よく、自分の結婚前を振り返って、直感的或いは予感として、「私、この人と結婚するんだなあとわかった」と配偶者について言う人がいる。 松田聖子言うところの「ビビビ」というやつである。尤もすぐに離婚したので、彼女の場合は当てにならなかった訳だが。 確か、女優の岩下志麻や野川由美子も、そのような事を言っていたように思う。
しかし私には、そのような霊感は無かった。 知り合いの奥さんが「初めて会った時に、この人と結婚する気がした」とご主人の事を話していて、そのような奇跡体験を羨ましく思ったものである。 ただ、主人には、予感があったらしい。 初めて一緒に入った店が、化学調味料てんこ盛りの店で、主人は啓示的に 「ああ、こんな不味い物を食べさせてしまうなんて……。この人にもっと美味しい物を食べさせなければ」 と思ったと言う。 その頃の私はまだ味覚が育っておらず(つまり贅沢を知らなかったと言う事で、今ほど舌が肥えていなかった)、確かに美味しくないなーとは思ったが、出された物は残さないという教育を受けていたので完食したところ、 「全部食べたの!? 凄いね」 と彼に矢鱈驚かれたのだった。
という話を、ラーメンを食べる度に思い出す。 勿論、あの店にはその後1度も訪れていない。 今度こっそり見に行こう、と言いつつ、全然連れてってくれないよね……。
バファリンの半分は優しさで出来ている筈なのに、このCMには苛々する。 小さい女の子が洗濯機に向かって 「シーなの!!」 と叫ぶ様子が可愛いと言う人もいるだろうが、私はそうは思わない。 わざとらしくて如何にもヤラセ臭く(CMなのだから確かにヤラセなのだが)、ちっとも可愛くないし煩いだけだ。 大体あの年齢なら、洗濯機にそんな事言ったって聞きやしないと判りそうなものだが。
それと、不快というよりは変なCM。 「おじいちゃん1人の体じゃないんだから」 と孫娘らしき少女に声をかけられ、嬉しそうに俯く老人。 一緒にCMを見ていた主人は、何故か私に 「おじいちゃん、身重なの?」 と訊いて来たが、私も同じ事を感じた。 それって普通、妊婦さんに対する台詞では……。
生え際が危なくなって来たクサナギ君が、奥さんのために洗濯機の掃除をするという、洗濯洗剤のCM。 この奥さんは、夏生まれなんだろうな、と思った。 真冬の生まれだったら、奥さんの誕生日に洗濯機の掃除をするご主人は大変だろう。 というか、洗濯機の掃除なんてする? うちは偶に、洗濯機掃除用の洗剤で、中を漬けておく程度なんだけれど。 それでも完璧ではないので、分解して掃除したい気はするけれど、真ん中の螺子が堅くて取れないんだもん。第一、素人が分解したら危険そうだし。 私も主人に頼んでみたいが、掃除が得意ではないし、しょっちゅう他の家事(料理)を頼んじゃっているからな……。 流石にこれ以上頼むのは、気が引ける。
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