天上天下唯我独尊

2007年04月09日(月) 背の高いコップ

我が家には、硝子のコップが無い。
普通の透明の硝子製の、所謂普通の「コップ」である。
結婚当時には半ダースのセットがあったのだが、1つ割れ2つ欠け、やがて全滅した。
リサイクル店で幾つか買い足したが、それも壊れたので、湯飲みやマグカップで代用する生活が暫く続いていた。

先月実家に行った折、物置部屋で未使用のコップを2つ見付けたので、その他の目ぼしい物と一緒に持ち帰った。
デザインは違うが、どちらも少しスリムで少し長い、ちょいとお洒落なコップである。
そのコップで、冷たいジュースを飲んでみた。
「む」
どうした?と主人。
「一寸これで飲んでみてよ」
と主人に渡したが、主人は普通に飲める、何とも無いと言う。
「おかしいな。このコップで飲むと、ちゃぷんって顔に飛沫がかからない?」
「かからない」
即答である。
「いや、私はかかるんだけど」
と言って実演して見せると、主人はぷぷと笑ってこう指摘した。
「それはさ、シオンが飲んだ後に、傾けたコップを勢い良く元に戻すからだろ。それでコップの中の液体が跳ねて顔にかかるんだよ。コップじゃなくてシオンの飲み方の問題だ」
「いや、それは違う! だって今まで使ったコップは何とも無かったもん。私の飲み方は変わっていない筈よ!」
とムキになって反論してみたが、あーハイハイそうだねコップのせいだよねと棒読みで返されてしまった。

コップの1つは、冷たい物を注ぐと色が変わった。
現れたのは、凶悪なご面相の熊の絵と、「Welcome! 21st century」の文字。
いつのオマケだよ……。



2007年04月08日(日) 障害者は最早弱者ではない

コンサート・ホールで盲導犬を見た。
いいの? 幾ら盲導犬でもホール内に連れて入ってもいいの?
帰宅して、ネットで調べてみた。
東京の有名ホールでは、受け入れ態勢も整っていて、どんと来ーい!という感じのようだ。
という事は、それが普通なのか……。

知り合いから聞いた話。
音楽コンクールに、盲導犬を連れて入りたいと、ゴネた人がいたらしい。
盲人1人だけではなく、目明きの連れもいたので、主催者側が、
「ホール内はご遠慮下さい。犬はロビーでお預かりします」
と申し出たのに、何が何でもホール内に連れて入ると言って聞かない。
「コンクールですから演奏中に何かあると、審査の方も困りますし、他の来場者の中には、犬が苦手な人やアレルギーの人がいるかも知れません。だから犬はご遠慮下さい」
と主催者側が説明しても、盲人は全く聞き入れない。
「そんな事は無い! いつもこの子(=犬)を連れて歩いていますけれど、1度もそんな事を言われた事はありません。皆、可愛いと言ってくれます」
そりゃそうだろうよ。
犬嫌いな人間は、わざわざ近寄って犬キライなどと言いはしないだろうから。
そして、
「しかるべき所に訴えますから!」
と盲人に半ば脅迫されるような形で、結局主催者側は
「じゃあこの回だけですよ」
と折れてしまった。
どうやら、盲人の身内が出場するので、その部分だけ許可したという事のようだ。

盲導犬の役割については、一応理解しているつもりだし、盲導犬もそれなりの訓練を受けていて、そんじょそこらの人間よりもずっとお利口さんなのだろうと思う。
でも、遠慮してくれと言われているのに、権利ばかりを振り翳して無理を通そうとするのは如何なものか。
以前、東横イン騒動の時にも書いたが、何か履き違えている気がする。
平等と甘やかしは違う。
因みに件の盲人の捨て台詞。
「障害者だからって差別する気か!?」
……いやね、だからそうじゃなくて。
今や、障害者問題は腫れ物だ。
障害者全部がこんなじゃないだろうが、こういう人はホントに困る。
自分の事ばかりじゃなくて、こちらの言い分を通そうとすると困るという人の事も考えようよ。


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