主人の携帯がいよいよ駄目っぽいので、一緒に買いに行った。
お気に入りのラーメン屋でお昼を食べ、そのまま近くのドコモショップへ。 主人の審査は厳しい。 「どれでもいいよ」と言いながら、あれこれ煩いのだ。 今持っている1台目の携帯電話は、私が適当に1円の物を選んで買って来たのだが、これが幸いにも、本人には丁度良かったようだ。 それまで携帯電話という物を良く知らず、まあこんな物かと思って使っていたの主人だが、次に買うとなると、前の物との比較になってしまう。 「今の奴より薄くて軽くてコンパクトなのがいい」 と余計な注文が増える。 店内をぐるぐる回り、ああでもないこうでもないと見ていたが、 「無い」 の一言。 「じゃあどうするの? ソフトバンクかauでも見に行く?」 と私が訊くと、 「ううん、もう面倒臭いから帰る。それに、こないだは通話不能だったけれど、あの後何故か復活して、今は使えるようになったから、また暫くはこのままでいいや」 じゃあ今までの時間は一体何だったのかと……。 「待って!」 私は、さっさと店を出て行こうとする主人に声をかけた。 「私の携帯買ってもいい? 可愛いのがあったんだけれど……」
主人の携帯電話を買い換える筈が、私のを買い換える事になった。 ここで、カメラ機能がイカれた半年前に来ていれば、無償で修理して貰えたという事を知る。一寸しょっく。 何でもそうなのだ。おかしいと思ったら、その時に訴えなければ!と心に刻む。(何度目だろう……) どうにも最近の携帯は、矢鱈とスタイリッシュで機能的で、可愛さに欠ける。 そう、こういうのがいいの!という物に巡り合ってしまったので、迷わず決めた。 すっぽりと片手に収まる大きさと形、ほわ〜んとした色合い、お洒落な模様がすっかり気に入ってしまった私は、 「可愛いでしょ♪」 としつこく何度も主人に見せていた。 しかし頑として相槌を打ってくれない主人……まあいつもの事だが。 非の打ち所の無い携帯と思っていたのだが、買ってから、案外使い辛い事が判明。 パカッと開かないと、写真機として使えないのだ。今までの奴と違うので、これは不便。 そして買ってから気付いたのだが、これまた三菱電機の製品なのだった。 という事は、これもまた1年半でデータでパァになり、2年後には写真機として使えなくなるのか……?
2人とも手が利かないのでは仕方が無いので、私も何度か病院に行ってみた。 1回目は痛くない注射を打たれた。 これなら楽勝じゃん♪と思っていたが、待合室に戻ると、針を刺した場所が徐々に膨れて、痺れを伴う痛みが! 看護婦さんに訴えると、 「お薬が吸収されれば元に戻りますから、大丈夫ですよー」 と言われたが、痛みに弱い私には、泣きそうなほど痛かった。 勿論大人なので泣かなかったけれど! 2回目は痛い注射を打たれた。 実際は痛くはなかったのかも知れないが、ぶっとい注射器の中に、透明な液体が並々と入っていたので、視覚的に痛かったのだ。 それってホントに指示通りなの!? 医療ミスじゃないよね!? そんなに大量の液体を一度に入れたら死んじゃうよ、もっとゆっくり注入してよ!! と心の中で叫んでいたが、どうやら看護婦さんに私の声は届かなかったらしい。 「ハイ、終わりましたよー」 と絆創膏を貼られた後も、死ぬかも死ぬかもとヒィヒィ心の中で泣いていたのだった。
この歳になっても、注射って怖いわ……。 小さい頃はしょっちゅう点滴受けていたし、献血も大好きなんだけれど、刺す瞬間に痛みの全てが決まるからねえ。 因みに主人も、子供の頃から、注射・点滴には日常的に世話になっていたらしい。 そして、1度も注射で泣いた事がないと言う。 何故なら、注射をすると、体調が良くなる事を知っていたから。 注射の痛みより、具合の悪さの方が耐え難いんだと。 子供の頃、おしりにぶっとい注射をされて泣き喚いた私の負けである。
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