昨年の紅白歌合戦は酷かったらしい。 らしい、というのは、私は観ていないからである。 大晦日は鼻炎が酷くて、家族でおこたにあたって紅白を見ながら団欒……なんて出来る状態ではなかった。 さっさと布団に入って、自宅に帰れる日が来るのを待っていたっけ。 何と言っても、眠っている間だけは、苦しい鼻炎から開放されるのである。不思議な事に。 もしかしたら、精神的なものだったのかも……その可能性はあり得る。
私は見なかった紅白だが、私の実家では毎年あの番組を見て年を越す。 帰省していた妹は見ていたようで、NHKに苦情メールまで送ったという。 その返事が、 「あれはDJ OZMAが勝手にやった事で、NHKは一切関与しておりません。NHKはDJ OZMAに騙されたんです。これからも、NHKを宜しくお願いします。受信料払わないなんて言わないで下さい……」 という内容だったらしい。かなり要約したが。 でもさ〜、DJ OZMAが独断でやった事だなんて言われても、信じられないんだが。 普通に周囲に漏れるでしょ、あれだけ大掛かりな事やるんなら。 NHKの現場責任者が知らないなんてあり得ない。 我が家は今まで通り受信料は払うが(だって払わないのは普通に犯罪でしょ。罰則規定が無いだけで)、このNHKの言い分は一寸頂けない。 ちゃんと責任者を処分して、それを公表すべきだと思うな。
件の騒動を、私は年明けのワイドショーで知った訳だが、それまでDJ OZMAなんて名前、聞いた事も無かった。 あれって、氣志團のボーカルの人だったのね。 氣志團自体、一昨年か一昨々年の紅白で初めて見たんだけれど。 紅白での氣志團のノリは良かったと思うのだが、今度のは全く、悪ノリとしか思えない。 配慮が足りないと言うべきか。 あの酷い演出は、成人式の式典で毎年馬鹿騒ぎする連中に似ている。 尤も、騒ぐ馬鹿は毎年違う人間の筈なのだが、よくもまあ、ああいう風に育てる親がいるもんだと呆れる。 場を弁えない馬鹿本人も勿論だが、あんな風に育てた親も、世間に顔を晒して詫びさせたらどうか。 しかしああいう連中に限って、TVに出た=有名人になった=俺って凄いぜ!という飛躍的馬鹿三段論法のような構造の脳味噌だからな。 打つ手無しなのか。
一方、夕張市の成人式に関する報道は良かった。 お仕着せではない成人式は、夕張の新成人達にとって、いい経験になったのではないだろうか。 人の善意って、いいね。 勿論我が家では、募金や寄付に1銭も出さない主義なのだが。
渋谷の歯科医宅の家庭内殺人事件。 次兄が妹を殺し、死体をバラバラにしたという。 主人にも私にも、それぞれ妹がいるが、仲は悪くない。 むかーし昔、おしめをしていた頃の妹に思いっ切り噛み付かれた時(その頃には妹も少しは知恵がついてたので、口の端を少し開けて呼吸を続けるという技を習得していて、鼻をつまんで引き剥がすという手段が効かなかった。血が滲むほどに歯形が残ったっけなあ……)は、この餓鬼殺したろかと思ったが、殴って風呂に沈めて死体を切り刻もうなどと思った事は無い。 今のところはなかよしまいだし、私は姉なので、妹に殺意を抱く兄の心情はわからない。
TVでは、殺された妹が出演していた「くりいむレモン」について、 「厳格な親なら、出演に反対するような映画」 と紹介していたが、厳格ではなくても、普通の親なら反対しないか? アダルト・ビデオとまでは行かなくても、主役の女の子は裸体を晒しているし、内容だって兄妹の禁断の愛なんでしょ。 「ねえねえ、貴方の妹が『くりいむレモン』に出るって言ったら、どうする?」 と主人に訊いてみたら、こう返って来た。 「……何のために?」 「……。いや、妹が30代子持ちの主婦じゃなくて、ピチピチの二十歳だとしての話」 「まあ、普通に止めとけって言うだろうな」 うん、そうよね普通は止めさせるよね。 「じゃあさ、兄が妹を殺して乳房を切り取るって、どういうものなの?」 と次の質問をぶつけてみた。 「いや、うちの妹、切り取るほどの胸が無いから」 「……」 そうでしたか。 失礼しました。
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