私が初めてお笑いコンビ「南海キャンディーズ」を知ったのは、M1グランプリ決勝の生放送を見た時だった。 2004年の第4回大会か、翌年の第5回だったかは忘れた。 ちっとも面白くなかったので、多分、彼等が最下位だった2005年の大晦日だったのだろうと思う。
その片割れのしずちゃんこと、山崎静代。 彼女のどこが面白いのか、私にはよく解らないが、最近よくTVのCMなどで見かけるようになった。 別に嫌いではないので、ふーん、売れて来ているのかしらね、ぐらいに思っていた。 私の主人も、 「この子、最近よく出るようになったね」 と言ったが、続きが凄かった。 「そのうち、『いちごの日』みたいな事になるぞ」
解説しよう。 「いちごの日」とは筒井康隆の短編で、醜い女の子が小さい頃から「貴女はとっても可愛いのよ」と言われ続けて育ち、本人が完璧にその気になったところで、「ハイ、これは嘘でしたー。貴女は本当は不細工なんですよ!」と皆が笑うと言う壮大なビックリの、残酷物語である。
「このままでは、この子のために良くない。誰か彼女に現実をちゃんとしらせてやらないと」 と主人は言った。 うーん、確か彼女は、アイドル・オーディションに応募した事があると聞いた覚えがある。 主人の言う事も、もしかすると当たっているのかも……。 しかし彼の言う事だから、どこまで本気なのかは、誰も知らない。
主人と2人で歩くと、食品売り場を除いては大抵、私が後から付いて行く形になる。 デパート等で上りのエスカレーターに乗ると、目の前は彼の背中だ。 背中を触って、手を少し下げると、そこはお尻だ。 一応後ろを振り返り、誰もいないのを確かめて、お尻を触る。 「やめなさい」 軽く手を叩かれて、こう言われた。 「どうして人のお尻に触るの」 「えっ、どうしてって言われても、そこにお尻があるから(byマルロー)」 「……シオンはイギリスには住めないね」 「どうして?」 「イギリスには、町の至る所に監視カメラがあるからさ。『この人、いつも旦那に触ってるよ。変態だな』って言われるぞ」 良かった、ここは日本で。
そしてまた上りエスカレーターに乗って、何の気無しに主人の後ろポケットに指を引っ掛け序でに、お尻を触ると、下りエスカレーターと交差する所で視線を感じた。 上り線には我々の他に誰もいなかったのだが、下り線に乗った中年のご婦人が、ギョッとしたようにこっちを見ていたよ……ありゃりゃ。 エスカレーターを降りたところでそれを主人に話すと、「それ見た事か」と叱られるかと思いきや、 「じゃあ叫べば良かったかな。『キャ〜〜〜、誰か助けてええ』って」 この人はいつも、私の予想しないところを行くなあ。
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