録画していた日曜洋画劇場「ラストサムライ」を観た。
あれだけ絶賛されていたのだから、さぞかし素晴らしい映画なのかと思いきや、嗚呼またかという感じであった。
どこの国だよ、コレ(怒)。
幾ら文明開化の明治時代でも、あんな侍はおらんだろ……。 勿論私だってその時代に生きていた訳ではないし、これまで観た時代劇や小説などによる伝聞や想像に過ぎないが、少なくともハリウッド映画の時代考証が、日本の時代劇よりも正確だとは到底思えない。 役者も日本人スタッフも、誰一人として、あの演出や背景に文句を付けなかったのだろうか。 だとしたら、ハリウッド進出だ〜などと、喜んで参加している日本人も情けない。 日本国籍なんて、棄てちまえ。
西洋人は何故、勝手なイメージで、他国の文化を脚色したがるのだろう。 まあ、それだけ無神経なんだからこそ、自分の言うところの「自由」や「民主主義」をアラブ社会にまで持ち込もうとして、ドンパチおっ始めちゃうんだろうな。 本当にこの連中と来たら、「王様と私」の時代から進歩が無いよなあ。
それと、負けると判っていながらも最後に華々しく散るのって、美学なのか? 無意味な戦争にしか思えんのだが。 10年ちょい前に見た、織田裕二主演の「きけ、わだつみの声」を思い出させるラストだった。 製作者はハラキリと重ね合わせているのかも知れないが、どうにも質が違うと思うんだが。
本を買った。 文庫本だが、この私が、古本屋ではなく普通の本屋で買うなんて。 ハードカバーなら高いからと絶対に買わないが、新潮45シリーズのせいで、箍が外れてしまったようである。
題名に惹かれて買ってしまった「残虐記」。 桐野夏生を読むのは、「OUT」「柔らかな頬」に続いて、これが3作目である。 「柔らかな頬」と「残虐記」に共通するのは、「想像力」というキーワードだ。 作者が敢えて「推理」と呼ばないのは、それが当たっているかどうかが、最後まで明らかにされないからである。 そして、これらの3作品に共通するのは、主婦の失踪だ。 作者自身に逃走願望でもあるのだろうか。
亭主や子供を放り出して自分だけ逃亡しても、そこに幸せな未来が開けているとは、私には到底思えない。 今の世の中、普通に生きるにしても、色々と手続きが面倒だ。 そこから逃れて生活するという事は、日陰者になる事を意味する。 日の当たらない生活って、楽しいの? 一体何の魅力があるの? 私には、全く理解出来ない。 この人の話は、ドキドキして読み進めてしまうが、最後に残るのは、「それで?」という感想だけだ。 読後の清涼感や満足感は、得られない。 勿論、新潮45シリーズの比ではないが(笑)。
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