妹の職場に泥棒が入ったらしい。
その時妹は残業中だったが、いつもいる筈のその部屋にはおらず、別の部屋にいたらしい。 その話を聞いて、私が言った台詞は次の通りだった。 「どうしてそこにいなかったの。アンタがいれば抑止力になって、何も盗られずに済んだかも知れないのに。あわよくば、泥棒を捕まえる事だって出来たかも知れないじゃん!」 それを聞いて、ごにょごにょ言う妹。 「えっ……でも職場の人達は皆、『泥棒と鉢合わせしなくて良かったね。襲われて怪我でもしてたら大変だったよ』って言ってくれたよ」 ハッ。 そうか、普通はそっちを心配するのか。 「良かったね、皆優しくて」 「ウン」
主人に訊いてみた。 「斯々然々で、私って、もしかして人でなし?」 「まあそうかな。でもその話はあまり外でしない方がいいよ。普通の人はドン引きするだろうから」 そうか、世間ではドン引きされるほどの事なのか。 主人がむっつり押し黙ってしまったので、また訊いてみた。 「ね、怒ったの?」 「ううん」 「もしかして、今ので私の事嫌いになった?」 「ううん、シオンがそういう人だって事は、もう判っているから大丈夫」 そうか、ならいいや。 じゃあ私の事は人でなしって呼んでもいいよ。略してヒトデで。
木の芽時はとうに過ぎたが、そんな話を。
知り合いの近所に、不審者が出たらしい。 というか、近所の住人が不審者。 それも夕方ではなく、朝。 普通は下校時間を狙う事例が多いと思うが、その変態は中高生の登校時間帯を狙って、空き地で待ち構えていた。 肌色のパンツ一丁で。 身に着けているとは言え肌色なので、ぱっと見は素っ裸。 通報で駆けつけた警官は、 「また貴方ですか。いい加減にして下さい」 とうんざりした顔で言ったらしい。常連さんなのかよ! そして変態の主張は以下の通り。 「自分の土地で日光浴しても何が悪い!」 ……その空き地は、確かにその変態の所有であった。 他人の土地だったら不法侵入で逮捕できるものの、正真正銘本人の土地なので、被害生徒がトラウマになったと言って民事訴訟を起こすのなら兎も角、こういう時の警察は無力である。 結局、注意だけで終わったそうで、その後も同じ事が繰り返されるだけなのだろう。 学校側としても、「件の土地に面した道を、通学路から外す」という非常に消極的な手段を取るしか無かったと言う。
その話を聞いて、私が思ったのは、 「すげーな変態、そんな事のために早起きするとは、やるじゃん」 であった。 早起き嫌いな私には、到底無理である。 「でもさ、見せたくて見せてんでしょ。そうだ、見物に行こうよ! カメラ持って行くから連れて行ってくれ」 と言ったら断られたが。ちぇっ。 しかしイマドキの子供なら、動画機能付きの携帯電話ぐらい持っているだろうに、何やってんだか。 ムービー録って、動画サイトに投稿したらいいのに! 逆切れして変態が殴りかかって来たら、それこそ傷害で逮捕出来るじゃん★
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