往きは高速だったので、復路は主人に譲って下道を行く事にした。 なので、午前中に実家を後にして、峠の蕎麦屋でお昼にした。 割と美味しい。これは当たりだった。 昔この辺に美味しいお団子やさんがあった筈……という主人の記憶を頼りに寄り道をして、お団子を買ったり、道の駅でソフト・クリームを食べたり、時間をかけて帰宅した。 私だったら、過去の自分と最短時間を競うように、とっとと高速で帰るのだが、主人はこういうのが楽しくて、好きらしい。 いいよいいよ、今日は私が譲歩したのだから、急ぐ用もないし。
主人は道の駅に寄ると、必ずソフトを食べたがるのだ。子供か。 「ソフト幾つ買う?」 これは、私の分も買ってくれるというのではなく、主人がまるまる1つ独り占めしたいという意味である。 しかし私は、道の駅に寄る度、ソフトを1つずつ食べてはいられない。お腹が痛くなってしまう。 なので返事は決まっている。 「1つでいいよ。2人で半分こしようね」 主人は不満げだ。 「シオンが1人で1つ食べられなかったら、その分食べてあげるのに」 うん、でもそうすると、貴方は1つ以上食べる事になるでしょ、そんなに食べるとぽんぽ痛くなるから半分こにしましょうね、と言って聞かせて、主人も渋々従うのであった。
お金も時間もかかるが、高速だともっとお金はかかるのか。 そして連休なので、この日は上りも下りも渋滞していたらしい。 下道で正解だった訳だ。
里帰りして、妹と買い物に行った。
妹の仕事は忙しい。 休みが少なく、夜の夜中まで仕事をする事も珍しくない。 今回も普通なら連休だというのに、 「1日と2日、連続で休みを取れたよ!」 と。 連休じゃなくても普通に土日は休みなんじゃ……お前、騙されてるだろ。
その代わり、沢山稼いでいるようで、一緒に行ったお店では、あれもこれもと沢山の服をお買い上げ。 単価の高いお店なのに、十何万も買うなんて、何と言うお大尽。 数年前までは、洋裁が趣味の私の失敗作を喜んで着ていた貧乏学生だったのに……。 一方私は、厳選の上に厳選を重ねて、2着だけ買った。 一寸いいかなーと思っても、 「これだったら、あの型紙をアレンジして、作れない事も無いな」 と考えて、自分では到底作れそうに無い物を買う……つもりだったが、1着は可愛くてどうしても欲しかったので買ってしまった。 自分では作れそうに無いカーディガンは、とても目の細かい薄手の素材。 妹は、お姉ちゃんよく似合う〜と言いつつも、 「でもお姉ちゃん、すぐにその辺に引っ掛けて、ムキー!て言いそうだよね。なんか、その情景が見えた」 としっかり落とすのも忘れない。 うん、それはお姉ちゃんも危惧しているよ……気を付けて着ないとな。
戦利品を抱えてホクホクしながら、帰りにスーパーに寄った。 頼まれた買い物をしていると、妹が 「お姉ちゃん、見て。あそこに凄い人がいるよ……!」 と小声で言って来た。 凄い人って何だ?と思って、妹の視線の先を探すと、そこには何と、
頭にカーラーを巻いたままの おばちゃんが!
勿論(?)、エプロン姿だ。 「い、いつの時代の人よ……随分、昭和テイストだな」 「リアルサザエさんって感じだね……まさか本当にいるとは」 2人とも、この地に永く住んでいたが、こんな人を見たのは初めてだったため、とても吃驚してしまったのであった。 帰宅して、 「ねーねー、そこのスーパーでね……」 と親に報告したのは言うまでもない。 昼寝したまま取り忘れたという感じでもなかったのだが、一体あの人はどうしてあのまま出かけてしまったのだろう。
|