中学生の頃、部活動に入部すると、「炭酸飲料は、肺活量が少なくなるから、飲んではいけない」と言われた。 元々私の育った家庭では、炭酸は勿論、清涼飲料のジュースも無いのが普通だったので、別に不自由も感じなかった。 大人になっても、進んで炭酸を飲む事は無かった。(麦酒は好かんので、チューハイぐらいか)
結婚相手は炭酸大好き人間だった。 冷蔵庫にはコーラかジンジャー・エールが最低1本はあるのが普通。 結婚当初は主人の健康を考えて、「コーラは1週間で500mlまで!」と制限を設けてみたが、半年も経たぬうちに相手が切れたので、もう勝手にせえという事になった。 主人がとても美味しそうに炭酸飲料を飲むので、私もひとくちチョーダイと言う。 しかし、飲み慣れていないからか、飲むのが下手なのだ。 頑張って飲んでみても、口に含んだ途端に液体は泡に変わり、ぶくぶくと蟹さんのように泡を吹きそうになる。 何故私が炭酸苦手なのか。 炭酸は刺激物だ。 私は辛い食べ物が苦手だし、炭酸の刺激も辛味に似ている。 だからすぐに飲み込めずに、口の中で刺激に慣れようと液体を留めているうちに、炭酸が気化してしまう。 それで、飲む頃には口の中の泡を持て余して、飲めなくなるのだ。 今日もグフウと変な音を出し、 「ホントにシオンは炭酸飲むのが下手だなあ!」 と主人に呆れられた。 因みに、炭酸を飲むと肺活量が減ると言うのは、根拠が無いと主人が言っていた。 都市伝説なのか?
実家から引き取ったばかりのコップが、早速壊れた。
毎週水曜日は、FBIの日。 これは、私が今季唯一観ているTVドラマである。 23時と言う遅い時間の放送になってしまったのが残念だが(昨年までは22時枠だった。それぐらいが丁度良いのに何故だNHKよ)、私はこれを観ながら週に1度の晩酌を楽しむのだ。 昨夜も、コップと一緒に実家から貰って来た梅酒を飲みながらこの番組を観ていた。 しかし希釈が上手く行かず、水を足したり梅酒の原液を足したりしていたら、全部飲み切れなかった。 (20台の頃は余裕でいけたのだが、年を取ると酒量が減るって本当なのね。私の父は還暦過ぎまで変わらなかったが、私はこの歳でもう駄目だ。面目無い) コップ半分ほどに残った梅酒。 翌朝に響くと困るので今は飲めないが、捨てるのは惜しい。 ラップで蓋をし、冷蔵庫に仕舞った。
残りは今晩、夕食の時にでも飲もうと思っていた。 しかし晩飯の支度中、冷蔵庫を少し勢い良く閉めたら、中でガチャンと不穏な音が。 嫌な予感がした。 扉をそっと開けてみると(何故閉める時にそっと閉めないのだろう。今更そっと開けた所で無意味なのに)、予感的中。コップが割れて、冷蔵庫の底には梅酒が広がっていた。 こんな事になるぐらいなら、さっさと飲んどきゃ良かったよ。
不幸中の幸いは、割れたコップが、余り気に入っていない方だった事か。 いや、幸いでも何でもないか。
|