天上天下唯我独尊

2010年06月01日(火) 帝の脈

我が家は基本米食だが、時々パンも食べたくなる。
食パンは余り買わない。余るからだ。
最初から味の付いた惣菜パンがいい。
甘くないのが望ましい。

そう言えば、近所にパン屋ってあるのか?
儲かっているかは兎も角、歯医者も写真屋も沢山あるのに、パン屋だけは見掛けない。
徒歩圏内じゃなくてもいいから、遠くない所にあるといいのだが。
そう話していたら、主人が職場で情報を仕入れて来てくれた。
どうやら、駅の向こうに人気のパン屋があるらしい。
歩いて行ける場所なので、散歩がてら行ってみようという事になった。

駅の反対側は、うちの周辺よりも閑散としていた。
目的のパン屋は開いていた。
夕方だったので、商品は殆ど売り切れていたが、残っていた惣菜パンを幾つか買った。
気になったのは、売られていたキャラクター・パン。
「著作権的に、あれは大丈夫なんだろうか」
帰り道、主人にそう訊いてみた。
「大丈夫だから売ってるんじゃないの?」
「いやいや、こないだ道の駅で見掛けたあみぐるミッフィーもそうだったけれど、田舎の年寄りって、知的所有権の概念が無いのよ。これじゃ中国人の事、馬鹿に出来ないわ」
と私が嘆くと、主人は馬鹿にしたように言った。
「へえ〜、シオンが知的なものに興味を示すとはねえ」
「む。これでも一応、学校で習ったんだけれど、私」
「そうか、そう言えばシオンは名門の出だったんだよね。名門中の名門、難関と言われる……」
「ヤメテ。聞いていて恥ずかしくなるから止めて」
と私が頼んでも、尚続ける。
「いやいやご謙遜を。私など身分が違い過ぎて、直に御手を取る事も出来ずに、紐を使わないと脈も取れませんから」
身分違いと言えば、イエス様の靴紐の話かと思ったら、そうではなかった。
何の事かと訊いてみたら、昔は医者と言えど帝の体に手を触れる事は叶わず、帝の腕に巻き付けた紐を通して脈を取ったのだと言う。
「へえ〜知らなかった。触っちゃ駄目なんて、インドのカーストみたいだね。直に触れなくてもわかるものなの? 脈って」
「さあどうだろ。無理なんじゃないのー?」
なるほど道理で昔の帝は早死にだった訳だ、という事で話が落ち着いた。

因みに、私の母校は別に名門でも何でもない。
昔、偶然見た番組で、とある私立高校の合格垂れ幕に「何の誰某、難関○○大学××学部合格」とでかでかと書いてあり、何故難関?と主人と大笑いしたのだった。
それ以来、主人がネタとして「名門」と言っているだけである……。



2010年05月31日(月) 時間の無駄

アマゾンから荷物が届いた。
またCD買ったのか……。
今回の引越しでかなり処分したのに、再びコレクションを増やす気かと思ったら、音楽CDではないらしい。
じゃあ何?と訊いたら、主人は箱を抱えて
「えへへへ」
と笑っていた。

中身はゲームのソフト……またやるんですか。
ドラゴンクエストだか、ファイナルファンタジーだかのロール・プレイングものなんて、パズルやシューティングが好きな私には、さっぱりわからない。
TVゲームが始まると、TVを見られなくなるから嫌なのよねー。
セーブしなきゃいけないとかで、止めて欲しい時に止めてくれないのも、本当に迷惑。
どんなに人気のゲームでも、私を苛付かせる時点でクソゲーだ。
そんな私を尻目に、いそいそとゲーム機の電源を入れる主人。
「キャラの名前、何にしようかな。シオンがつけてもいいよ」
と言うので、主人からコントローラーを取り上げた。
「よーし、じゃあね。これでどうだ」





「何故うんち……これは酷い」
「だってこないだ、私のおでこに『うんち』って書いたでしょ。お返しだ!」
「それは寧ろ仕返し……まあ決定ボタン押してないからいいけど」
「うんちが駄目なら、これはどうだ」
と再びコントローラーを手にする私。






ふふん。
「……まあいいか、『じいさま』と書かれるよりは。じゃあシオンはお供ね。『バーサン』って名前にしてあげる」
「嫌だ。断る」
私がバーサンだったら、あんたはヒージーサンだ!


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