私にとって実家は、居心地良いんだか悪いんだか。 色々と必要があって今回は里帰りしたが、自分の家の方が楽だなあ。
滞在2日目、今日は、一足先に里帰りをしていた幼馴染が遊びに来た。 子供を置いて来るから外で会おうかという話もあったのだが、外に出れば喫茶店などお金がかかる。 面倒だし家においでよ、という事になったのだが、
外にしときゃ良かった。
母親が会話に加わりたがって煩わしい。 2階にでも行ってくれよ、2人で話をしたいんだよ、察しろよ。 ウザイからどっか行ってくれ、と喉元まで出掛かった。 友人が席を外していれば、言っただろうな。 ウザイという言葉は嫌いだが、こういう時には遣ってしまう。 母は母でウザイし、父もウザイ。 ちゃんと躾けてくれたし、教育も受けさせてくれたし、可愛がってくれたのには感謝するが、自分の育った家庭が嫌になる。 結婚してからは、特にそう思う。 いや、勿論うちの子で良かったとは思うのだが、親の粗が見えるとほとほと嫌になる。
親はさておき、友人との時間は楽しかった。 自分が覚えてもいないような事を、「こんな事があったよね」と持ち出されるのは困るが、主人との会話とは全く違う楽しさがある。 特に彼女とは共通の趣味があるし、好きな本のジャンルも被っているので、色々と面白い。 但し彼女は友人が多く、共通の友人もいるので、彼女としては皆でわいわい話をしたいという思いがあるようだが、私としてはそれは勘弁願いたい。 友人と言っても中学や高校の頃の話だし、今では全く没交渉、知り合い程度の仲である。 彼女等の現在には私は全く興味が無いし、特に話をする必要性も感じない。 勿論、嫌いではないのだ。但し大好きでもない。 今度皆で会いたいね、という彼女の言葉には、まあ機会があったらね、と濁しておいた。
主人が今週末まで出張なので、それに合わせて私も里帰りする事にした。 実は、直前まで迷っていた。何故なら、現住所よりも実家の方が南に位置しているからである。 暑い夏が苦手なので、この時期には、なるべく南下したくないのだ。 しかし昨夜の天気予報で、6日の予想最高気温が34度と言うではないか。 32度でもしんどかったのに、34度て。死ぬ。 同じ気温なら、飯の心配をせずに済む実家の方が過ごし易い。 はじめは主人と一緒に、朝に家を出るつもりだったが、4日も家を空けるとなると、やっておかねばならない事が色々ある。 主人を駅まで送り、家に戻って支度を済ませ、今度は自分がお昼頃タクシーで駅まで行ったが、それで良かったのかも知れない。 主人を送っていく時に、忘れ物をした時の胸騒ぎがしたので、確認してみたのだ。 「忘れ物は無い? ハンカチ、鼻紙、時計、携帯電話」 「あっ、携帯忘れた!」 ……言ってみて良かったよ。 携帯嫌いの主人だが、今回の出張は携帯電話が無いとどうにも困るというので、すぐに家に取って返し、何とか電車に間に合った。 これが一緒に出かけたタクシーの中で気付いたのだったら、引き返した分料金もかかるし、夫婦喧嘩に発展した場合は非常にみっともない。 それに、朝洗って干したシーツとタオルケットも、お昼までには完全に乾いていたのも嬉しい。 掃除も済ませたし、これで、汚い部屋に帰って来て萎える事も無い。
実家は、思ったよりもずっと涼しかった。 庭に木があるからだと母は言うが、それは嘘だ。 2、3年前の夏は、こんなものではなかった。夜中中暑かった。 今年は涼しいのだろうか。夜になると風が冷たくなり、朝方は寒いぐらいだ。 今回の滞在中は何故か、夜明け頃に目が覚めるので、近所を少し散歩してみたのだが、寒くて長袖を着ていた。 朝早い分、夜はすぐに眠くなり、主人の電話を待っていられずに、おやすみメールを送るだけの日もあった。 飯は美味いし、早寝早起きで、健康的な生活を送る事が出来た。 しかし、この家に鼻炎はつきもの。 完全な健康体という訳には行かないのが、残念だ。
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