天上天下唯我独尊

2007年06月16日(土) スーパーの子供

スーパーマーケットで買い物をしていると、どこかの子供がキャーっと言って騒いでいた。
子供が巫山けるのはよくある事だが、その子は、絶叫に近い叫び声を上げるのだ。
大声を出す事を楽しんでいるのか、それとも母親の「やめなさい」という注意に反抗するのを楽しんでいるのか、それは判らない。
しかし子供の叫び声は、遠慮が無い。
そして耳に突き刺さる。
1度目は我慢した。
2度目も何とか我慢した。
赤ん坊なら兎も角、その子の背丈は小学校1年前後には見えた。
知恵遅れでもなさそうだし、充分に人語を理解出来ると思われる。
(言葉を喋れない赤ん坊でさえ、ベビーサインで意思の疎通が出来る事はよく知られている)
周囲の冷たい視線が集中する中、母親はやはり「やめなさい」としか言わぬ。
何故、もっと強く言って止めさせない?
他の買い物客が迷惑しているのに、気付かないのか?
そして、私の真後ろで3度目の絶叫が上がった時、
堪忍袋の緒が切れ、私は反射的に怒鳴っていた。

「煩い!」

周囲が水を打ったように静まり返り、後ろを向いているのに、今度は私が注目されているのが判った。(笑)。
ゆっくり振り向くと、吃驚した顔の子供が、私を見上げていた。
私はしっかりと子供の目を見て、静かにこう言った。
無表情で。
「静かにしなさい。お店で騒いじゃいけないの。皆に迷惑でしょ」
そして目当ての品物を籠に入れ、立ち去った。
後ろで子供が静かに泣き出し、母親が、
「だからやめなさいって言ったでしょ」
と言うのが聞こえた。

他の売り場も回って、レジに向かったところで、先ほどの親子と出くわした。
母親が頭を下げて、
「先ほどは有難うございました」
と言ったので、私も
「いえ、こちらこそ失礼しました」
と、軽く頭を下げておいた。
後ろの子供は、まだ涙をポロポロ流してしゃくり上げながら、恨めしげに私を見ていたのだった。
いきなり怒鳴って吃驚させたのは悪かったかな、と一寸だけ思った。
けどその前に、母親に止めて欲しかったかなー。

帰宅して主人にその話をすると、
「良かったね。逆切れされて刺されなくて!」
と笑っていた。
貴方ならどういう対応をする?と私が訊くと、
「どうもしない。我慢する」
との回答だった。やはりな。
でも私は我慢が出来ない性質なのよ。



2007年06月15日(金) 仲居さん

着物を着て出かけた帰り、スーパーに寄った時の出来事。

買い物を済ませて駐車場に戻ると、
「すみませーん」
と、声をかけられた。
振り向くと、見知らぬ男性が車の助手席の窓から顔を出していた。
ワゴンタイプというのだろうか、箱型の大きな車の中には、背広姿のおじさん達が数人乗っている。
「この近くに、料亭はありますか?」
と訊かれた。
料亭……行った事無いから知らないんだけれど(汗)。
大きい車に大勢で乗っているって言う事は、お仕事なのかしら。
この土地の人じゃないのかも知れない。
そうすると、一応ここの住民として、知っている情報は与えないといけないと言う気持ちになった。
「ええと、この辺じゃなくて、駅の辺りか、橋を渡った街中にならあると思いますが」
知らないので、どんなに頑張ってもこれ以上の事は言えなかった。
主人なら職場で行くから知っていそうだけれど、私は料亭なんて縁が無いんだもん。
相手は一寸がっかりしたようだったが、
「じゃあ、そっちの方に行ってみます。有難うございました」
と走り去った。

何で私に訊いて来たんだろうと不思議だったが、主人にその話をすると、彼はこう断言した。
「あははは、それは料亭の人と間違われたんだよ。だってシオン、着物着てたんでしょ」
そ、そうだったのか!
確かに私が着ていたのは、料亭勤務と思われかねないような、地味な色合いの紬だった。
しかも殆ど無地。
習い事の先生(推定70歳前後)をして、
「随分地味な着物ねえ。そんなの私だって着ないわよ〜」
と言わしめたほどである。
好きなんだけどなあ、この紬の着物。汚しても目立たなさそうな色だし(オイ)。
着る時は、帯を選ぼうと思った出来事であった。


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