天上天下唯我独尊

2008年06月24日(火) 主語

朝から、風がびゅうびゅう吹いていた。
玄関先で見送りの際に、
「この分だと、雨が降りそうよ。傘、持って行ったら?」
と主人に言うと、彼はこう言った。
「要らない。凄い風だから、飛ばされちゃうよ」
それを聞いて、私は思わず噴き出した。
「プッ。飛ばされるわけ無いじゃない〜そんなに重たいのに」
複雑な表情の主人が、何も言わずにドアを閉めた瞬間、私はハッとした。
私は「飛ばされる」の主語を「主人」だとばかり思っていたが、彼が言ったのは「傘」の事だったのか!

一応、すぐに謝罪メールを送ったが、帰宅した彼には
「朝から喧嘩売ってんのかと思ったよ☆」
と言われた……。



2008年06月14日(土) 岩手・宮城内陸地震

土曜日だったが主人は既に出勤し、私は「パズル」の録画を観ていた。
前日21時は主人と2人で「インディ・ジョーンズ」を観たので、「パズル」はビデオに撮っておいたのだ。
主人は、このドラマがさほど好きではないらしい。私は好きなのに。
2匹目の泥鰌を狙っているのは明らかなのに、「トリック」ほど面白くないという事で、低目の評価を付けている人が多いらしいが、所々に鏤められた笑いの仕掛けが私には堪らない。

ニヤニヤしながら観ていると、突然揺れた。
いつもならすぐに収まるのに、今日に限って永い。
これは、大きい。自分史上最大の揺れだ。
慌ててビデオを止め、次にどうするかを考えた。
住まいの建物は古くはないが、上が落ちて来たらひとたまりも無い。
財布と通帳を持って外に出るか?
いやしかし、顔は洗ったものの、化粧は愚か、日焼け止めすら塗っていない。潰されるのも嫌だが、紫外線も怖い。
そこで私が取った行動とは、

家の中を静かに歩き回り、只管
「鎮まれ〜鎮まれ〜」
と念じたのであった。

その甲斐あってか揺れは収まり、食器棚が倒れる事も無く、棚の上の物が落ちたぐらいで済んだ。
それも、私の置き方が悪かったため。その辺の物をごちゃごちゃと積み上げていたので、すぐにバランスを崩したのである。
地震が収まった時、私の祈りは聞き入れられたと思った。
今後、これ以上大きな余震が来る事は無いだろうと、何故か確信したのであった。
後で主人にこの話をしたところ、何だかとっても脱力されたのだが。

揺れが収まってすぐにTVをつけると、地震速報をやっていた。
緊急地震警報も出たらしい。TVではなくビデオを観ていた私には、全く役に立たなかった訳だが。
仕事に出かけた主人から電話があり、続けて実家から電話があった。
気持ちは有難いが、地震直後に安否確認の電話なんて入れちゃ駄目だろうが!
因みに主人によると、私の携帯にかけても全然繋がらず、家の固定電話に掛け直したという。
どっちにしろ、在宅中は私の携帯は鞄の中に放置したままなので、最初から固定電話でも良かった訳だが。

岩手と宮城の県境の辺りでは、死人も出たらしい。
でも、家から飛び出してトラックに轢かれた人まで、地震での死者にカウントしちゃっていいものだろうか……遺族も恥ずかしかろうに。
寧ろ、トラックの運転手さんの方が気の毒。


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