最近のマイ・ブーム、それは「まいっちんぐ」。 家の中でしか遣わないけれど。
一緒に習い事をしている人から、 「ええっ、春さんて30歳台だったの? てっきりまだ20台だとばかり思ってたわ〜」 と言われた。 それを主人に報告したところ、 「その人って、80歳とか90歳とかなんじゃないの。年寄りから見たら、20台も30台も変わらんだろ」 それは、その人にとっても失礼だと思う。 「でも、妹のお友達からも言われたのよ。『えーっ、ドビーちゃんとお姉さんてそんなに歳が離れているの? 5つぐらいしか違わないと思ったー』って言ってたんですって♪ セールスの電話の人にも『おうちの人に代わって下さい』って、子供の声と間違われるし。いや〜ん、まいっちんぐ☆」 と照れてみせると、ストップがかかった。 「駄目。それは駄目。本当に若かったら『まいっちんぐ』なんて言葉、遣わないから」 そりゃそうだけど……確かに昭和の遺物だけどさ。 「そう言えば、今日、職場の同僚も『まいっちんぐ』を遣っていたよ。うちの妻も遣っているとは流石に言えなかったけれど」 「あら、言っても良かったのに。でも来たか。まいっちんぐブームの再来ね。よーし流行らせるぞ!」 と息巻く私に、 「いや、その人50歳台のおじさんだから。若い人は言わないって」 と主人。 でも今後まいっちんぐを普及させたら、若い子も遣うから、そんなの関係無いと思うよ。
今年の4月には統一地方選があるそうで、何が統一で何が地方なのかよくわからないが、兎に角選挙があるらしい。 しかし投票日の日曜日は、主人が仕事で投票所に行けそうに無いので、外食序でに期日前投票に行こうという話しになった。 外食という事は、夕食の支度と後片付けが要らないという事なので、ワーイと言って着いて行った。 勿論選挙葉書を持って。
期日前投票は、役所で行われる。 我々2人だけではなく、仕事帰りの人達だろうか、何人かいて、受付や投票をやっていた。 いつもの投票と違うのは、初めに紙を貰い、質問事項に答えなければならない事である。 まず、そこで躓いた。 日曜日の選挙に来られない理由は?との問いに、主人は「仕事があるから」と答えれば良いが、私の場合、ごくごく私的な用事なのだ。 しかもそれで丸々1日が潰れる訳でもなく、面倒だし主人と一緒に期日前投票してしまおうと思ったのである。 そんな軽い理由では駄目なのか? うーんうーんと考えた挙句、「外出」に丸をつけ、場所は「市内」と正直に書いた。 市内のお出かけなら当日に投票出来るじゃねえか!と怒られるかとビクビクしたが、ちゃんと紙は受理して貰えたし、特に何も注意されなかったのでホッとした。
次なる躓きは、肝心の投票であった。 えーとえーと、誰に投票しようと思ったんだっけ?? いつもの選挙のように、台の目の前には候補者の名前がずらりと並んでいるのだが、何故か殆ど全員無所属。嘘こけー!! 何だよ、今まで某党の議員だったくせに、選挙の時だけ無党派層を意識して無所属って。なめてんのか。 しかも、「氏名(無所属)」だけで、略歴等は全く書かれていないのだ。 そういや今までの選挙もそうだっけな。氏名と所属政党しか書かれていなかったという記憶が蘇って来た。 しかしこれは困る。 主人に助けを求めて隣のブースを見たが、もういないし! しかも部屋の中を見渡してもいない。私がもたもたしているうちに、さっさと投票を済ませて退室してしまったのだ。 どうしよう……と青くなる私。 投票用紙を持ったままここから動いたら、ピピーッと警笛を鳴らされて、選挙無効にされちゃうのかしら。 そうだ、そこでずらりと私を監視している選挙管理委員会の人に「○○を××した人って、どの候補者でしたっけ?」って訊いちゃ駄目なのかな。でもそれってカンニングに当たるから、やっぱりピピーッ無効!とされちゃうんだろうか。 ああどうしよう……とブースを1つ占拠したまま、頭を抱えて悩んだが、候補者名を覚えていないのだからどうしようも無い。 ここは消去法だ。 候補者氏名と睨めっこして、この人は違う、この人も違う、この人はさっきポスターで見た人で私の投票したい人とは違う人だ、と記憶を頼りに、候補者を絞って行った。 残ったのは2人。3文字と5文字。さあどっちだ? 確か、長い名前だったような気がする。 ええい、ままよ。と5文字の名前を書いて、投票箱に入れた。
部屋を出ると、主人が待っていた。 「随分遅かったね。どうしたの?」 事の次第を話し、○○を××したのって、5文字さんでいいんだっけ?と訊くと、 「そう、その人で正解。てか、何故シオンは候補者の名前を覚えて来ないのさ? 前にもそんな事あったよね?」 「うん……あった」 「もうホントに学習能力が無いなあシオンは!」 散々笑われたので、次回の選挙こそ、ちゃんと候補者名を覚えて行こうと決意したのだった。
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