まだ新しい住まいに慣れないためか、最近結構な頻度で頭をぶつける。 しゃがんで探し物をしてから立ち上がったら、対面キッチンのカウンター下面に勢い良くゴッチンとか、ごみ箱のごみを纏めてさて捨てるぞと顔を上げたら、人工大理石の壁にゴッチンとか。 そんなものだから、主人に心配されてしまった。 「シオン、大丈夫?」 「痛いけれど、大丈夫だと思う」 「ううん、そうじゃなくて。そんなにぶつけるって事は、物の位置を認識出来ていないという事でしょ。とうとう来たんじゃないかと思って」 ……痴呆が始まったという事ですか。 主人の顔を見たら、表情が真剣だった。 本気でそっちを心配しているのか! 「大丈夫! 昨日の夕食もちゃんと覚えているし、曜日だってわかるよ!」 と力説しておいたが、聞いているのかいないのか。 「まあ、シオンに何かあったら、ちゃんと最後まで面倒看てあげるよ」 気持ちは有り難く頂いておきますよ……。
手に余る外来種ペットをその辺に捨ててしまうような無責任飼い主みたいな亭主じゃなくて良かった。 でも、手に余るようだったら、無理しないで施設に入れてね……。
引越しの片付けをしていたら、結婚式の時に貰った電報が出て来た。 キティちゃん電報とかプーさん電報とか、幾つか可愛い縫い包みを貰ったのだけれど、新居に遊びに来たちびっこ達に全部やってしまったのだよな。 なので、電報の紙しか残っていない。 1つぐらい取って置いても良かったかな、縫い包み……と今更思うが、あまり執着は無いからまあいいや。 縫い包みも、子供のいる家庭の方が、居心地良かろう。
電報の中に、披露宴に出席出来なかった親友からの物があった。 その日はどうしても外せない仕事があって、駄目だったのよねー。 まあ、私が繁忙期に式を挙げてしまったからなのだけれど。 その彼女も近々、結婚するという。 良かったわあ〜という気持ちと共に、一抹の寂しさも。 やはり、家庭を持ってしまうと、独身貴族のように好き勝手に遊びに行けなくなるものだ。
で、いきなり姑と同居なんだって! うわあ、私だったら無理……でも、結婚を目前にした状態なら何でも受け入れちゃうかも。 私の場合は、主人の両親(大らか)が「アレルギーがあるならペットも処分するし、昼まで寝ててもいいから、シオンさんも一緒に住んだらいいのに」と言っていたのを、主人が「絶対に嫌!」と実家を出て、最初から別居にしてくれたのだった。 そうだ、私も最初は「同居でもいいよ?」ぐらいの軽い気持ちだったのだ。 今考えると無理。絶対。 主人の判断は正しかったわー。
彼女の場合、高齢母子家庭に彼女が入るため、広めのお家をこの機会に買って貰うらしい。 でも探して決定するのは、向こうの仕事だそうで、彼女は余り口を挟まないのだとか。 まあ、お金を出すのは向こうだし、地元に暮らしている人の方が色々と土地の事情もわかるだろうしね。 でも、新婚家庭なのにお家の中を好きなように出来ないのって、新婦としては不満が残るのではないだろうか。 お家を買ってから彼女が向こうに引っ越すのだが、物件を探している段階で、何と姑さんが怪我で入院。 まさか、介護要員として期待されている訳じゃあるまいな、と親友の行く先が一寸不安になったので、一応助言しておいた。 介護の義務は実子にのみあり、嫁には無いのよ〜と。 入院に伴い、彼女の引越し&結婚も延期になりそうな気配に、彼女のお母さんまで 「アンタ、早まったんじゃないの?」 と言う始末(笑)。 その話を主人にすると、 「シオンのお母さんにも思われているかもな。早まったんじゃないのって……」 そんな事ないよう。 こんないい亭主、なかなかいないって!
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