天上天下唯我独尊

2007年01月01日(月) 躁鬱憂鬱年末年始 その3

やっと最終日を迎えた。
私は朝食前にさっさと、寝床を片付け、荷物を纏め、使っていた部屋を掃除してしまった。
飯を食ったら後は帰るだけ!
義母からは
「帰るとなったら、途端に元気になったね」
と言われたが、そんなの当たり前。
お世話になりました、と挨拶して帰って来た。

他所に泊まって辛いのは、腸の動きが止まる事。
しかも主人の実家は和式トイレなので、洋式に慣れている身では、尚更出なくなる。
私でさえ辛いのに、年寄りに和式は辛くないんだろうか。
特に義母なんて足が悪いのだし、洋式に改造した方がいいかも知れない。
その際には、こちらもお金ぐらいは出すつもりだ。
いいよいいよー、それで主人が親孝行した気分になれるんなら。
でも私は、2度と泊まりに行かない。
次回からは、各自の実家に行くという事にするつもり。
その方が合理的だし、お互い気が楽でしょ。
無理に家族ごっこする事ないわよ。

帰宅してすぐさま、私は洗濯機を回した。
2泊分は結構な量になるから、今日のうちに出来るだけ洗わないと〜と主人には言いつつ、本当のところは彼の実家で付いた埃を洗い流したかったのだ。
勿論夕食は早めに済ませ、早々に主人を風呂に追い立てるのも抜かりなく。
あ〜やっぱり自宅はいいわあ、と、「明礬の花」入りの風呂に浸かりながら実感した。

風呂上がりには、ウィーン・フィルのニューイヤー・コンサートを、地上波とBSで2度見(笑)。
だって、お正月番組って詰まらないんだもん。
今年の指揮は、主人が大好きなズービン・メータ。マカレナおじさんに似ている人である。
最初は、
「え〜……メータがニューイヤー・コンサート振るの? 何か、イメージじゃないなあ」
などと言っていたが、実際始まってみると、夢中になっていた。
一寸した冗談などもあって、とってもいい雰囲気の演奏会。
指揮者も演奏者も聴衆も、皆が一体となって楽しんでいるという感じだった。
ところでこの新年演奏会、何故か毎年バレエの映像が入る。
オケを見たい主人は邪魔がっていたが、私にはこっちも楽しかった。
バレエには興味は無いのだが、お洋服がとっても素敵なのだ。
「ディナーミン」(磁気の不思議な力)という曲で、バレリーナ達が着ていたのは、何とも可愛いハイウエスト・ワンピース。
可愛いねえ〜といつもここから宜しくうっとりしていると、確かに可愛いけれどいつ着るの?と現実的な突っ込みを食らってしまった……いいんだよ、妄想だけでも楽しいんだから!

主人の実家は勿論、自分の実家よりも、自宅が1番落ち着くし、寛げる。
最悪の年越しだったが、その分今日は、最高の元日の夜かも。
洗い立てのタオルケットとシーツに挟まれて、自分の布団でぬくぬくと眠れるのって、つくづく幸せだと思った。



2006年12月31日(日) 躁鬱憂鬱年末年始 その2

さて、テンションが高いままに主人の実家入りした私は、到着後暫くして、アレルギー性鼻炎を発症した。
原因はハウスダスト。これは検査済みである。
「ちゃんと掃除したんだけどなあ……」
と済まなそうに言う義父。
ごめんなさい、でもホント駄目なんです、絨毯って。
それに掃除機かけただけでは完全ではないんですよ、あちこち埃だらけですもの、この部屋。
年寄り夫婦2人暮しの家にお邪魔するのだから、掃除用具持って行って自分で掃除した方がいい?と主人に訊いたのだが、それも却って失礼じゃないかと言うので、無防備で来てしまったのが敗因か。
私の実家なら好きなように出来るのだが、そうではないのが辛いところだ。
実子である主人が何とかしてくれればいいのだが、彼はこの環境に慣れているので全く平気らしい。
彼に言わせれば、義母は家事が苦手で仕事も忙しいから掃除まで手が回らないんだそうで。
親を庇いたい気持ちはわかるが、悪いがそれは言い訳に過ぎない。
どんな御殿に住んだって住人が片付け下手なら、じきにゴミ屋敷になるよ。
馬鹿亭主にはムカつくが、私もハナからいい嫁を演じようなどと思っていないし、それを期待されてもいないので、鼻炎による体調不良を理由に何もしない。

主人の実家のいい所は、嫁に労働を強要しないところである。
主人と義母が台所仕事をやってくれている間、私は炬燵でTVを見ながら、義父と話しをしている。
後片付けは食器洗い乾燥機がやってくれる。
具合が悪かったら休め、眠かったら寝てていい、というのは有難い。
義父母も朝はのんびりしていて、起床は10時頃だ。というのも、義母が夜中まで「チャングムの誓い・総集編」を観ているかららしい。

でも、お風呂が直っていないのには驚いた。
夏に来た時、湯船の水は沸かせるが、洗面所では水もお湯も、お風呂ではシャワーも使えないという状態だったのだが、何と4箇月経ってもそのままだと言うのだ。
主人も驚いていたが、私はそれを知った時、眩暈がした。
何故そんな所に平気で我々を泊めるのだ。
両親の事を、風呂に入らなくても平気な人達だから……と彼は言うが、私は平気じゃないんだよ。
1日目の夜は、風呂場で顔と下半身だけ洗ったが、2日目は主人が見兼ねて、主人が近くの温泉へ連れて行ってくれた。
しかしこの温泉がまた微妙。
大晦日のせいかいつもより混んでいて、お湯の使用量が限界を超えたらしい。
シャワーがちょろちょろとしか出なくなりました……。
温まったけれどシャンプーは合わないし、シャワーは順番が来ないしで、命の洗濯には程遠いものだった。

私もアレルギー2日目になると、もう鼻がヒリヒリして、クリスマスも過ぎたのにトナカイさん状態で、精神的にもかなり参っていた。
布団はふかふかだったが、タオルケットやシーツがかなーり微妙。
一応洗ってあるという事だったが、もうこっちは疑心暗鬼だ。
だって、タオルを借りようとしたら、義母はタオルの山から「確かこれは洗った筈」と言いながら選別するんだもの。
何故、洗った物とそうでない物が一緒にあるのだ??
タオルもシーツもタオルケットも何もかも、持って来れば良かったのだろうか。
でもそんな面倒な事をするぐらいなら、来ない方がまし。
そう、来ない方が良かったのに、何故来てしまったのだろう。
そんな事をストレスで眠れずに一晩中ぐるぐる考えていれば、おかしくもなるってもんだ。

また埃臭いタオルケットに包まっていると、こんな所で年を越さねばならない自分が、何だか可哀相に思えて来た。
もう2度とここには泊まらないぞ……。
何とか2泊を乗り越えた元旦、私は起床するなり、さっさと帰り支度を始めた。


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