実家の近所に、ほわ〜んなお店がある。 田舎の住宅街なのに、何故か可愛いお洋服のセレクト・ショップがあるのだ。 客は多くないかも知れないが、潰れずに、10年ぐらい続いているだろうか。 この店、センスが良いのだ。 安かろう悪かろうではなく、そこそこ良い物を仕入れている。 よく妹と2人で、この店の前で、マッチ売りの少女ごっこ(お店に入るお金も勇気も無い時、ショー・ウィンドウの前でシュッとマッチを擦る仕草をし、「ああ、何て素敵なお洋服なんでしょう……」とため息を吐く事。勿論、放火ではない)をしたものである。 しかし今や、妹も自力で稼げるようになったので、昨日はお金を持って、堂々とお店に入ったのだった。
そして今日は午後から、妹の車でショッピング・センターへ。 就職が決まってから買った新車である。 一応親に借金したらしいが、実質買って貰った事になるんだろうなあ。まあそれも親孝行。 はじめは普通車を買うつもりが、アパートで割り当てられた駐車スペースが壁の隣りで、反対側の高級外車が狭い枠ぎりぎりに停めるため、出し入れの際に外車を擦っちゃうんではとびびった妹が、普通車を捨てて軽自動車を選択したのだった。 親は、事故った時に軽では心配だと言っていたので、私が 「最初から新車で普通車なんて贅沢よ。そのうちもっと稼げるようになってから、自分のお金で普通車を買いなさい。それにダイアナ(元)妃だって、立派なメルセデス・ベンツに乗っていたのに死んじゃったじゃん。ベンツだって軽だって、潰れちゃえばおんなじよ」 と返したのだが、それは違うと言われた。何がどう違うのだろう。 さて、妹と一緒に私も昨日ほわ〜んな服を買ってしまったので、今日は見るだけ。 買わなくても、あのお洋服可愛い〜でももう年齢的に着られないとか、あの靴素敵〜でも先が尖がった魔女靴だから痛くて履けないとか、見るだけで楽しめる、安上がり姉妹である。 翌日月曜日から、妹は普通勤務。 しかも朝早いので、妹とはここで別れて、私はバスで実家に戻るつもりだった。 もう夕方だし、そろそろ帰るかね〜と時計を見た。 (買ったばかりの腕時計。妹は案の定、「お姉ちゃんはいいなあ〜働いていないのに色々と買って貰えて」と言う。お姉ちゃんはおうちの中で働いているからいいんだよ。それが永久就職なんだよ! てか永久だといいんだけれど……) んじゃあお見送りするよ〜と妹がバス停まで付いて来てくれた。 付いて来て正解。 最終便は5分前に出発したところだった……恐るべし田舎のバス。 タクシーで帰るか、それとも親に迎えに来て貰うか迷ったが、結局妹が送ってくれる事に(笑)。 再び2人で家に戻り、妹は夕食を食べてからアパートに戻って行ったのだった。 ご苦労。
2007年05月12日(土) |
お姉ちゃんなんだから、は禁句です |
里帰りした。 体調がいまいち宜しくなかったのだけれど、妹も帰って来たので、晩御飯はお寿司屋さんへ。 昔は外食なんて、年に2、3回の贅沢だったのに。 私としては、折角実家に来たのだから、母の手料理を食べたいんだが。 勿論、私は手伝わない。後片付けしか。
月末に初給料を貰った妹は、貧乏学生だった頃の面影はどこへやら、すっかり気分は成金になっていた。 「見て見てー、これ、お給料で買ったの♪」 と言って、真新しい籠バッグを見せてくれた。 トートバッグのように上がパカパカするのではなく、口金で密閉する、コロンと丸いタイプである。 「可愛い! 虫籠みたい〜」 と私が言うと、虫籠じゃないもん!!とキィーとなっていた。 ちゃんと、可愛いって言ったんだけど……。 でも妹は、お給料から、両親に食器をプレゼントしたらしい。 粗品とか色々あるし、実家の食器はバザーに出すほどあると思うんだけれど、まあ親にしてみればその気持ちが嬉しいのかも知れない。 「で、お姉様には?」 「え……」 「お姉様には何も無し、なんて事は無いよね? おむつを替えて貰った恩を忘れたのか?」 「だって、そんなの覚えてないし……」 妹はぶつぶつ言いながらも、一緒に買い物に行った先で、シャツを買ってくれた。 それでも妹は、 「おむつの恩を〜って、この先一生言われそうな気がする」 とまだぶつぶつ言っているのだった。 ちゃんとわかってんじゃん!
夜、電話で主人にその話をすると、 「駄目でしょ。シオンがお姉ちゃんなんだから、ドビーちゃんに何か買ってやりなさいな」 と叱られた。 むう……。 翌日、妹にトイレのスリッパを買ってやった。
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