだ。飢饉と背中合わせの北風の匂いはするが、暖かくて能天気な南風の匂いはしない。 一方、白土作品は全く知らない主人は、別の箇所で違和感を持ったらしい。 曰く、あの頃の日本には、弦で弾(ひ)くタイプの楽器は無かったんじゃ……撥で弾(はじ)く物しかなかったのではないだろうか、と。如何にも楽器オタクらしい感想である。 そんな全景的違和感はあったが、松山ケンイチは思ったほど悪くなかった。 本物のカムイのかっこ良さにはまだ遠いけれどね。 小雪の演じたスガル、私が読んだ白土作品では、数人の追い忍にやられて沼で死んだ筈。 日本脳炎を惹き起こす日本住血吸虫の恐怖を、子供の頃の私は「忍法秘話」で知ったのだった。 あの話で、田螺や蝸牛は怖い物であり触らない方が良いと学んだ。 それはさておき、「カムイ外伝」のスガルは「忍法秘話」とは別人らしい。というか、スター方式って奴なのか。 スガルの娘がカムイに恋をして、という話は、外伝の原作にもあるらしい。 結局、映画を観て、また原作を読みたくなった。
さて、その松山ケンイチと小雪が結婚したとか。 交際報道はどうせ映画の宣伝なんだろと思っていたので、本当に結婚したと聞いて、かなり驚いた。 一般的に、女の方が男より早く年を取るものである。 年上女房のパターンは近年多いらしいが、いずれ男がババアになった妻を捨てて若い女に走るのでは、と私は心配してしまう。 劇中では、小雪はカムイに恋する娘の母親だったが、実年齢は8歳違うのだとか。 SK−�競團謄蕕領呂魄覆討靴討癲△海虜△両�雪のお肌はハイビジョン画面では老化を隠し切れなくなっている。 それでも松ケンが押して押して押し捲ったとか。凄いな。 それだけの価値が小雪にはあるのだろう。 記者会見をちらっと見たが、松山ケンイチの朴訥さと誠実さが出ていて、高感度が上がった。 同時に、芸能レポーターとの噛み合わない質疑応答が笑えた。 「どんな指輪を贈ったんですか?」 「綺麗な指輪です」 恐らくレポーターは、どのブランドの指輪なのか、何の宝石が何カラットなのかを訊きたかったのだろう。 それを真顔で躱してしまう松ケンには恐れ入った。 「何か約束はしましたか、浮気はしないとか……」 「えっ、それは約束以前の問題でしょ、当たり前の事じゃないですか」 本当に、芸能レポーターって屑だなと思った。
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