| 2008年03月15日(土) |
N響in東北 その2 |
で、肝心の演奏。 指揮は外山雄三。 この人のトークは面白くて好きだが、今回は当然、トーク無しである。一寸残念。 主人によると、フォルテシモ等、力を入れる所で、指揮者が時々唸っていたらしい。私には全然聞こえなかったが……。 1曲目は、幻想序曲「ロメオとジュリエット」。 ジジババが煩くて集中出来ず。 2曲目は、ロココ風の主題による変奏曲 作品33。 チェロは、ウェン=シン・ヤンという人。知らん。(私が知っているチェロ弾きと言えば、ヨーヨー・マとミーシャ・マイスキーとゴーシュぐらいか。その程度の知識しか無い) プログラムによれば、スイス生まれの台湾人で、24歳でバイエルン放送交響楽団の首席チェロ奏者になったという輝かしい経歴の人らしいが、本当なのか?(いや、まさかそんな経歴詐称なんてしないだろうけれど。サッチーじゃあるまいし) でも、疑いたくなるほど酷かった。 確かに、パフォーマンスは凄い。如何にも「俺、弾いてるぜ!」みたいな。 それなのに、音が……音程が酷い。合っていないのだ。 違う! そこはもう一寸高く!と、心の中で突っ込みまくりで、疲れた。 主人も同じだったらしく、演奏が終わった途端、拍手もせず、2人で顔を見合わせてしまった(笑)。 その日偶々調子が悪かっただけで、本当は凄い人なんだろうか。ううむ。
休憩を挟んで3曲目は、交響曲第6番ロ短調作品74「悲愴」。 第1、第2と来て、第3楽章。 「悲愴」の中でも、ここが1番好き。わくわくする。「ニルスの不思議な旅」だ。 それなのに、ここで前述のナイロン袋ババアが(涙)。 目当ての物を取り出した後で、ナイロン袋をワシャワシャと戻すなよ……もういっその事、頭からその袋被って死んでくれとすら思った。 私が1番楽しみにしていたのにババアに邪魔された第3楽章が終わった時、疎らな拍手が。ここ重要。
(「悲愴」は4つの楽章で構成されている。クラシックでは、全楽章ひっくるめて1曲という扱いで、1曲終わるまで拍手は入れない。交響曲に限らず、ピアノ・ソナタなんかでも同じで、1楽章や2楽章がドカーンと終わったら拍手をしたくなる気持ちはやまやまだが、そこは我慢の子である。一応マナーなので。だから知らない曲でも、予め何楽章で構成されているのかプログラムでチェックして、楽章を数えながら聴くという手もある。しんどいし、数え間違ったら目も当てられないけれど)
お祭り騒ぎのような第3楽章が華々しく終わる→ブラボーの拍手 とならないといいなあ……と危惧していたので、おおっと思った。 パラパラと拍手を入れたのは、ほんの4、5人程度ではないだろうか。正確に数えてはいないけれど。 演奏会の後で、主人はこう言っていた。 「正直、あそこで『ブラボー!』ぐらいは覚悟していた(笑)。あの程度で済んで、本当に良かったよ〜」 後で聞いた話だが、同じ東北公演でも、某都市では結構な拍手があったらしい。こことどっこいどっこいの田舎なので、それで都会度が計れるとは思わないが。 因みに今回の会場ではないが、某田舎のホールは、名の通ったオーケストラを呼んで杮落としを行ったところ、第1楽章が終わった所で割れんばかりの拍手が巻き起こり、吃驚した指揮者が思わず客席を振り返ってお辞儀をしてしまったという伝説がある。
生の迫力も捨てがたいが、N響アワーで聴くのが1番いいのか?タダだし。 でもやっぱり、マナーがいい客層のホールで聴きたいなあ……。
| 2008年03月14日(金) |
N響in東北 その1 |
N響公演を聴いて来た。 オール・チャイコフスキー・プログラムである。 チャイコなら大好きだ。幾らN響でも、マーラーだったら絶対行かないけど(笑)。 東京は遠いので、我々のような田舎者にとって、地方公演は有難い。 しかし、田舎だからと侮るなかれ。 NHKホールよりも、音響は断然良い。 田舎のハコモノは、案外、と言うより、無駄に立派なのである。 なんたって、貴重な税金を公共事業にバカスカ投資していたからな。 大阪の橋元知事はそれを全て否定するだろうが、全くの無駄ではない物もあるのだ。
とは言え、所詮田舎である。 ホールが良くても、客層が……。 着席すると、まず、年齢層が高いのに驚いた。 普通のクラシック・コンサートで、ここまでジジババ率が高い事も珍しい。 入場券の値段にもよるが、お稽古事で音楽を習っている子供や、吹奏楽部の生徒や多かったりするのだ。 ああ、そうか、NHKがあれほど夕方の地方番組で宣伝していたから、家で暇そうにしている老人が、冥土の土産に聴きに来たのだろうな、と私は推測した。 しかも、入場券は、かなり早い段階で売り切れたらしい。 我々夫婦が買いに行った時は残席僅かで、知人の何人かは買えなかったそうである。
勿論、音楽に年齢は関係無い。 でも、嫌な予感がした。 上品な老人ならいいのだが、田舎なので、明らかに上品な雰囲気がしない人が多い。 老人→体力的に不安→風邪→咳、くしゃみ という連想が容易に出来る。 案の定、演奏が始まると、所々で咳払いが聞こえた。 しかも何故ピアニッシモのところで……? 嫌がらせか? 特に、2列前のジジイ。何故わざわざでかい声で咳払いをするのだ? 咳と咳払いは違う。咳は自然に出てしまうが、咳払いは出すもの。自動詞と他動詞の違いだ。 つまり、咳払いというのは、したくなったとしても、我慢出来る筈のものである。 迷惑なのはジジイだけではない。 後ろで「ジジィ〜……」という音がした。でもババアの仕業である。 演奏中にハンドバッグのチャック開けんな!ボケが!! 本人は一応周囲に気を遣っているらしく、そーっとゆっくり開けている様だが、その音は確実に聞こえるのだ。 やっと音が止まってホッとしたら、また「ジジィ〜」……。 閉めんなボケが!! 開けっ放しにしとけ! そして今度は、咳払いジジイと同じく2列前のババアが、これまたハンドバッグを弄り始めた。 しかもナイロン袋が入っているらしく、ワシャワシャという音が……もう勘弁してくれ(涙)。 ほんとにね、あれはね、演奏の邪魔。 どうして隣りの人が注意してくれないかな……頼むよ。 前の席のババアには注意したけどね。演奏中にプログラムをガサゴソさせるから、超低音で「煩い」と一言。
でも、そういう私も、全く無音では過ごせなかったのだった。 休憩時間に主人に言われた。 「シオン、お腹鳴ってたよね。キュルキュルキュル……って☆」 ごめんね! だってお腹の調子が悪かったんだよう。 お昼頃にお腹下したから、演奏会のチケットは誰かお友達に上げて、って連絡したら、「えーもう今更無理だよ。急に言われても」って貴方が言ったんじゃない。 後でわかった事だが、急でもチケット欲しかったと言う人はいた……。
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