天上天下唯我独尊

2008年07月25日(金) 招かれざるもの

7月に入ってから30度を超えた日は、まだ数えるほどだ。
勿論そんな日は暑くて死にそうだったが、それでも連日真夏日の東京なんかに比べたら、北国に住んでいる私は勝ち組!だと思う。
しかし、30度を超えなくても暑い。
梅雨は一応明けたらしいが、恐ろしく蒸し蒸しする。
大嫌いだ。
感じる暑さというのは、温度より湿度なのか?
もっとからりとした気候の所に暮らしたい。
日本に住んでいる私は負け組なのか。

じめじめした天気の中、殆ど効果は無いが、ずっと窓を開けていた。
そのうち雨が降って来たが、窓から入って来ないような風向きだったので、寝る時までそのまま開けっ放しにしておいた。
夜明け頃トイレに起きた時(朝まで熟睡出来ない身体になってしまった…)、暑かったので窓を開け、数分後に閉めてまた寝た。
朝起きて主人を送り出し、とっても眠かったので2度寝した。
9時過ぎに起き、布団を上げようとシーツを捲ったら

ヤスデが!!

いやあああああああ

何故だ、何故シーツの下なんかに。
いつ入って来た?
今朝なのか、それとも昨日のうちに入って来て、夜のうちにシーツの下に潜り込んだのか。
潰さなくて良かった……! 汁が付いたら、後片付けが大変だからな。
すぐに窓から外にポイしたが、こいつ1匹だけ?
部屋の隅には、本来の仕舞い場所から溢れて行き場を無くした私の趣味の道具が積み上げられている。
これを一つ一つ点検する根性は無い。
もういない事を祈ろう……。

数年前にも、ヤスデ闖入事件はあった。
雨の日だった。同じ部屋に、開けていた窓から入ったのだ。
それ以来、雨が降ったら必ず窓を閉める事にしていたのだが、昨年窓の外の植え込みが撤去されて、すっかり安心してしまっていたのだ。
窓の下に植物があっても無くても、入って来る物なのか、ヤスデは。
ああ嫌だ、高層マンションの上階にでも住みたい、と私がぼやいていると、主人が言った。
「職場で、マンションに住んでいる人がいるんだけれどさ、昨日の地震でエレベーターが止まっちゃったんだって。でも仕事があるから、昨日は階段降りて出勤してたよ、15階から」
「そ、それは気の毒に……」
「昨日帰る時も、まだエレベーターが動かなかったら15階まで階段を上らなきゃならないかと思うと、家に帰りたくないってぼやいてたよ」
と、主人はマンションに住むなら下の方の階がいいと、さりげなく主張するのだった。
元々主人は地面に近い所が好きなのだ。5階以上だと、気圧が変わって嫌なんだと。そこまで繊細ではない私には、違いが判らないが。
エレベーターの件が無くても、私は上の方がいいんだけれどね。高い所には虫がいないし、ヤスデもそこまで這っては来ないだろう。



2008年07月24日(木) 真夜中の地震

その時、私は布団の中にいた。
主人が隣りで本を読んでいて、私は灯りが眩しくて眠れないから早く消してくれと言っていた。
普通、地震が来る前には、何らかの気配がする。
地鳴りだったり、空気が揺れたり、他の事に特に気を取られていなければ、大体わかる。
しかし今回は、殆どいきなり揺れた。
そんな事は無い、直前に地震だと言ったと主人は主張するが、そんなのは無意味である。緊急地震速報だって、これでは役に立つまい。
結構揺れてるねえ、と最初は余裕だったのに、揺れは次第に強くなる。
台所で何かが落ちる音がして、恐怖を覚えた。
戸棚の中には、来客用の薄い湯呑み茶碗が積み上げてある。危険だと思ったが、場所を塞ぐので5個全部積み上げてしまったのだ。
あれが倒れたら、横の硝子コップや珈琲カップにも被害が及ぶだろう。
我が家には高級食器は殆ど無く、ブランド物は全て貰い物、足りない食器はどうせ普段使いだからと100均で揃えた。
それでも、勿体無くて使っていなかった食器が使わないまま砕けたら、それはそれで凹む。
食器棚の扉には、硝子が張ってある。あれが割れたら、硝子屋さんで直して貰えるのだろうか。
破壊音を聞きながら、そんな事を考えた。
「大きいな」
自然現象大好きで地震も平気な主人が、漸く起き上がった。
私は自分の人生で過去最大級の地震に、もう泣きそう。
「怖いよう怖いよう」
「大丈夫、大丈夫だよ。ほら、家具が1番少ないんだから、この部屋が1番安全なんだよ」
と主人が宥めるも、そんな事を言われたら、益々泣きそうになる。コドモか。
漸く揺れが収まった。一体どれぐらい揺れていたのだろう。兎に角永く感じられた。
「うっ、うえ、うええええ」
と泣きそうになっていると、主人に「ウルサイ。窓、開いてるよ」と言われた。
そうだ、TV見る!といきなり元気になって居間に行き、TVをつける私。地震速報で震度を確認するのが好きなんだよね……。
NHKは既に、スタジオからの放送に切り替わっていた。
震度5。やはり過去最大@我が人生。

我が家の被害は、思ったよりずっと少なかった。
食器棚の中で湯飲みが倒れ、冷蔵庫とTVの上の物が落ち、魔窟(居間の洋風押入れ)の中で小規模雪崩が起こったぐらいで済んだ。
湯呑み茶碗は倒れていたが、割れてはおらず、他の食器も無事だった。
TVの上の小さな置物は、目の縁がちょこっと欠けてしまい、変な顔になった。片目はポニョみたいにまん丸なのに、もう片目がまりもっこり……ウィンクにもなりゃしない。

暫くNHKを見てから民放に切り替えると、そちらもスタジオからで、見覚えのあるアナウンサーが地震の報告をしていた。
スタジオに向かう途中で心配そうに外に出て来る住民がいた、という事は、呼び出されたのか……ご苦労様。
でもこういう時、男性はいいよね。顔を洗うぐらいで、お化粧しなくていいんだもの。
そう言えば、男性アナウンサーの顔、一寸テカっている……? ちゃんと顔を洗ったのかしら。
他の民放では、アナウンサーの顔が、何だか斑だった。もしかして、アルコール飲んで寝ていた所を起こされたのかなあ。気の毒……。

地震で興奮してしまったが、警戒していた余震も無いし、明日の仕事もあるので、いつまでも起きている訳には行かない。
「僕の実家の被害も気になるけれど、今電話する訳には行かないからな。明日にしよう」
「あら貴方、こないだの地震の時、私には、すぐに電話して来たのに〜」
「だって、シオンが家に1人で泣いているかと思って」
……それは、私を心配してくれたって事だと思っていいのかな。


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