天上天下唯我独尊

2007年01月30日(火) 欲の皮

今更?という感じがするが、リッチランドの会長以下17名が、逮捕された。
だって、リッチランドの名を聞いたのは大分前で、調べてみたら昨年5月頃の話だ。
それなのに、まだ逮捕されていなかった事に驚いた。

リッチランドは、投資会社ではなく、健康食品販売会社らしい。
それが何故、沈没船の引き揚げや、ルーマニアの不動産投資に関わるのか、実に不思議だ。
普通におかしいと思わないのだろうか。
縦しんば思ったとしても、「儲かる」の一言にお金を出してしまうのだろうな。
少なくとも投資するからには、相手の話を鵜呑みにせずに自分でも調べてみる必要があると思うのだが、調べるのすら面倒なのだろう。
面倒だから、楽をして儲けたい。
だから、詐欺に引っ掛かるんだろうなあ……。

リッチランドに年金を騙し取られたという被害者が、TVのインタビューに答えていた。
それを見た主人は、理解出来ないという風に首を振った。
「年金ってのは、『今まで沢山働いてお疲れ様でした。これからはこれで暮らして下さいね』って貰うものだから、それだけあれば暮らしに困る事は無いでしょう。どうしてそれを、増やそうと思うんだろう」
「そうねえ……お金の余裕は心の余裕、だからかな。少しでも多く子供に遺してやりたいと思うのかも知れないし」
お金に執着のある妻として、考え考え私が答えてみたが、お金に執着の無い夫はやはり理解出来ない様子で、
「児孫のために美田を買はず、だよ。未成年や学生なら兎も角、成人した子供にお金を残す必要は無いね。遺産があると、相続争いで却って不幸になる」
と言い切った。
そうだよねえ……。

うちの主人は、裕福な家庭の出ではない。
お金で苦労した事が無い訳でもないのに、それを苦労とも思っていないところが凄い。
主人の両親も、やっぱり同じような感じで、
「お金が無いのは惨めだが、不幸ではない。沢山あり過ぎるよりは、困らない程度にあった方が幸せ」
という考えの人達である。
こういうところは、偉いなあと思う。



2007年01月29日(月) 犬死に物語

天皇皇后両陛下も御覧になったという、映画「あなたを忘れない」の宣伝を、TVで見た。
2001年1月26日、東京は新大久保駅で、ホームから落ちた酔っ払いを助けようと線路に飛び降り、一緒に死んでしまった韓国人留学生のお話である。
他にも1人の日本人が一緒に降りているのだけれど。

あれからもう6年も経つのか……と懐かしく思い出してしまった。
当時知り合いだった小学生達が、学校での出来事を話してくれた。
その日は、学級会の議題で、新大久保駅事故を取り上げたらしい。
「それで、MちゃんとCちゃんはどう思ったの?」
と私が訊くと、高学年の2人は言った。
「偉いと思った。自分の身の危険も顧みずに、線路に飛び込んだんだよ? 普通出来ないよねー」
シオンさんもそう思うよね?と問われて、私は正直に答えた。
「うーん、私はそうは思わないな。確かに、人を助ける行為は尊いものだよ。その点については偉い。でもね、この人達(助けようと線路に進入した2人)は落ちた人を助ける事が出来なかったばかりか、自分達も死んじゃったでしょ。犬死にだったよね」
そう言った途端、2人の集中砲火を浴びてしまった。
「酷い! 冷血!」
「クラスでも4人しかいなかったよ、そんな冷たい事言う人!」
そうか、4人しかいなかったか。随分少数派だなあ。
正直に答え過ぎたかと苦笑いして、私は続けた。
「でもね、よく考えて。人を助けようとしても、自分が死んでしまっては、自分の家族まで悲しませる事になるんだよ? 人助けは素晴らしいが、後先考えずに行動しちゃいけない。もしあなた達が同じ状況に置かれても、自分の命まで危険に晒される場合は、飛び降りては駄目だよ。あなた達には、ここまで大切に育ててくれたお父さんとお母さんがいる。家族や友達がいる。その人達を悲しませるような事をしちゃ駄目だ。人助けのために死ねば、マスコミが美談として取り上げ、人々は感動するが、遺族の悲しみは消えない。親より先に死ぬのは、最大の親不孝だぞ。それをよく覚えとけ」
気が付いたら、つい熱弁を振るっていた。
2人とも何だか神妙な顔で聞いているので、私はこう付け足した。
「まあ、あれだ。1番悪いのは、勝手に線路に落ちた酔っ払いだな」
「そう! そうだよね」
「そうだよ、最初にあの人さえ落ちなければ、3人も死なずに済んだのにさー」
と、2人はまた元気に喋るのだった。

新大久保駅の事故の話を聞くと、あの子達を思い出す。
もう高校生なのか。早いなあ。


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